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腰痛のお薬選びに悩んだことはありませんか?

ぎっくり腰など急に起きる腰痛に対して市販薬を購入することこともあるでしょう。痛みを抑える市販薬は一般的には解熱鎮痛薬や湿布などが多いですが、腰痛には漢方薬を使うこともあります。漢方薬は、医師の診断を受けて処方してもらう事で入手することもできますが、ドラッグストアや薬局で購入できます。

今回は、腰痛に使われる漢方薬や漢方薬を使用するときの注意点などを解説します。

腰痛にも漢方が使われる

腰痛の原因は様々ですが、骨や関節、筋肉などに問題が発生して起こる腰痛と内臓疾患によって起こる腰痛が存在しています。漢方薬は血流を改善して骨や関節、筋肉の修復を助けるものや筋肉の緊張をほぐして血行を良くする事で痛みを改善するものがあります。
また、漢方薬は効果が緩やかで効かないイメージを持っている方もいるかもしれませんが、芍薬甘草湯などの一部の漢方薬は即効性があります。

内臓疾患から発生する腰痛は、原因となる疾患を治療しなければ痛みを抑える事ができないので慢性的に続く腰痛や激しい痛みが伴う腰痛の場合には注意が必要です。

腰痛に使われる漢方

漢方には血流を改善して痛みを起こす物質を流したり、筋肉などの組織の修復を促す効果が期待できるものも存在しています。筋肉の凝りが原因で起こる腰痛の場合には緊張を解す作用のある漢方が使用されることもあります。患者によって腰痛の症状や原因は異なるため状態に合わせた漢方を選ぶ事が重要です。

牛車腎気丸

漢方では腎陽虚と呼ばれる状態で使用されます。体を温めたり、活力溢れ状態にするためのエネルギーを「腎陽」と表しており、腎陽が不足している状態を腎陽虚といわれます。腎陽虚になると足腰のだるさや下半身の冷え、尿量の減少やシクシクした慢性的な腰痛などが起こるとされています。
牛車腎気丸は腎気を強める漢方であり、血流を改善して腰痛を改善させる効果が期待できます。足腰が冷える、頻尿など排尿困難などがある腰痛には牛車腎気丸を選ぶといいでしょう。

疎経活血湯

漢方では血虚という状態に使用されます。血虚はその名の通り血のめぐりが悪くなり、全身に栄養が行き渡らずにめまいや貧血症状が起きている状態です。疎経活血湯は血流や水分代謝を改善して腰などの体の筋肉や関節の痛みを改善する効果が期待できます。
鈍痛や皮膚につやがない、筋肉が引きつるなどの症状がある場合には疎経活血湯を選んでみるといいでしょう。

桃核承気湯

漢方では瘀血と呼ばれる状態に使用されます。瘀血では抹消の血管の血流が悪くなって停滞している状態で、腰の血流が悪化する事で痛みが発生することもあります。桃核承気湯は漢方でも代表的な駆瘀血剤とされ、血流が悪化したことで起こる腰痛に対して効果を期待できます。
腰痛以外にも月経不順などにも使われる事があります。下腹部が張ったり、きりきりと刺すような痛みがある場合には桃核承気湯を選んでみるといいでしょう。

独活寄生丸

漢方の概念にある栄養を蓄える肝と呼ばれる部位と腎虚にも効果があるとされています。肝に作用する事ことで筋肉の維持や生成を促し、腰回りの筋肉をの修復するとされています。また、独活寄生丸の独活はウドというセリ科の植物の根茎部を使用した生薬で解熱鎮痛作用があり、古くから腰や関節のつらい痛みに使われてきました。

芍薬甘草湯

夜中に足がつったりするこむら返りの特効薬とも呼ばれる芍薬甘草湯は腰痛にも使用される事があります。ぎっくり腰は重いものを持ち上げたときに発症する事ことが多いですが、レントゲンなどの画像検査でも映し出される事ことが少なく原因が不明な事ことが多いです。
しかし、芍薬甘草湯は筋肉の緊張を解す作用があるためぎっくり腰の原因が腰の筋肉のトラブルであれば芍薬甘草湯の作用で効果を発揮することこともできます。ぎっくり腰などの急激に起こる痛みや筋肉がつるような痛みがある場合には芍薬甘草湯がいいでしょう。

