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普段何気なくしている顔を洗う動作が、実は腰への負担が大きいことはご存じですか?顔を洗う際、前のめりになったときに、痛みを感じた経験がある方は少なくはないですよね。

実は、顔を洗う動作で起こる「腰痛」は、ミドル・シニア世代のみならず、若者にとっても起こりうるもので、ちょっとした注意点があります。この記事では腰痛を起こさない動作やNG動作まで解説していきます。

顔を洗う動作が腰痛を悪化させる理由とは?

ご経験のある方ならよくおわかりと思いますが、腰が痛いときに顔を洗う動作をするのはかなりつらいものがあります。又、普段症状がなくても、顔を洗てっているときになんか腰が痛いと感じたことがある方もいるでしょう。なぜ、顔を洗う動作は腰にそんなに負担になるのでしょうか。理由を解説していきます。

前かがみは腰の負担が1.8倍アップ

正しい姿勢を取ったときの腰の負担の大きさを1とします。姿勢によっても差があるので比較してみましょう。

•座った状態⇒1.4倍
•前かがみ⇒1.8倍
•あお向けで寝る⇒0.5倍
•横向きで寝る⇒0.25倍

顔を洗う動作は、しばらく前かがみ姿勢を取る必要があります。前かがみだと骨盤が後ろに倒れてしまい、背中が丸くなります。腰や椎間板への負担が増すため、腰痛を引き起こす確率がアップ。

対策としては長時間前かがみになりすぎないように気を付けたり、カラダが前に倒れすぎたりしないようにしましょう。タオルを濡らして顔を拭くのもおすすめ。朝起きるときは、横向きでベッドから立ち上がると腰への負担軽減になりますよ。

筋肉が固く緊張している

筋肉が凝り固まった状態が続くと血流が滞り、痛みを生み出す発痛物質が放たれます。肩こりの痛みと同じ状態です。又、凝り固まった筋肉は柔軟に動かすことができないため、動作の歪みにより、体に負担が生じ、さらなる腰痛を引き起こすことになり得ます。肩の凝りと同じように腰の凝りにも気を配りケアしていく必要があります。

 体幹インナーマッスルの機能低下で体幹を支えられない

インナーマッスルとは、全身に数百もある筋肉のうち「体の中心部に近い筋肉」のことをいいます体幹にあるインナーマッスルは、背骨を支えて姿勢を保つ重要な役割を担っています。

普段から猫背や巻き肩で、この筋肉をあまり使わずにいると機能が低下してしまい、更に姿勢が悪くなる悪循環が生じます。そのため、前傾姿勢になる際に体を安定させるために余計な力が入って腰痛を引き起こしやすくなります。

椎間板に病気が隠れている

この場合は、マッサージでもよくならない、ピリッとした痛みが特徴です。一般的にも知られている、背骨の椎骨と椎骨の間にある「椎間板」は腰の動きをスムーズに、可動域を広くする働きがあります。

何らかの物理的刺激で椎間板に問題が生じた場合に、椎間板ヘルニアになることがあります。背筋が弱い人に起きやすく、猫背や前かがみになりがちなデスクワークの人にも見られます。改善しないピリッとした痛みが続く場合は整形外科の受診をおススメします。

腰痛を悪化させないように顔を洗うポイント

腰に負担の少ない正しい姿勢で顔を洗う動作ができている方はどれくらいいるでしょうか?実は無防備に前にかがむだけで腰の骨には200kgのものがのっているくらいの負荷(専門的には200kg重という単位)がかかるといわれています。

大人の男性3人分くらいのイメー時です。これだけの負荷を最小限にするためには、押さえておきたいポイントがあります。実践するとわかると思いますが、少しの意識で腰の負担の差を感じていただけますのでやってみてください。

参照:アーム療整院
参照:×の人は気をつけて 日常動作の正しい姿勢図鑑

お腹に力をいれることで腰を支える

お腹に力をいれることで、筋肉がコルセット代わりに働きます。力のいれ方のコツとしては、インナーから使えるように、お腹の底から引き上げるようにすると背筋が伸び、かつ筋肉を有効に使うことができます。

この感覚を日常的に習慣化していくと、姿勢が改善され腰痛の予防にもつながります。腰痛の程度によりお腹に力が入らない方は、顔を洗うときにもコルセットを着用してくださいね。

イスに座って顔を洗う

腰に負担が少ないイス選びのポイント

•座ったときの膝の角度が90度
•ひじと洗面台の高さがほぼ同じ

立った状態で中腰がキツイときは、イスに座って顔を洗うことで腰の負担を減らせます。膝の角度が90度よりも小さいイスだと、立ち上がるときに膝や腰に余計な負担が掛かって腰痛になりがち。

背筋を伸ばして座ったとき、膝の角度がだいたい90度になるイスを選びましょう。ひじと洗面台の高さを合わせると、前かがみにならなくて済むため腰がとっても楽。

ご自分のカラダとイスの高さが少し合わない場合は、クッションを使うと微調整がしやすくなります。
クッションがあるとお尻が冷えにくく、スムーズに立ち上がれるので上手に活用しましょう。

