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腰が痛くて椅子に座るのがつらい…。と悩んでいる方はいませんか?椅子が体に合っていないと、腰痛を悪化させてしまいます。ここでは、腰痛予防の観点で椅子の選び方を解説します。

体に合わない椅子が腰痛を悪化させる?!

すべての椅子が悪化させるわけではありません。体格に合っていない椅子であったり、腰に負担のかかる座面の椅子が原因です。では、どんな椅子が腰痛を悪化させるのでしょうか?

この記事をきっかけに椅子の見直しをしてみましょう。これから購入を検討している方は参考にしてみてください。

気を付けたい椅子の特徴とは?

椅子とソファ

座椅子

正しい座り方は膝の角度が90度になるのですが、座椅子のように高さがなく床に座るような格好ではと足を前に放り出して座る姿勢になり、膝の角度が90度より大きくなってしまいます。そうなると、本来下半身で支えるはずの負荷を腰周辺の筋肉で支えることになり、腰に負担がかかります。さらに、前に足を放り出す姿勢は骨盤がうしろに傾くため、骨盤のゆがみから腰痛になりやすいです。

座面が柔らかすぎる、または硬すぎる

実際に体が触れる座面はとても大切です。座面がクッションになっている椅子の場合、柔らかい方が体に優しそうなイメージがありますが、腰にとってはそうではありません。座るときは骨盤をしっかり立てて座る必要がありますが、クッションが柔らかすぎるとお尻が沈み込んでしまい、骨盤が安定しません。そのため、お尻や腰回りの筋肉に負担がかかります。

反対に座面が硬すぎてもいけません。体重に対する座面からの反発が大きく、腰に負担がかかりますので、ちょうど良い固さを判断する必要があります。

座面が広い

座面が広いと、座る際に腰と足のバランスが悪くなります。例えば、座面が広い椅子に深く腰掛けて背もたれに寄りかかると、足が地面に着かなくなります。反対に足を地面に着けると、背もたれに寄りかかることができません。腰に負担を掛けないためには、椅子の背もたれに寄りかかり、足を地面にしっかり着ける必要がありますので、座面が広い椅子は座り方が悪くなってしまい、腰に負担がかかります。

腰への負担が少ない椅子の選び方

左右に分かれた看板

椅子を使用する場合は、時間の経過とともに背部筋が疲労し、前かがみ姿勢をとりやすくなります。さらに、背骨の生理的な弯曲が変化することで腹筋が緩みやすくなり、次第に大腿部を圧迫するようにもなります。ですから、体に負担のかからない椅子を選ぶことは大切です。

適度な高さがある

座椅子や高さがない椅子は避けましょう。選ぶ際は、座った時にかかとが床に着いて、膝が90度になる高さのものを選ぶようにします。椅子の高さが調節できる場合、高さを調節して腰への負担を減らしましょう。

座面に適度な硬さがある

座面が柔らかすぎると体が沈み込んでしまい、正しい姿勢を維持できません。反対に硬すぎると逆に座面からの反発が大きく腰に負担がかかります。ですので、適度な硬さがあるものを選びましょう。実際に座ってみないと判断しにくいので、店舗で座ってみるのが良いですね。気に入った椅子にクッションがない場合は、取り付けるタイプの座面クッションで柔らかさをプラスしましょう。

座面が広すぎない

かかとを床につけて背もたれに寄りかかったとき、膝の角度が90度になるようなものが理想です。座面が広く、どうしても背もたれまで距離ができてしまいう場合はクッションを使って隙間を埋め、背中を支えるのもおすすめです。

最近はネットでなんでもそろいますが、椅子に関しては実際に座ってみないと分からないこともあります。選ぶ際は実際に店舗で選ぶのがおすすめです。

座り方にも気を付けよう

座る姿勢をとるだけで自ずと骨盤は後方へと傾きやすくなり、これに伴って腰では衝撃吸収のための生理的な弯曲(曲がり)が減らされ、クッションの役割として背骨と背骨の間に存在する椎間板に負担がかかりやすくなります。

その結果、『立つ姿勢』に比べて、背骨や腰にはおよそ1.4倍の負荷がかかり、その状態から上半身が前方に倒れた前かがみ姿勢になることで負荷は1.85倍にまで増大することからも、『座る姿勢』自体が腰痛を生みやすい姿勢であることが分かります。

