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カラフルなホールド(突起の掴める部分)を指先でつかみ、全身を使ってゴールを目指していくボルダリング。
現在全国に500件以上ものボルダリング施設があり、手軽にクライミングを楽しめるため、ここ最近で人気が高まっています。

しかし、カラダを酷使するため腰痛やケガなどが起きやすいスポーツでもあります。
この記事では、ボルダリングで腰痛が起きる原因と4つの対処法を解説していきます。
しっかり腰痛対策をしながら、ボルダリングを楽しんでいきましょう!

腰痛に悩むクライマーは多い?

どのような方でも楽しみやすいボルダリングですが、腰痛に悩むクライマーは意外にも多いと言われています。

全身を使うボルダリングには血行促進や筋肉強化の効果があるため、通常の場合むしろ腰痛は改善していくはずなのですが、あるポイントに気を付けてやらないと逆に腰痛に苦しめられてしまうことに。

ボルダリングで腰痛になる原因


カラダを間違った壁の登り方や、カラダを同じ方向にばかり倒すことで、腰や背中が疲れて腰痛が起きやすくなります。
それぞれ掘り下げて解説します。

筋肉の凝り・固まり

ボルダリングにおける腰痛の最大の原因は、筋肉の凝り・固まりであると言われています。筋肉に柔軟性があると壁から飛び降りても筋肉が衝撃を吸収してくれるのですが、筋肉が凝り固まっていると身体の中心にある腰への負担が大きくなります。

反り腰で登っている

壁を登るとき、張り付こうとする意識が強すぎると反り腰になり、腰に負担が掛かって腰痛の原因に。
壁に張り付きすぎるとひじが曲がって上半身が力むので、肩や首への負担も大きくなってしまいます。
首や肩がすくまないように、しっかり腕を伸ばして登っていきましょう。

登るときは、つま先をホールド(突起の掴める部分)に引っ掛けてから腕を伸ばすのがおすすめ。
お尻などの大きい筋肉を使えるため、肩や腕の負担が分散されるからです。

また、壁の傾斜がきつすぎる場合も腰が反りやすくなり、腰痛が起きやすくなります。
ボルダリング初心者の場合は、傾斜のゆるい壁からスタートして、少しずつ傾斜のきつい壁にチャレンジしていきましょう。

カラダを倒す方向がいつも同じ

ホールド(突起の掴める部分)につま先や指を引っ掛けて登るとき、カラダを同じ方向に倒して登ったりしがち。
カラダを同じ方向にばかり倒して登ると、片側の腰へ負担がドッと増えるため腰痛になりやすいです。

片側の腰が痛くなりやすい場合は、ジグザグに登っていくのがおすすめ。
ジグザグに登ることで負荷が分散されるので、腰痛防止に役立ちます。

また、ボルダリングに慣れている方の場合は壁を登るルートが固定されがちなので、いつも登らない壁やルートにチャレンジしてみましょう。
気分転換にもなり、カラダに新しい刺激が入って一石二鳥ですよ。

腰回りの筋肉の筋力低下

腰を支える筋肉と聞くと腰回りの大きい筋肉を思い浮かべる方が多いと思いますが、腰を支えるために最も重要な役割を果たすものはインナーマッスルです。

身体の深部に位置するインナーマッスルの筋力が低下していると、腰痛を引き起こしやすくなると言われています。

腰や背中が疲労しやすい

ボルダリングは、つま先や指先でホールド(突起の掴める部分)をつかんで登るため、背中や腰の筋肉に負担が掛かりやすいスポーツです。
長時間登っていると背中や腰の筋肉がカチコチになるため、腰痛が起こりやすくなります。

ボルダリングをする前にしっかりストレッチを行い、背中や腰の筋肉をバネのように柔らかく使えるようにしておきましょう。
ボルダリング後にもストレッチを行い、疲労を溜めないようにするのも大事です。

時間のあるときには、ぬるめのお風呂(38℃~41℃)に10分以上入るのもおすすめ。
お風呂から出たあと、スムーズに就寝することが出来て翌日カラダが楽ですよ。

ボルダリングで腰痛になるときの4つの対処法

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1. 壁から降りる動作(クライムダウン)の上達
2. 背中のストレッチ(キャットポーズ)
3. わき腹のストレッチ
4. お尻のトレーニング(ヒップリフト)
背中や腰をかなり使うボルダリングは、ストレッチやトレーニングを入念に行うのが大事になってきます。
登ったあとの降りる動作(クライムダウン)も大事。
では解説に移ります。

壁から降りる動作(クライムダウン)の上達

ポイント
• 着地で膝を柔らかく使う
• 股関節を折り曲げる
• なるべく低い位置から降りる
ボルダリングで壁から降りるときは、膝が伸び切った状態で降りるのは危険です。
膝が伸び切った状態は、着地の衝撃がもろに足腰にきてしまうため、腰痛を起こしやすくなってしまいます。
着地するときにはスクワットのように、膝を軽く曲げて降りるようにしましょう。
膝を軽く曲げると、股関節がしっかり使えて膝への負担をグッと減らせるからです。

壁を登ったあとは、適当な場所で飛び降りてしまいがちですが要注意です。
下にマットがあるとは言え、安易に飛び降りてしまうと腰痛やケガの原因につながりますので注意が必要です。
疲労もあると思いますが、なるべく低い場所まで戻ってから降りるように気を付けましょう。

背中のストレッチ(キャットポーズ)