漢方薬の注意点

漢方薬は通常の医薬品に比べると副作用が少ないイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか。漢方も医薬品であることには変わりはなく副作用を起こすこともあります。
下痢などの胃腸障害や動悸や頻脈などの通常の医薬品でも起こることがある副作用もありますが、漢方の特徴的な副作用も存在します。また、漢方における医療用医薬品と市販薬の違いにも気をつける必要があります。

偽アルドステロン症

漢方薬の7割には甘草と呼ばれる生薬が配合されています。甘草にはグリチルリチンが含まれ、偽アルドステロン症を起こす事が知られています。偽アルドステロン症は、高血圧やむくみ、筋肉の脱力感などを引き起こします。複数の漢方を服用する場合には注意が必要です。

医療用医薬品と市販薬の違い

医師の診断を受ける事で処方される医療用医薬品は市販薬と比べると効果も高いですが、副作用のリスクも大きくなります。逆に市販薬はお客さんの自己判断で購入できるので副作用のリスクを下げるように開発されています。
漢方でも同様に医療用と市販薬で同じ名称でも生薬の配合量が少なめに製造されている事があります。

漢方薬の入手方法

漢方薬を入手するためには病院に受診したり、薬局での購入などがあります。持病がある場合や他に医薬品を使用している場合には医師、薬剤師に相談してください。

病院などの医療機関へ受診

病院で医師の診断を受けてから処方箋をもらって調剤薬局で薬剤師から漢方薬をもらう事ができます。漢方を専門としている医師も存在しているためより詳しく漢方の診断を受けられます。医師の診断を受けてから薬をもらうので症状にあった薬を使用できる可能性が一番高い入手方法といえます。

ドラッグストア・薬局

医師の診察を受ける必要がなくお客さんの判断で購入できます。しかし、専門知識がない場合には症状にあった漢方を選ぶことは難しいでしょう。また、持病があって他の医薬品を使用している場合には飲み合わせなどの確認が必要なこともあります。
ドラックストアや薬局の薬剤師に相談してみるといいでしょう。

漢方薬局

漢方を専門とした薬局では、複数ある生薬から漢方薬を調合することもあります。偽アルドステロン症の原因となる甘草の量を調節して副作用を軽減することも可能なので複数漢方を使用する場合には信頼できる漢方薬局で購入した方がいいでしょう。

通販

ネット通販などでも漢方薬を購入できます。しかし、気軽に購入できるメリットもありますが、薬剤師などの専門家への相談が難しいデメリットもあります。初めての漢方を使用する場合には対面で購入して、継続して購入するときは通販などを利用してもいいでしょう。

体調に変化があれば医療機関へ受診

漢方薬を使用しても腰痛が改善しない場合には重大な疾患であることも考えられます。内臓の疾患が原因で起こる腰痛の場合には、原因となる内臓疾患の治療をする事で腰痛が治ることもあります。また、漢方薬にも副作用が存在するので漢方薬を使用してから体調に違和感を感じる事があれば医療機関へ受診した方がいいでしょう。
腰痛の改善には、体幹の筋トレやストレッチなどの腰痛体操が効果的といわれています。整形外科でリハビリを受け、腰痛体操を学ぶようにしましょう。

まとめ

腰痛の薬物療法のほとんどは解熱鎮痛薬を使用する事が多いですが、漢方を使用することもあります。

漢方薬は血流を改善して痛みの原因物質が溜まらないようにしたり、代謝を上げることことで痛みを抑えるものと筋肉の緊張をほぐして痛みを抑えるものが存在しています。漢方にも副作用が起こる事があるので漢方薬を使用して体調変化が起こった場合には医療機関へ受診してください。

【参考URL】

漢方療法推進会 腰痛 https://www.kracie.co.jp/ph/k-suisinkai/symptom/youtsuu.html

中村記念愛成病院 腰痛と漢方薬 https://www.kouwakai-nakamura.jp/colum-0003.html

クラシエ 腎虚について https://www.kracie.co.jp/ph/hachimi/jinkyo.html

漢方のツムラ 疎経活血湯 https://www.tsumura.co.jp/kampo/list/detail/053.html

厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1019-4d9.pdf

SOKUYAKU  薬局で処方される漢方と市販で購入できる漢方の違い|からだのことは薬剤師に相談してみよう https://sokuyaku.jp/column/kanpouyaku-pharmacy-zcm.html

著者情報

腰痛メディア編集部
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