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「朝起きると腰が痛い」長年そんな悩みに苦しんでいる方、その原因は、寝具にあるかもしれないと考えたことはありますか?
腰痛の原因は疾患や日常生活、加齢などさまざまあり、必ずしも寝具が原因とは言いきれません。しかし、寝具の変更で改善される腰痛も一定数あります。本記事では、寝具が原因で腰痛が発生するメカニズムや解決方法などについて解説していきたいと思います。

解剖整理から自然な体制を学ぼう

まず、身体の構造について見ていきましょう。首部から腰部までは自然な湾曲のある脊椎と呼ばれる骨の連なりで、身体を支持しています。
腰部は脊椎の最も下部にある、腰椎と呼ばれる場所で骨が連なって形を作っています。この骨を椎骨といいます。
腰椎を形成している椎骨に無理な体重や動きが加わったりすると、椎骨内に張り巡らされた腰神経を刺激して腰痛が発生します。

寝具にはどんな種類がある?

ヒトの身体は同じようで、それぞれ骨格や筋肉量などに違いがあります。そのため、一概にどの素材・タイプのものが良いと言い切ることはできません。
今現在、実際に寝ていて腰が沈む感じがするものは体重や圧力が腰部にかかってしまっているので、改善後の期待値は上がります。
では、現在日本国内で販売されている寝具(敷布団・マットレス)の種類はどのようなものがあるのでしょうか。

ベッドマットレス

ベッドマットレスとひとくくりに言ってもその種類は非常にたくさんあります。
スプリングマットレスにも、点で支えることで耐圧分散を促すポケットコイルマットレスや、面で支えることで寝返りが打ちやすいボンネルコイルマットレスがあります。また、低反発・高反発に分かれるウレタンや樹脂のマットレスや、ラテックスタイプのマットレスや、洗濯可能なファイバー素材のものなども販売されています。

敷布団

日本は欧米諸国と違い、ベッドと同じ数だけ敷布団を愛用している方もいますよね。ご自宅も敷布団の方はウレタン入りのものや硬わた敷布団など硬めのものを選ぶのが良いでしょう。厚めのものを選ぶと底つきせず、腰への負担を軽減できます。
注意したいのが、布団に厚みを出そうとして薄型の3つ折りマットレスを敷布団の下に敷いてしまうことです。僅かな段差ではありますが、身体を沈ませ、歪みが出来てしまいますので腰痛を懸念している方には不向きなアイテムです。

腰痛専門マットレスとは

また、近年では腰痛の改善・予防に特化した、「腰痛専用マットレス」というものが販売されているそうです。一度、試してみる価値はあるかもしれません。大型の寝具専門店などをチェックしてみてください。

寝具が原因で引き起こされる腰痛とは?

ヒトが入眠すると、活動量が低下し、同一体位を何時間もとることになります。腰部の筋肉活動も減り、何時間も動かしていなかった身体を動かそうとするので寝起きは特に身体を動かしにくく、疼痛が発生しやすくなります。しかし、これはある種、生理的な現象であり、防ぎようがありません。これに加えて寝具が良質なものでない場合、相乗効果で腰痛の発生につながってしまいます。ご自宅の寝具をチェックしてみましょう。

マットレスが柔らかすぎる

マットレスがやわらかすぎると身体が沈みすぎ、自然な腰椎の形状を保てなくなってしまっている可能性があります。フワフワの綿の布団だと、寝入りは気持ち良いですが、睡眠中は身体に負担をかけていることもあると頭に入れておきましょう。

マットレスが硬すぎる

マットレスが硬すぎる場合は、身体の凹凸の凸に体重が集中する傾向があります。硬すぎるマットレスで横向きに寝ると、腰に負担がかかってしまいます。これは非常にわかりやすく、コタツやホットカーペットで眠ってしまったら起きた時に、腰部に痛みを感じるのと同じメカニズムですね。

寝返りが打ちにくい幅である

寝ている時、ヒトは身体に負担を感じたら無意識に寝返りをとっています。寝返りに必要な幅を十分に確保しておかないと、入眠中の寝返りの回数が制限されてしまいます。そうすると同一体位の時間がながくなり腰痛につながります。

掛布団は腰痛発生に関係ない

掛布団が直接の腰痛の原因になることはないとされています。ご自身の好きな素材・厚みのものを選びましょう。ただし、重たすぎる掛布団の選択は寝返りを阻害してしまうので注意しましょう。

枕が合っているかも見直そう!

一見、腰痛と関係のなさそうな枕ですが、脊椎を自然な湾曲に保つという点では重大な要素を担っているのが枕です。
枕は高すぎたり低すぎたりせず、布団と首の間に隙間が開かないものを選択するのが良いとされています。低い枕はタオルなどで高く調整することが可能なので、低めのものを選ぶようにしましょう。また寝がえりをストレスなくするために、大判な枕を選択するのもポイントです。

寝具の選択は実際に触れてから

インターネットが充実している昨今では、何でも自宅にいながら購入できます。マットレスの硬さや、寝心地はどうしても商品説明文を読むだけでは理解できません。実際に店舗におもむき、商品を見ることをオススメします。日本生活環境支援協会という団体が「布団ソムリエ」という資格認定を行っています。寝具売り場には、このような資格を取得している方もいるかもしれません。最適な寝具をみつけるために、プロに相談しに行くことを推奨します。

自然な体制で入眠するには

普段はどのような体位で眠っていますか。寝相の癖など人それぞれあると思いますが、自然な脊椎の湾曲を保持したまま眠れる姿勢は側臥位(横向き)で軽く背中を丸めた姿勢だと言われています。この時の向きは、左右どちらでも構いませんが、疼痛が片方にある場合は痛む方を上にするような寝方にしましょう。
逆に一番腰部に負担をかけてしまうのはうつぶせで眠ることです。腰部を圧迫しないので一見負担が少ないように見えますが、実は脊椎に歪をもたらしてしまう体位なので注意が必要です。
良質な寝具を購入し、良質な姿勢で入眠することを日常化していけば現在悩まされている腰痛改善への近道になるかもしれません。

正しい病院選びとは

ここまで寝具が原因の腰痛について解説してきました。しかし、寝具や睡眠の質、日常生活の改善では治癒しない「疾患の主症状」としての腰痛もあります。寝具や体位などを工夫しても改善しない場合には自己判断せずに、医師に相談することを推奨しています。
病院は形成外科やペインクリニックに行くことが多いと思いますが、よくあるケースでは画像診断で異常が確認されなければ、鎮痛薬や貼付薬(湿布)を処方され様子観察の指示となることが多いでしょう。疼痛とうまく向き合っていくことも立派な治療と言えますが、残念ながら根本的な解決策とはなりません。
昨今は各分野の専門性が求められていますので「腰痛外来」や「腰痛クリニック」なる専門外来が存在します。ここでは医師や理学療法士から予防の腰痛体操やストレッチ、日常生活の改善方法などについての指導をうけることができます。ご自宅の近くにないか、ぜひリサーチしてみてください。

まとめ

腰痛がある方は日常生活でさまざまな制限やストレスがついてまわります。腰痛の改善は生活の質(QOL)そのものを大きく向上させることができます。腰痛に悩んでいる方は腰痛解消への第一歩を踏み出すことで、仕事もプライベートも今以上に充実すること間違いなしです。記事を読んだ方が寝具や睡眠の見直し、医師への相談などを実行するきっかけになっていれば幸いです。

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著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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