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腰椎の検査において、MRIは欠かせない画像検査の一つです。造影剤を使用せずとも詳細な画像を描出可能で、「椎間板ヘルニア」や「脊柱菅狭窄症」など、さまざまな腰椎の病気に適応される検査です。

この記事では、MRI検査のメリットや実際に検査を受けるときの注意点などをお伝えしています。今後検査を受ける方は、本記事で予習をしてから検査に臨まれてはいかがですか。

腰椎のMRIってなに?CTとの違いも解説

MRIは「Magnetic(磁気)」「Resonance(共鳴)」「Image(画像)」の頭文字をとったもので、日本語では「核磁気共鳴画像」と呼ばれます。「磁気」というワードが入っていることから分かるように、MRIでは磁石の力を利用して画像を作り出します。

従来の画像検査としてはレントゲンやCTが一般的でしたが、両者ともに放射線を用いるため被曝のリスクがありました。MRIでは医療被曝を避けながら鮮明な画像を描出できるメリットがあるのです。ちなみに、MRIの磁力が人体に及ぼす影響についてですが、今のところ明らかな障害は報告されていないのでご安心ください。

ここまでの説明では「じゃあ、MRIはCTよりも優れているんだ!」と思いがちですが、実際はそうでもありません。MRIでは、巨大な磁場を利用することによる特有のデメリットがあるのです。具体的なメリットとデメリットについては、このあと詳しく解説したいと思います。

レントゲンとCTの違いって?画像診断を詳しくみていこう

MRIが有効的な腰椎の病気とは?

MRIの最大のメリットは「空間分解能が高い」ことです。空間分解能は、簡単に言えば「近い距離にある2つの点を、別の点として区別できる能力」のことです。つまり、空間分解能が高ければ、より細かい画像の描出が可能になるということです。また、MRIは骨や空気による画像の劣化も少なく、脊髄や椎間板などの軟部組織の描出に優れているメリットもあります。

そのため、MRIは腰椎の病気全般に広く用いられます。例えば、「椎間板ヘルニア」の脱出具合を評価したり、「脊柱菅狭窄症に」よる神経の圧迫を評価したりする場合は、必須の検査といえます。また、レントゲンやCTでは困難であった「脊髄腫瘍」の画像診断にも大いに役立ちます。

世界的に見てもMRI普及国である日本において、MRIは腰椎の病気に欠かせない検査になりました。診断はもちろんのこと、手術前のプランニングや術後の腰椎の評価にいたるまで、幅広く用いられています。

腰椎MRI検査のメリット

MRIのメリットとして、「空間分解能が高いこと」「放射線被曝しないこと」は既にお伝えしたとおりです。しかし、MRIのメリットはこれだけにとどまりません。

例えば、「造影剤」がなくても検査ができることは大きなポイントです。CT検査の場合、造影剤という薬を静脈から注入しながら撮影されることが多々あります。造影剤を使用することで画像のコントラスト(白黒の差)が強調され、より細かい診断が可能になりますが、造影剤の副作用が懸念されます。

造影剤の最もメジャーな副作用が「アレルギー」です。蕁麻疹や肌のかゆみ、吐き気などの軽い副作用であれば「5%」の発生率と報告されています。100人が検査を受けると5人も発症することを考えれば、比較的高い数値といえると思います。

また、運の悪い場合は「アナフィラキシー」と呼ばれる、激烈なアレルギー症状が見られます。血圧の低下、呼吸困難など生命の危機に瀕することもあり、検査で命を落としかねないのです。発生率は「1万人に1人」程度と低めですが、もともと喘息やアレルギー体質の方は発生率が上がるため注意が必要です。

造影剤には、ほかにも「腎機能を低下」させる点も注意が必要です。MRI検査であれば、造影剤が不要、または使用しても少量ですむため副作用も起きにくいメリットがあります。

腰椎MRI検査のデメリット・注意点

万能に思えるMRIにも、実はデメリットと注意点があります。今後MRI検査を予定されている方は、この章を一読してから検査に臨まれることをおすすめします。

狭いスペースで長時間を過ごす

一般的なMRIはドーナツ状の構造をしており、狭いスペースに体をいれて撮影します。また、CTに比べて撮影に時間がかかるデメリットがあります。具体的な時間は、撮影条件や範囲によって前後しますが、30分~1時間程度を要することが多いのです。

そのため、「狭いところが苦手な方」「長時間の安静が辛い方」にとって、MRIは過酷な検査になるかもしれません。

検査中は「ガンガン」大きな音がする

MRIの検査中は「ガンガン」といった大きな音が鳴り続けます。これは、磁場によって機械内のコイルが振動するため起こる現象です。特に故障等ではないので心配いりませんが、検査中は鳴り続けるため、うるさく感じる方も多いでしょう。施設によってはヘッドホンや耳栓を用意してくれるので、検査前に確認するのをおすすめします。

心臓ペースメーカー・体内金属・入れ墨の方は検査できないかも

心臓ペースメーカー・体内金属・入れ墨の方は、金属が磁場の影響を受ける可能性があり、検査を受けられないかもしれません。機種や金属の種類によってはMRI対応の可能性もあるため、事前によく確認しておきましょう。

まとめ:腰椎の病気にMRIは欠かせない検査

現代の腰椎医療において、MRIは確固たる地位を築いています。いくつかのデメリットが存在するのは事実ですが、腰椎の正確な診断のためには不可欠で医師からの信頼も厚い画像検査なのです。

今後MRI検査を予定されている方は、本記事を参考に検査に臨んでみてくださいね。

【参考文献】
山口 研「骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折におけるMRI像と椎体変形の予後との関連」 臨床整形外科 38巻12号

著者情報

広下若葉
広下若葉

保持資格

医師国家資格・麻酔科標榜医

経歴

2015年:医師国家資格 取得

2017年:初期臨床研修プログラム 修了

2020年:麻酔科標榜医 取得

    麻酔科専門研修プログラム 修了

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