2021年4月14日(水)NHKのあさイチに『YO-TSU DOCTOR』を監修してくださった成田崇矢先生と金岡恒治先生が出演します。
今回のテーマは「体メンテの新常識”ファシア”第2弾!腰・ひざの痛み対策」についてです。
部位別のファシアケアで「腰」や「ひざ」の痛み対策について分かりやすく解説予定です。
柔軟性や姿勢の改善に効果が期待できる「ファシアケア(運動)」の方法についてご紹介頂けます。
腰痛で悩んでいる方は勿論、膝の痛みで困っている方も「ファシアケア」をぜひチェック&トライしてみてください。
是非コロナ禍で運動量が減った日々の生活に取り入れてみてください。
目次
ファシアって?
~ファシアの新常識~
一般的に「筋膜」として呼ばれることが多かったのですが、実は筋肉以外にも神経・血管・臓器・骨・腱を覆っており、それら全てを繋げて包む膜(結合組織)として、専門家の間では「ファシア」と呼ばれています。
分かりやすく表現すると、体の臓器や骨、血管、筋肉、腱、神経などあらゆる組織をくまなく覆う「ゆるゆるな組織」なのです。
「ファシア」は、骨と骨をつないでいる腱と筋肉をすべてつなぐ膜構造で、一番深い層が骨、その上に筋肉が全身を覆っており、さらにその上にファシアが網の目のように全身をはりめぐらされている膜構造になっています。
主成分はコラーゲン(体の中で最も多いタンパク質)で、人体のたんぱく質全体の約30%を占め、タンパク質の中で最も多くて硬いタンパク質です。
そして近年の研究で、ファシアこそが体を滑らかに動かすうえで重要な役割を果たしていることがわかってきたのです。
血行不良や運動不足、長時間の同一姿勢などの原因でファシアがむくんで筋肉を圧迫し、痛みやコリを引き起こしてしまいます。
特に肩甲骨につながる筋肉のファシアは「ゆるさ」が失われて癒着しやすいため、頑固な肩こりに悩まされている人が多いです。
ポイントをまとめると…
・全身にある
・痛みを感じる
・体の組織を支え第二の骨格
・かたくなる。滑りが悪くなる
・体の柔軟性に関わる
・長時間同じ姿勢は危険
ファシアと筋膜の違いと、筋膜に痛みが発生するイメージ
ファシアに異常を出さないために日常生活で気を付けること
コロナ禍での在宅ワークで肩こりや腰痛が増えた方や、運動不足で体がなまってしまった方なども多いのではないでしょうか?
これらの影響によってファシアは固まり、前述した肩コリや腰痛などの症状が出現してきます。
ファシアはさまざま方向にスムーズに動けることが求められます。デスクワークで長時間同じ姿勢でいる方は、普段から適度に体操(ファシアケア)を行うことで体をほぐし、ファシアが癒着しないように心掛ける必要があります。
運動不足を解消し、体の循環を良くすることでファシアの滑走性を改善していきましょう。
ファシアチェック
全身のファシアのゆるゆる度をチェック
1.壁に背筋を伸ばして立ち、かかと、お尻、肩、頭を壁につけます
2.手のひらは下に向けたまま、ゆっくりと腕を上げます
3.痛みを感じたらその場所でとめます
どこまで腕を上げられましたか?
肩から背中のファシアは連携していると考えられているため、腕の上がり具合で上半身のファシアの状態がうかがえるというのです。
あなたのゆるゆる度は?
肩のラインを0度として…
・60度以上腕が上がったあなたは「ゆるゆる度問題なし」
・45度~60度腕が上がったあなたは「要注意」
・45度未満しか腕が上がらなかったあなたは「問題があるかもしれません」
東京医科大学病院の整形外科医である遠藤健司(えんどうけんじ)先生によると、“ファシアがかたくならないようにするためには、長時間、同じ体勢を取らないように心がけ、1時間に1回、背伸びをしたり体を動かしたりすることが大切だといいます。(※関節痛など明らかに別の原因による痛みがある場合は、行わないでください。)”
ZEN PLACEのスタッフも上半身のゆるゆる度もチェックしてみました
ファシア由来の肩コリや腰痛を解消する方法
首や肩、背中など広い範囲でコリが長く続いているという方は、ファシアが原因かもしれません。桐蔭横浜大学教授の成田崇矢(なりたたかや)先生がファシア由来の肩コリや腰痛を解消する方法についてお話されていました。
1. 首や肩、背中、腰で痛みやコリを感じる場所を探します(最初にどこにどんな違和感があるか確認していると、ケア後の違いがよく分かります)
2. イタ気持ちいいくらいの力加減で脂肪をつまみます
3. 1~2秒ゆらゆらします
4. 違和感のある場所が変わるので、それを追いかけるようにゆらゆらします
5.1回30秒~1分以内でやってみましょう
※痛みやコリを感じないときには行わなくて大丈夫です。ケガや病気による首や肩、腰の痛みをお持ちの方は、行わないでください。
ファシアゆるゆる体操
肩コリを治すために期待ができるのは、東京医科大学病院の整形外科医である遠藤健司(えんどうけんじ)先生が考案した「ファシアゆるゆる体操」です。
1日たった30秒でできる簡単な体操なので、今日から日々の生活に取り入れてみましょう。
毎日の体メンテナンスの習慣をつけて、肩こりに悩まない快適な体を手に入れましょう。
ゆるゆる体操
1.背筋を伸ばし、両手を軽くにぎります
2.両手を鎖骨辺りの位置に置いて姿勢をとります
3.両ひじをゆっくりと上げられる範囲で上げます
4.両ひじを5秒かけてゆっくりと後ろに引きます
5.肩甲骨をよせるイメージで、できるだけ後ろにグーっと引っ張るのがポイントです
6.肩甲骨を寄せたまま両ひじをゆっくり下げます
7.3~5回繰り返します
ZEN PLACEのスタッフもファシアゆるゆる体操を試してみました
まとめ
普段からヨガピラティスを行っているスタッフに試してもらったためファシアのゆるゆる度は問題なしでした。
日頃からの体操(ストレッチ)が大切なんですね!
実際に体操(ストレッチ)してみたスタッフは「背中周りがほぐれてとても気持ちが良かった。」と話していました。ぜひみなさんも試してみてください。
日々の生活に取り入れて、肩こりや腰痛に悩まない快適な体を手に入れましょう。
【参考文献】
遠藤健司(2020/11/13)「ファシアゆるゆる体操がコリに効く! 」扶桑社