反対に骨盤を前方へ傾けた状態で座ると、今度は背骨を真っすぐに支える背部筋の働きを高めすぎてしまい、疲労を生みやすくなるとともに、腰の関節に集中したストレスがかかり、こちらも腰痛を生む原因となってしまいます。だからこそ、座り方には十分気を付ける必要があるのです。

足を組む

人が座っている時、骨盤周りの筋肉がそれぞれうまく働くことで姿勢を保っています。ですが、足を組むと骨盤が歪み、背骨も曲がってしまいます。骨盤が歪むと筋肉のバランスも崩れ、腰周りの筋肉に負担がかかって腰痛につながります。

猫背

本やタブレットを触っていてつい猫背になっていませんか?前のめりな姿勢は頭が前方にでてしまっています。頚椎(首の骨)は本来緩やかなカーブになっており、これにより頭の重さを分散させています。しかし、猫背だと頭が前方にでているので、頭の重さをうまく分散させることができません。

結果、肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋)に負担がかかり、筋膜が引っ張られて腰回りの筋肉にも負担がかかります。肩甲骨周りの負担でも腰に影響するのです。

反り腰、または背もたれに深く寄りかかる

反り腰とは、骨盤が前に傾いている状態です。一見良い姿勢のように見えますが、骨盤が前方に傾いているので骨盤周りの歪みから腰に負担がかかります。

背もたれに寄りかかるのもNGです。背もたれに軽く背中を着けるのは正しい座り方ですが、もたれかかるように体重を掛ける姿勢は腰痛によくありません。このような姿勢は骨盤が後ろに傾き、骨盤周りの歪みから腰痛につながる可能性があります。

足を前に投げ出すような姿勢

高さのあるフットレストを使い、足を前に投げ出しているように座っている方を見かけますが、注意が必要です。足を前に投げ出すような姿勢は膝の角度が90度より大きくなり、骨盤が後ろに傾いてしまいます。長く続けると骨盤のゆがみから腰痛につながります。フットレストなどを使用する際は適度な高さに調節しましょう。

こまめにストレッチをしましょう

リビングでくつろいでいる時にずっと同じ姿勢だと筋肉が凝り固まり、血流の低下から肩や腰の筋肉に負担がかかります。腰痛予防のためにも、1時間に1回はストレッチをして体を動かすようにしましょう。以下、おすすめのストレッチを紹介します。

首のストレッチ

前かがみの姿勢で読書をしたり、タブレットを使っていると、胸鎖乳突筋(耳の後ろから鎖骨にかけての筋肉)が凝ります。ストレッチで伸ばしてあげましょう。

  1. 右手を左肩において、鎖骨を固定します。
  2. そのまま首を後ろに倒し、顎先を上に向けます。
  3. ゆっくり顎先を右側に向けます。
  4. その姿勢のまま10秒数えましょう。
  5. 反対側も同様に行います。

肩のストレッチ

肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで、腰痛につながるのを防ぎましょう。肩こり防止にもなります。フェイスタオルを使用したストレッチで、肩甲骨周りをほぐします。

  1. タオルの両端を持ち、頭の上まで持ち上げます。
  2. そのまま首の後を通すようにしてタオルを下ろしていきます。
  3. タオルをまっすぐ上に上げます。
  4. これを10往復しましょう。

太もものストレッチ

太ももの筋肉が固くなると骨盤の動きが制限され、腰への負担が増えます。
骨盤周りを柔軟にするために、太もも周りの筋肉をほぐすストレッチを取り入れましょう。

  1. 太ももの前側を伸ばします。立った状態で、背中側で足の後を持ちます。
  2. そのままかかとをお尻にくっつけるようにして、太ももの前側を伸ばします。
  3. 深呼吸をしながら10秒キープします。反対の足も同様に行います。
  4. 太ももの裏側を伸ばします。足を前方に伸ばして座った状態で、体を前に倒します。この時膝は曲げないようにしましょう。
  5. そのまま10秒キープしましょう。これを2セット行います。

まとめ

リビングではリラックスして過ごしたいですよね。この記事を参考に、腰への負担がより少ない椅子を選びましょう。ただし、座り方が悪ければ腰に負担がかかりますので、正しい姿勢を意識しましょう。また、休憩の合間にストレッチをして腰痛予防に努めましょう。

【参考文献】
厚生労働省 職場における腰痛予防対策指針及び解説
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mtc_1.pdf

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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著者情報

池澤 ひまり
池澤 ひまり

保有資格

看護師、保健師

経歴

消化器内科病棟にて看護師経験あり。

現在は企業に保健師として勤務中。

主に予防医療や健康経営に携わる。

ライターとしても活動中。

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