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ボルダリングは普段の生活とは異なる姿勢が求められ、身体を捻ったり反らしたりと、腰にも負担がかかりやすい競技です。

最近ではボルダリングジムが普及し、手軽に始めることができるようになりましたが、身体が硬い方や女性は腰を傷めることがあり、腰痛は注意しなければならない怪我のひとつです。

今回はボルダリングの際に腰痛が生じる原因や、その予防方法を解説していきます。

ボルダリングで腰痛になる理由

ボルダリングで腰痛となるとき「クライミングの姿勢」が原因となることが多いです。

クライミングの動作では四肢をしっかりと使うために体幹を安定させる必要がありますが、姿勢を制御するのが難しい競技です。

そのため、ムーブやホールドを把持している時に腰部に思わぬ負荷がかかり、腰痛が生じるケースがあるのです。

腰を反った状態の姿勢 反り腰

特に壁に張り付いた状態で起こりやすい姿勢です。

骨盤は前傾しているにも関わらず背中を反らすと腰椎の前彎が強くなり、腰周囲の筋肉に負担がかかりやすくなります。

その状態を繰り返していると、腰椎周囲の筋肉が凝り固まって腰痛の原因となるのです。

股関節の柔軟性の低下

股関節の柔軟性が低下していると、腰痛になりやすいといわれています。

クライミングでは、ハイステップで高い場所に足を上げるなどのムーブがありますが、股関節の柔軟性が乏しいと過度な腰椎の動きで代償するケースがあります。

具体的には、立位姿勢から前屈をして床に手指が付かない方は、太もも後面に突っ張りを感じるはずです。

着地による負担

4メートルの高さは、人によっては登りきった位置からジャンプで飛び降りることができる高さでもあります。

ホールドで作られた課題の多くは壁の一番高いところにゴールが設定されているものが多く、ゴールまで到達したら思わず飛び降りたくなるものです。

しかしゴール地点からジャンプでの飛び降りは、腰への負担となるだけでなくひざや足首など全身の関節への負担になります。

長年ボルダリングをしている人の中には、最初は大丈夫だったけれども少しずつ腰やひざが痛くなってきたという人も少なくありません。

それだけジャンプによる関節への負担は積み重なっていくものなのです。

長期的にボルダリングを楽しむという目的でも、なるべく飛び降りないようにしましょう。

ボルダリングではゴールまで到着したら、可能な限り低いところまで登ったときと同じようにホールドを使って降りてくるクライムダウンするのが理想的です。

ゴールまで到着してクライムダウンで地上まで戻っこれる持久力を計算して登りましょう。

着地のときの姿勢

クライムダウンである程度の高さまで下がってきたら最後は着地です。低い位置からの着地も丁寧に姿勢を整えることで関節への負担は少なくなります。

着地の際は体が捻ったり、傾いたりしていない姿勢で、ひざを軽く曲げた状態、つまりスクワットの姿勢で着地すると腰を含む関節への負担が少なくなります。

柔軟性の不足

ボルダリングでは高いパフォーマンスを発揮する上でも柔軟性が非常に重要視されています。柔軟性が乏しい状態で無理なムーブを繰り返すと、その代償が腰などの関節に及びます。

