「健康のために始めたランニングなのに、走っていると腰が痛い!」
「大会に出るほど実力がついてきたのに、急に痛みが出た。」
実は、ランナーで腰痛に悩む方は多くいらっしゃいます。
株式会社アールビーズが行ったランナー世論調査2017によるとランニングによって痛みを抱えている部分の第2位が「腰」でした。
ランニングは、他のスポーツと比べて腰痛になりやすいものではありません。
むしろ、腰痛を引き起こしにくいスポーツと言えるでしょう。
では、なぜ痛みを発症してしまうのでしょうか。
この記事では、ランニングによって腰が痛くなる原因と、その予防策をご紹介します。
目次
ランニングで腰が痛くなるたった1つの要因
腰に痛みが出る理由として
●腰周りの柔軟性の低い
●ラン中のフォームが悪い
●負担過多による筋肉疲労
などが挙げられます。
これらの理由は調べればすぐにインターネットで情報として出てきますよね。
では、なぜ腰が硬くなるのでしょうか。
なぜフォームが悪くなるのでしょうか。
なぜ負担過多になってしまうのでしょうか。
これらの要因はたった1つです。
それは「体がゆがんでいるから」
これが腰を痛める根本的原因です。
ランニングでかかる体への負荷は、体重の約3倍といわれています。
筋肉がゆがんだ状態のまま走ることによって、その負荷がより増えてしまうのです。
歪みがランニングに与える影響力
被験者の50%以上が足首、膝、股関節、腰などにいわゆる歪みがあり、その影響で、ランニングフォームに悪影響を及ぼしていると指摘されました。
日常生活の姿勢の悪化や癖による筋肉バランスの悪化などがその原因とされており、歪みから生まれる身体のアンバランスさが走動作にも悪影響を及ぼすほか、ランニング時の疲労に大きく影響すると言われています。
(引用サイト:初心者ランナー対象の「ランニングフォームに関する実証実験」|日本シグマックス株式会社)
走る動作は下肢と上体が前後逆方向に動きますよね。
腰は上半身と下肢のつなぎの役割を果たします。
腰が柔らかく動くことによって、脚がスムーズに前に出るようになっています。
しかし、体が歪んでいると、筋肉が硬くなります。
歪みがあることで筋肉が十分に動かないと、関節の可動域が狭くなってしまうのです。
例えば、あなたが日中、デスクワーク中心のお仕事だった場合で説明しましょう。
一日中座りっぱなしでパソコンと向かい合っていると、猫背になりやすくなりますよね。
猫背が続くと、骨盤が後傾。太もも裏のハムストリングスが硬くなります。
ハムストリングスは足を蹴り出す時に働く筋肉です。
ここが硬くなることで、反対の動きをする大腿四頭筋の動きも悪くなります。
足をひきつける力が弱まるため、足の着地が乱れやすくなります。
足の着地が乱れると、足首、膝、腰と筋肉が大きく揺れ、負荷が強く掛かります。
結果、痛みが現れてしまうのです
さらに放置することで、炎症を引き起こしたり、靭帯が伸びてしまったりといった大きなケガの原因になります。
頑張り筋とサボり筋?!
もう少し、筋肉について詳しい説明を続けましょう。
私たちの体は常にバランスをとろうと自分の意思と関係なく調整を行っています。
その為、どこかこわばって硬い部分があると、反対に、きちんと働かず、ゆるくなってしまう部分ができてしまうのです。
硬くなる部分を「頑張り筋」緩んでしまう部分を「サボり筋」と呼ぶことにしましょう。
例えば、股関節の動きに関連する「梨状筋」が頑張りすぎてしまうと、姿勢を保ったり、足を前に出したりする役割の「腸腰筋」がサボってしまいます。
長い時間座りっぱなしの姿勢では、梨状筋に負荷がかかり、腸腰筋はゆるんでいます。
この状態のまま走り出したらどうなるでしょうか・・・。
ランニング前に、頑張り筋をほぐし、サボり筋を鍛えましょう。
体の歪みを調えることが、腰痛予防には必須なのです。
ちなみにこの梨状筋が頑張りすぎると坐骨神経痛の原因になると言われています!