メリット
• 背中や腰のハリが軽減される
• 呼吸が深くなる
• ウォーミングアップにおすすめ
ボルダリングすると、背中や腰の筋肉が硬くなりやすいです。
背中のストレッチ(キャットポーズ)をすると、背中や腰の筋肉をゴムのように使えるようになって腰痛予防に効果的。
クールダウンに行って頂いてもOKです。

背中のストレッチ(キャットポーズ)手順
1. 両手と両膝を床に付けて四つん這いになる
2. 両手と両膝で床を押す
3. 背中を丸めながらお腹を見る
4. 目線をお腹から正面に戻す
5. 10~15回繰り返す

腰痛になったり肩が痛くなったりしないように、肩の真下に両手を置くのがポイント。
両手と両膝で床を押すときに息を吐くと、背中や腰がリラックスして伸びやすくなりますよ。

わき腹のストレッチ

メリット
• 遠くまで手が伸びて壁を登りやすい
• 腰痛軽減に良い
わき腹の筋肉が硬いと、カラダを遠くに伸ばすときに首がすくんでしまいます。
首がすくむと肩が痛くなるだけでなく、背中や腰もガチガチに緊張するので腰痛の原因にも。

わき腹をストレッチすると、遠くに手を伸ばしやすくなりスイスイ登れるようになります。
硬い側のわき腹を重点的にストレッチすると、バランスが良くなって腰痛軽減にバッチリ。

わき腹のストレッチ手順
1. 両足を肩幅に開いて立つ
2. 両手を組んでバンザイをする
3. カラダを片側に傾ける
4. 10~15秒キープしたらカラダを元に戻す
5. 反対側も同様に行う
6. 2~3セット行う

バナナのようなカーブをイメージして、カラダを片側に倒していくのがポイントです。
わき腹~肋骨が気持ちよく感じる程度で行うのがミソ。
肩が痛かったり硬かったりする場合は、両手は顔の高さまででも構いません。

お尻のトレーニング(ヒップリフト)

メリット
• 姿勢が良くなり猫背解消
• 登るときに楽になる
お尻の筋肉が硬かったり弱かったりすると、足を持ち上げるときに猫背になりやすく、腰痛が起こりやすい状態に。
お尻の筋肉は大きいので、しっかり使えると壁を登るのが楽になりますよ。
無理のない範囲でお尻を鍛えましょう!

お尻のトレーニング(ヒップリフト)手順
1. 体育座りで床に座る
2. わきを軽く締めて両手をカラダの後ろに置く
3. 両手で床を押して軽く胸を張る
4. 両足で床を押してお尻を持ち上げる
5. ゆっくりお尻を降ろす
6. 10~15回繰り返す

両足はピッタリ付けて行うことで、お尻の筋肉にしっかり刺激を入れることが出来ます。
余力がある場合は、2~3セット行っても構いません。
きつく感じる場合は、両足は肩幅に開くと楽になります。
肩がすくむと肩こりなどが起きやすいので、わきは締めた状態で行うのがポイント。

ボルダリングによる腰痛の予防法

ストレッチ

ボルダリングによる腰痛の予防にとって最も効果的なのは、やはりストレッチです。どれだけ気を付けてクライミングをしていても、筋肉が凝り固まっていれば少しずつ負荷が蓄積されてしまいます。

腰痛予防のためには、腰回りのストレッチだけをすれば良いと思ってしまいがちです。しかし全身は繋がっているため、腰だけでなく足や腕などもしっかりと時間をかけてストレッチをするようにしましょう。

もし既に腰痛が出てしまっている場合は無理をせず、痛みが引いてからストレッチを始めるようにしてくださいね。

筋膜リリース

筋膜リリースをすると筋肉の凝りが解消されるため、血行が良くなります。腰痛に高い効果があると言われている筋膜リリースですが、筋肉が柔らかくなることでケガもしにくくなります。そのため、ボルダリングをする方には非常におすすめです。

筋膜リリースで使用するローラーも市販で気軽に手に入れることができるため、ストレッチと合わせて試してみてください。

腰に違和感覚えたら登らない

これは最も重要かつ基本的なことなのですが、少しでも腰に違和感を覚えた場合は登るのをやめましょう。「少しだから大丈夫」「そんなに痛みが強くないから大丈夫」と思ってボルダリングを続けてしまうと、慢性的な腰痛に繋がる可能性も。

少しでも痛みなどを感じた場合は、ボルダリングは一旦やめてウォーキングなどの負荷の軽い運動に切り替えましょう。

壁から飛び降りないようにする

ボルダリングで上まで登りきった際、疲れや達成感からついつい飛び降りてしまいがちです。しかし飛び降りることで腰痛の原因となるので、できるだけゆっくりとクライムダウンするようにしてください。

飛び降りてしまった場合は、必ず両膝を使って着地するように意識してくださいね。

ボルダリングで腰痛になる原因と4つの対処法まとめ

1. 壁から降りる動作(クライムダウン)の上達
2. 背中のストレッチ(キャットポーズ)
3. わき腹のストレッチ
4. お尻のトレーニング

壁を登るときに同じ方向に倒したり、腰が反ったりするため腰痛が起きやすいです。
ストレッチや、トレーニング行うことで腰痛の対処をしつつ、ボルダリングを楽しんでいきましょうね!

参考文献:ALLEZ〜ボルダリング上達応援ブログ&No. 1サイト | ボルダリングジムのスタッフが贈る!読んで楽しく強くなるボルダリングサイト
https://chums.jp.net/

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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著者情報

曽根原悠悟
曽根原悠悟

保有資格

健康運動指導士

経歴

公共施設や民間スポーツクラブでエアロビクスやストレッチのレッスンを実施中。

指導歴10年。

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