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腰が痛くて辛いときってどうにかして痛みを和らげたいですよね。

温めれば良くなりそうな気がして

「腰が痛いからお風呂に入って温めようかな〜」

なんて考えたりしますが、果たしてあなたの腰痛はお風呂で温めても良い腰痛でしょうか?

実は腰痛の原因としては様々なものがあり、
入浴が効果的な場合と避けた方がいい場合があるのです。

この記事の内容は
・お風呂を避けた方がいい場合の腰痛
・お風呂で温めるのが効果的な腰痛
・腰痛を和らげるためにできる入浴方法

をお伝えしていきます。

自分の腰痛のタイプを知って
症状を悪化させないようにしていきましょう!

お風呂を避けた方がいい場合の腰痛タイプ

急性期の腰痛はお風呂NG

お風呂で温まるのを避けた方がいい腰痛は
いわゆる急性期の状態の時です。

急性期って何?

急性期とは怪我をしたり病気をしてすぐ〜2週間程度の状態をいいます。
この段階では体に炎症が起きている状態なので、
お風呂に入って血流を良くしてしまうと逆に症状を悪化させてしまう可能性があるのです。

血流が良くなると症状が悪化するのはなぜ?

一般的な怪我で例えてみます。

例えば足首を捻挫すると足首がかなり腫れますし、
打撲をすると、青アザができて皮下で内出血しているのがイメージつくかと思います。

その状態で患部を温めてしまうとどうなるか。
血流が良くなって腫れや内出血がどんどん酷くなってしまいますよね。

急性期の腰痛でも同じようなことが腰周辺で起こっていると
考えていいでしょう。

急性期の腰痛を起こす病気

腰痛は内科の病気でも起きますが、ここでは急性の腰痛が起きる整形外科の病気をいくつか挙げていきます。
簡単に説明していきますね。

ぎっくり腰

急性腰痛といわれ、急に激しい腰痛が襲って来る筋性の腰痛です。
よく重いものを持ちあげたりするのがきっかけで発症する人が多く、一歩足を踏み出すもの辛い状態になります。

腰痛椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の骨の間にあるクッション(椎間板)が、背骨が日常生活での過剰な負荷や老化によって変形し、椎間板の芯(髄核)が飛び出します。
椎間板のほとんどは水分でできており、加齢によって体から水分が減ってくると椎間板は硬くなります。また、椎間板は繊維輪という形になっており、バームクーヘンのような構造になっています。
損傷の仕方にもよりますが、内側だけ繊維輪が切れることもありますし、外側だけが切れる場合もあります。内側と外側がしっかり切れて、髄核が完全に外に出てしまう場合もあります。完全に髄核が外に出ている場合は、自然に治る場合もあります。マクロファージという自分の細胞を食べる細胞が、出てしまった髄核を食べてくれます。中途半端になっている状態が一番症状が辛いかもしれません。この場合は、手術が適応になる場合もあります。ここら辺は医師と相談して決めてくださいね。
椎間板が背骨を通っている神経に触れると辛い痛みが起き、急性期はどういう体勢でいても痛い、という状態になります。

👉腰椎椎間板ヘルニアかな?と思ったらセルフチェックと注意点

脊椎圧迫骨折

脊椎圧迫骨折は転倒・転落によって引き起こされることが多い背骨の骨折です。
背骨が潰れるような形で骨折をします。
骨折してしばらくは痛みが強く、動くのはかなり辛い状態です。

さらにこの骨折をすると、背骨が曲がりやすくなります。背骨には適切なアーチが形成されており、このアーチのおかげで歩くときの衝撃を吸収できたり、体の負荷を分散することができたりします。しかし、圧迫骨折によって背骨のアーチが変わると、負荷をうまく分散できなくなりますので、背骨周りの筋肉に負担がかかり始めます。そうすると今度は筋肉が原因の腰痛(筋筋膜性腰痛)に変わっていきます。

腰椎捻挫(交通事故などで起きるもの)

腰椎捻挫は、主に交通事故で引き起こされる腰椎の捻挫です。追突事故で生じやすく、急激に腰椎に対して前後方向に大きな力が加わることが原因です。この腰椎捻挫はレントゲンやMRIでは診断しにくく、事故+腰が痛いという症状が重なると、腰椎捻挫と診断される方が多いです。
次第に足に痺れが出てきたり、力が入らない部分が出てきたりすると、腰椎捻挫以外の別の疾患が考えられますので、医師に適切に症状を説明し、治療方針を相談してください。

これらの病気は発症したては非常に痛みが強いので
お風呂に入るのもままならない状態かと思います。
ですから”入りたくても入れない状態”といってもいいですね。

急性期で痛みが強いときはお風呂に入らず安静に

上記の病気のように痛みが強い場合は
お風呂で温めることは症状を悪化させるだけなので避けて、安静にするのが第一です。

もし体がベタベタして気持ち悪いなど、不快感がある場合は体を拭く程度にしておきましょう。

痛みが落ち着いたらシャワーから試してみる

痛みがおさまってきて、自分で動けるくらいになったらシャワー程度から始め、
痛みの様子や医師と相談の上で入浴するかを決めていきましょう。
安静のしすぎも体の機能を低下させてしまうので、その辺も覚えておいてください。