関節や筋肉の柔軟性は一度のストレッチで改善されるものではありません。毎日少しずつストレッチを継続することで、柔軟性は上がってきます。

自分の苦手なムーブなどを研究して、そのムーブに必要な柔軟性を高めることで難しい課題がクリアできるようになるだけではなく、腰痛の予防にもなります。

また、ボルダリング初心者は無理のない自分のレベルに合った課題から挑戦していきましょう。

コアスタビリティの不足

まるでヨガのポーズのような柔軟な姿勢が求められるボルダリングでは、不安定な姿勢を安定させるために体幹深部の安定性、つまりコアスタビリティも重要視されています。

これはどのスポーツにおいても同じことですが、不安定な姿勢で動作を安定させて高いパフォーマンスを発揮するためにはコアスタビリティは必須です。

準備運動不足

ボルダリングジムにはトレーニングルームを併設していたり、準備運動や整理運動のスペースを設けているところも少なくありません。

ボルダリング自体がストレッチや筋力トレーニングの要素のあるスポーツですが、負荷がかからない状態での準備運動はけが予防のためにも重要です。

特に肩や手首、腰、ひざ、足首には負荷がかかりやすいため念入りにストレッチするといいでしょう。

時間をかけてストレッチを行えば、その分高いパフォーマンスが発揮できるので丁寧に準備運動に取り組みましょう。

また、もともと腰痛持ちの人や、ボルダリングで腰痛があるという人は腰へのテーピングなどを活用して、負担を軽減した状態で無理のない範囲で楽しみましょう。

アフターケアの不足

アフターケアはスポーツ障害の予防だけでなく、筋力強化や柔軟性の改善にも効果的です。

手を抜きがちなアフターケアですが、特に自分が疲れていると思うポイントだけでもしっかりと抑えてストレッチをしておくことで、早期回復が見込めます。

また、痛みがでたり熱を帯びている箇所は炎症が起こっている可能性があるので、氷枕でアイシングしたり、湿布を利用して炎症を抑えるといいでしょう。

痛みや熱が続く場合は、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

ボルダリングで腰痛を予防するには?

腰痛を予防するためには競技の特性を理解することと、腰痛になりにくい身体作りを心がける必要があるでしょう。

ボルダリングは、クライミングの際の姿勢や着地の際の衝撃などに注意しなければなりません。

また、新しいムーブに挑戦する時や難易度の高い壁を登る時にも気をつけなければならないでしょう。

一方、腰痛になりにくい身体作りについては、体幹の安定性と柔軟性を高めることが重要となります。

そのため、日々の生活に体幹トレーニングや柔軟を取り入れるとよいでしょう。

体幹トレーニング

体幹トレーニングは腰痛予防はもちろん、クライミングのパフォーマンスを向上させるのにもおすすめです。

腰痛の原因では、意図しない動きなど身体のブレが原因になることがあると説明しましたが、体幹を鍛えることで、ブレが少なくなります。

また、体幹は固定筋とも言われており、体幹が安定することで四肢の動きや筋発揮の向上が期待できます。

今まで反り腰で保持しなければならなかった場面でも、腰に負担が少ない姿勢でクライミングできるようになるのではないでしょうか。

腰痛体操

もともと身体が硬い方や体幹の筋力に自信が無い方は、腰痛体操をベースに腰痛を予防していくことも有効でしょう。

主には股関節や腰回りの柔軟性の向上、体幹の筋力トレーニングで構成されています。

徐々にトレーニングの強度を上げたい場合は、上記の体幹トレーニングに移行することでスムーズに腰痛予防のための運動習慣を獲得できるはずです。

意識的にクライムダウンを取り入れる

クライムダウンを安全に行うことで、腰痛を予防する事ができます。

意識的にクライムダウンをトレーニングとしてを行うことも良いでしょう。

クライムダウンで降りることでホールドの練習にもなり、1本のクライミングでの練習量を増やすことも可能です。

腰痛になった場合は?

もし万が一腰痛になった場合の対応は、どのようにしたらよいのでしょうか?

腰痛の程度や種類にもよりますが、基本的に腰に炎症が起きている場合は過度な運動は禁止したほうが良いでしょう。

腰痛が強い場合

痛みが強い場合には、安静にすることを心がけましょう。

また、腰だけでなく脚にしびれや痛みが生じる場合は、腰椎椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症なども疑われるため、整形外科を受診して医師の指示を仰ぎましょう。

我慢できる程度の腰痛の場合

腰痛は慢性化しやすい怪我の一つです。最近では過度な安静は筋力を低下させてしまうという考えに変わってきていますが、クライミングは痛みが治まるまでは休む方がよいでしょう。

その間は、痛みに配慮しながら腰痛体操や柔軟性の向上に努め、再発を予防するようにしましょう。

例えば整形外科クリニックでは、リハビリスタッフによる専門的な腰痛に対する運動を指導してもらうことができます。

まとめ

腰痛は慢性化しやすく、痛みの影響で腰部の筋肉を硬くしてしまう悪循環に陥る場合があります。

ひどくなると、坐骨神経痛などが起こることもあるでしょう。

そのため、体幹筋力や股関節周囲の柔軟性の向上に努め、腰痛になりにくい身体づくりを目指しましょう。

ボルダリングはクライミングの際の姿勢制御が腰痛予防のポイントになるので、意識してみてください。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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