コンディショニングを整えて快適に走ろう
走り出す前のおすすめストレッチ
アームスウィング
まずはカチカチの肩関節を緩め、可動域を広げましょう。
まっすぐ立ち、腕を交互にねじりながら前後に大きく振りあげましょう。
1分ほどで肩が温まってきます。
※画像はイメージです!もっと大きく振りましょう
ひざ上げ
足を骨盤幅ほど開き、おへそのまえに手を下に向けセット。
膝を高く曲げ、膝をタッチしましょう。
大きく足を曲げると腸腰筋を使います。
股関節からお腹の筋肉を意識しましょう。
猫背にならないように注意しながらその場で行進してください。
股割ストレッチ
イチローさんがよくやっていた、あのストレッチです。
足を大きく開き、膝とつま先は同じ方向に向けておきます。
膝に両手をつき、腰を落としましょう。
手を突っ張り棒のようにして、交互に左右の肩を中心に入れましょう。
走った後のストレッチ
走る前よりも、走った後のストレッチのほうが重要です!
クールダウンを行うことで、筋肉疲労を防ぐだけでなく、柔軟性も高めてくれます。
左右の歪みがあるので、気持ちがいいと感じる回数が違うはず。
時間や回数を気にせず、自分が「もう十分伸びたな」と思うまで行いましょう。
オススメのストレッチの順番を紹介します。
1.全身をゆする
ジャンプするのではなく、つま先はつけたまま体を軽くゆすり心拍数を下げましょう。
この時、全身脱力するのがポイント。中心軸を意識してそこからずれないように揺すりましょう。
2.ふくらはぎ&アキレス腱伸ばし
歩道の縁石などを利用してアキレス腱、ふくらはぎをじんわり伸ばしましょう。
縁石につま先をのせ、かかとをぐーっと下ろします。
3.開脚前屈
息を吐きながら体を倒します。真ん中、右、左と3ヶ所でストレッチしましょう。
多少膝を曲げても問題ありません。
おしりを上に突き出し、ハムストリングスが伸びるのを感じましょう。
4.上体回し
開脚前屈と同じ脚幅のまま、両手でひじを掴み、下からぐるっと大きく回しましょう。
背中、わき腹、胸、首と効率よくストレッチできます。反対側も行ってください。
5.丸くなって脱力
足幅は腰よりも少し広めにしてしゃがみましょう。
ひざとひざの間に体を入れ込むようにして脱力しましょう。
首の力も抜きます。
足首、股関節、背中、首と広い範囲で伸びを感じてみてください。
毎回この通りに行わなくても、自分が気持ちいい!と思う部分をストレッチするだけでもOKです。
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自宅でのトレーニング
毎日の習慣にして、歪みにくい体を手に入れましょう。
プランクポーズ
体幹を鍛えることで、ランニング中のフォームが安定し、腰痛を防いでくれます。
肩の下に手をセット。
足を一歩ずつ後ろに下げ、背中が一枚の板になるようにしましょう。
首は長く、肩甲骨は広げ、おへそは背骨に向かって引き上げます。
まずは40秒からスタートし、徐々にキープする時間を延ばしていきましょう。
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足指運動
動作解析の専門家であり、メディカルトレーナーの夏嶋隆氏による、腰の負担を減らすためのトレーニング法です。
足指をじゃんけんのときのグーのようにしてしっかりと曲げます。
反対にパーをするとき指と指の間を大きく広げましょう。
この動きになれてきたら、イスや机などに手をつき、足指をグーにした状態のまま、足指で立ちましょう。
痛みを感じるときは無理をせず、片足ずつ行います。
自分にぴったりなシューズを選ぼう
自分の足に合った、ランニング用のシューズを選びましょう。
店員さんとよく相談し、必ず試し履きをします。
足を着地した際に蹴りだす感覚というより、重心が前に出やすいような工夫がしてあるシューズがオススメです。
まとめ
筋肉の歪みが腰痛の原因でした。
走り出す前、後、そして毎日のちょっとしたトレーニングを習慣化して、快適なランニングを続けましょうね。
もしあなたが、腰が痛くて走るのをお休みしているのであれば、一度コンディショニング専門の整形外科や治療院に通ってみてはいかがでしょうか。
体の歪みが戻れば、また走れる日が来るかもしれません。筋トレやストレッチの方法を学び腰痛を改善しましょう。
しかし、無理は禁物ですよ。
この記事があなたのお役に立ちますように!
参考:NIKE JAPAN