熱めのタオルで顔を拭く

家のイスや洗面台の高さが低いと、前かがみ姿勢になり腰痛がきつい方には大変。タオルで顔を拭くと、前かがみによる腰への悪影響をなくせます。

熱めのお湯に浸けてしぼったタオルで顔を拭くと、交感神経がオンに。カラダにスイッチが入り眠気覚ましにも効果的です。

冷たい水でタオルをしぼっても構いませんが、心臓の弱い方には負担になるケースも。寒い朝のときは、なるべくぬるま湯で絞ったタオルで顔を拭くようにしてください。

背中をまるめず、お尻を引くように伸ばす

お尻を引くように背中を伸ばすことで、腰の負担を最小限にする角度を保つことができます。又、こうすることで、筋肉がコルセット代わりに働くのをサポートすることにもなります。反り腰になると腰に負担がかかるので、反り腰防止のために、お尻を引くように伸ばすのがコツです。

足を大きく開いて膝を曲げ広く重心をとる

さて、足元にまで気を配って洗顔をしている方はいらっしゃいますか?足を大きく開いて膝を曲げることで重心を安定させ、腰をしっかり支えることができます。たいていの方がやっているのは、まっすぐと立ち膝を伸ばしたまま前かがみになって洗う動作です。

こうしてしまうと、お腹に力が入りにくいため腰を支えられず、かつ背中をたくさん曲げなければならないため腰に負担がかかります。足元まで気を配ってみてください。

腰痛を緩和させるための3つのストレッチをご紹介

腰痛を緩和させるためには、腰の筋肉を固く緊張させないよう、筋肉をほぐして柔軟性を増すためのストレッチが効果的といわれています。

同じ姿勢を取り続けるデスクワークの方、運転が多い方、立ち仕事が多い方は、気づかないうちに自分の癖で姿勢が悪くなってしまい、腰痛予備軍となりやすいです。年齢関係なく、仕事や作業の合間、一日の終わりにストレッチを取り入れてみましょう。

参照:ヘルニア・腰痛・坐骨神経痛「痛くて顔を洗えない、前に屈めない」を改善するストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第27回】

テニスボールを使って背中・腰・お尻の筋肉をほぐす

スムーズな前かがみ動作をするためには、お腹、背中、腰、お尻の筋肉まで適度にゆるませる必要があります。ここが硬くなっていると、スムーズに動けないだけでなく、体幹をうまく支えられないので、痛みを避けるために不自然な姿勢になってしまいます。

自宅で手軽に且つ効率的に筋肉をほぐすためにはテニスボールを使うのがおススメです。仰向けになり、体の下にテニスボールを置きます。骨のキワをなぞるところから始め、骨と骨の筋肉の部分にボールを移動させ、自分の体重で圧迫します。

ボールをコロコロ転がしながらほぐしていきましょう。じんわりと暖かく、血行がよくなってくるのを感じると思います。テニスボールでの圧迫は一か所1-2分までを目安に行いましょう。少し痛むので初めは怖いかもしれませんが、慣れるととても心地よくなります。

椅子に座ったまま上半身を前かがみにする

椅子に座ったまま上半身を前かがみにすることで、背中~お尻の筋肉を伸ばすことができます。この時、背中は大きくまるめず、股関節から体を折りたたんで倒すように意識してみてください。

手のひらを床につけてもいいでしょう。そこまでできない方は可能なところまで前に屈めてみましょう。ポイントは、力まないことです。力を抜いて深呼吸しながら、30秒~1分ほどのストレッチを2~3回繰り返します。これなら仕事や授業の合間でもできそうですよね。

椅子に座ったままお尻と脚を伸ばす

椅子に座ったまま、膝下を上げてみましょう。太ももと平行になるとことまで上げると、お尻からつま先まで伸び、心地よい痛みを感じると思います。この時のポイントはつま先を上に上げたまま足を伸ばすことです。

つま先まで伸ばすと太ももとお尻の裏側が伸びず効果がでにくくなります。デスクワークの方は、足のむくみ防止にもなるので合間に取り入れてみてくださいね。

顔を洗う動作を間違えたまま続けるとどうなる?

多くの方が、毎日何度か行う顔を洗う動作なので、間違えたまま続けてしまうと、かなりの負荷になります。

例えばぎっくり腰は、前かがみになったり、何か取ろうとしたり、腰の筋肉が弱っている方や硬くなっている方が日常的な動作をふと行ったときになりやすいです。

又、椎間板ヘルニアなのどの病気のサインを見逃してしまうこともあります。顔を洗う動作は、体幹を広く使う動作です。上半身を腰で支えるため思っている以上に負担がかかります。

まとめ:顔を洗う動作は腰への負担を最小限にして腰痛を予防しよう

普段何気なく行う、前かがみの顔を洗う動作には、腰への負担を最小限にするポイントがあることがわかりましたね。背中を伸ばし、お腹に力をいれ、安定するように足元を開くのがポイントです。

又、腰痛を予防するという点からは、普段からストレッチを行い腰の周囲の筋肉や関節を柔らかく保つことが大切です。腰に負担の大きい動作を続けると、ぎっくり腰になりやすかったり、慢性的な腰痛を引き起こしたりといいことがありません。

些細な動作ですが、ポイントを抑えて腰痛を予防しましょう。この記事を読んだあなたはすぐに改善していき、できるだけ腰痛に悩まされない生活を送りましょう。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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著者情報

大竹 美恵子(おおたけ みえこ)
大竹 美恵子(おおたけ みえこ)

保有資格

看護師、保健師

経歴

外科で看護師として勤務ののち、製薬企業で治験のオペレーション業務に携わる。

現在アメリカでマーケティングを勉強中。

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