お風呂で温まるのが効果的な腰痛タイプ

お風呂で温めることで腰痛を和らげる効果が期待できるのは慢性的な腰痛の場合や女性の生理による腰痛です。具体的に説明していきます。

H3筋肉の疲労や血流低下による腰痛

筋肉が凝り固まっている状態で起きる腰痛(筋性のもの)はお風呂に浸かって筋肉やその周囲の血流を良くすることで痛みが改善する効果が期待できます。
肩こりは同様、腰周りの筋肉もこります。

こってるなと感じた場合はお風呂に浸かって温めてみてください。

腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰の神経からくる腰痛も、直接の病状改善にはなりませんが、血流を良くすることで一時的に痛みが楽になることがあります。
入浴することで痛みが楽に感じるのであれば、お風呂に浸かって温まっても構いません。
なお先ほども説明したように、椎間板ヘルニアでも急性の症状が強い場合はお風呂に入るのは避けましょう。

冷えからくる腰痛

体が冷えると血管が収縮し、筋肉の血流が低下することによって腰痛を引き起こす原因となります。
こういう場合はお風呂に浸かる以外にも、カイロなどで温めてみるのもいいですね。

注意:カイロを使用する際は長時間貼り続けないようにして、低温やけどに気をつけてください。

生理による腰痛

女性の生理(月経)の際も腰痛が起きます。
生理の際は血管を収縮させる作用のあるホルモン(プロスタグランジン)が出ることで、経血を体の外に排出することができるのですが、その関係で骨盤周りの血流が悪くなり、腰痛や腹痛につながります。

よって生理の時はお腹や腰回りを温めることで痛みが楽になります。

腰痛を和らげる効果的な入浴方法はある?

腰痛は辛いし、せっかくお風呂に浸かるのだからできるだけ効果的に入りたいですよね。
次は効果的な入浴方法をご紹介していきます。

熱すぎない温度(40度くらい)にゆっくり浸かる。

お湯の温度が熱すぎると、長くお風呂に浸かっていられないので湯冷めの原因になります。
せっかく温まったのに冷えてしまってはもったいないですよね。
お湯の温度は熱すぎず、10分は浸かっていられるくらいにしましょう。

逆に長風呂はのぼせの原因になるので慣れていない方は避けましょう。

入浴剤の使用で温熱効果を上げてみる

入浴剤の使用も効果的です。
今は温熱効果のある入浴剤がたくさん売られているので、ご自分の肌や好みにあったものを取り入れるとより血流が促進されて、腰痛緩和が期待できます。

h3お風呂で音楽を聴いたり、好きな香りでリラックス効果を

痛みや痛みによるストレスで、体の筋肉は緊張状態となっています。
好きな音楽や香りをお供に入浴することで
よりリラックス効果が生まれ、筋肉の緊張をほぐすことで腰痛の緩和を助けます。

現代はストレス社会。意識的にリラックスできる環境を整えることも必要です。

いつまでも症状が改善しない場合は医師に相談して

腰痛に関しては、医師による診断がついていて、
症状改善のための指導も受けられているのが望ましいのですが、
我慢できる程度の腰痛だと、つい家で様子を見てしまうと思います。

しかし腰痛を引き起こす病気は本当に様々で、内科の病気でも腰が痛くなるものもあります。

ですから

・なかなか腰痛が治らない
・症状がだんだん強くなっていく

こんな場合は“ただの腰痛”とそのまま様子見ずに、内科的に問題はないか必ず受診するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
腰痛によってはお風呂に入るのを避けた方がいい場合があることがお分かりいただけたかと思います。
自分の腰痛の原因と状態を把握して、できれば医師と相談した上で入浴するようにしてください。
腰痛の改善には腰痛体操などのストレッチや筋トレが効果的です。入浴方法と一緒に取り組んでみましょう。

【参考文献】
・日本機会学会論文集『腰椎系における椎間板負荷の非侵襲的な推定法』
芝田 京子 他
・『回旋を対象とした腰椎不安定性評価システムの開発』
大野 拓(新潟大学) 他
・『月経随伴症状に対する温罨法の効果について』
久賀 久美子 他
・『ストレスに強くなり、上手にリラックスする方法』
荒木 友希子
・『市販の炭酸泉入浴剤の身体への影響について』
大重 匡 他

参考:日本整形外科学会

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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著者情報

yuki
yuki

保有資格

看護師(正看護師)

経歴

整形外科で看護師として10年以上勤務。看護師ライター。

腰痛の患者様とも多く関わってきたのを生かして読者の皆様に役立つ情報をお伝えできればと思っております。

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