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「腰痛」は多くの人が悩まされています。しかし、なぜに腰痛は生じるのでしょうか?それには意外な理由がありました。

また、日常生活においてどのような姿勢を長時間取ると腰痛を引き起こしてしまうのか、また腰痛を予防するための1つの方法として今注目させている体重を減少させる方法について解説します。

なぜ人は腰痛になるのか?

腰にかかる負担を理解する前に、なぜ多くの人が腰痛に悩まされているのでしょうか?実際に腰痛は男性で第1位、女性でも肩こりの次の第2位と悩まされている人が多い症状でその数は年々増加しています。

腰痛を生じる原因はさまざまありますが、その原因として人が四足歩行から二足歩行に進化したためといわれています。実際に犬などの四足歩行の動物は腰痛に悩まされていません。

直立二足歩行はなぜいけないのか?

直立二足歩行は人として最大の特徴です。この直立二足歩行は足と背骨を垂直に立てたうえで行う二足歩行のことをいいます。

そのため、同じ二足で歩くペンギンやカンガルーなどは足と背骨を垂直に立てることができないため二足歩行でも人とは異なります。

直立二足歩行ができるようになったため、人は手を細かく使えるようになりました。さらに立って重たい頭部を支えることができるようになったので、知能面が大きく成長したともいわれています。

ここまでの解説だけを聞くと直立二足歩行のメリットだけを感じるかもしれませんが、実は多くのデメリットも存在します。

そのデメリットは直立二足歩行により骨盤が前に倒れ、その上に上半身が乗るという不安定な状態になり腰の骨に身体の上半身の体重が集中してかかってしまう結果、腰痛が生じるようになりました。

また、腰の骨と骨の間には椎間板というクッションがあり、腰の負担を軽減させていますが、腰の負担がかかり過ぎると椎間板の位置がズレて椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などを生じてしまいます。

前かがみ動作が増えて腰痛が強くなった

上記で直立二足歩行へ進化したことが逆に腰痛を生じさせる原因となったと解説しました。さらに腰痛を増加させることになったのは畑仕事など農業が発達し、前かがみの姿勢が多く行われるようになったためともいわれています。

二足歩行は姿勢を直立に保つことには長けていたものの、前かがみの姿勢には長けていなかったため腰を支えるための筋肉などに負担がかかり腰痛を引き起こしてしまいます。

日常生活では腰にどれくらい負担がかかっているの?

実際に日常生活を送る中でどれくらい腰に負担がかかっており、その姿勢が腰痛を引き起こしてしまうのでしょうか。

スウェーデンの整形外科医であるNachemson氏がさまざまな状態でどれくらい背骨のクッションである椎間板にかかる負担の差を調べました。

真っ直ぐ立っている状態のときの負担を100とした場合、以下のような結果となりました。

・まっすぐ立った状態:100
・立った状態で上半身を前に軽く傾けた状態(中腰):150
・仰向けで寝た状態:25
・横向きで寝た状態:75
・椅子などに座っている状態:140
・椅子などに座って前に屈んだ状態185
・椅子などに座って前かがみで物を持った状態:275

上記の結果から、立った状態と椅子などに座った状態を比較すると、実は椅子などに座った状態の方が腰に強い負担がかかっていることが分かりました。

しかし、腰痛の人の話をよく聞くと、長時間座っている仕事の方が立ち仕事の人よりもよく腰痛を訴えている傾向があります。

そのため、長時間の座り仕事の人は普段からストレッチなどを行い腰痛の予防を行うことが重要です。

また、上記の結果で分かったもう一つの特徴は、横向きで寝ることが最も腰への負担が少ないことです。

実際にぎっくり腰などの腰痛を生じたときに、横向きで寝るのが最も痛みがマシになるという経験をした人もあると思いますが、その理由としては横向き寝ることが最も腰にかかる負担が少ないためです。

腰にかかる負担を軽減させる方法

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腰痛に関しては生じた後の対応も重要ですが、それと同じくらい腰痛を予防することは重要です。

腰痛を予防するための主要な方法は以下の通りです。
・腰回りを中心に筋力をつける
・普段からストレッチを行う
・正しい姿勢をとる
・体重を軽減する

今回はその中で体重を軽減するために今注目が高まっている方法を解説します。

16時間断食で体重を減らそう

ここでは今、注目が非常に高まっている「16時間断食」について解説します。この理論としては1日24時間の中で8時間は何を食べても良く、残りの16時間は食べない時間を作るという考え方です。

「断食」という言葉を聞くと、多くの人が危険などと思われますが、実際は適切な時間の長さであれば断食を行っても危険性はありません。

適切は断食を行うことにより下記のようなメリットも多々あります。

・胃腸を休むことができる
・血液がキレイになる
・オートファジーが働く

胃腸を休ませることができる

内臓は食べ物を吸収や消化している間休むことなく働き続けており、その時間は約7~8時間と言われています。
そのため、3食の間隔が8時間より短い場合は、胃腸が休まずにずっと働いていることになります。

空腹の時間を8時間以上作ることにより胃腸を休めることができ、身体のメンテナンスを行うことができるのです。

血液がキレイになる

食事を食べ過ぎると、必要以上の栄養・老廃物が血液の中に増えてきてしまいます。その結果、体内の代謝が悪くなってしまい血液がドロドロになり血流も悪くなってしまいます。

しかし、断食をすることにより、血液中の必要以上の栄養・老廃物を代謝して排泄するため血液がキレイになる効果があります。

オートファジーが働く

オートファジーの「オート」は「自己」で、ファジーは「食べる」ということを表し、細胞の中の余計なものを細胞自体が取り除くシステムのことです。

オートファジーの研究論文は1990年代の半ばまで世界で年に10本程度でしたが、現在では3,000本以上となっているなど最近急に注目されるようになりました。

このオートファジーは空腹状態が約16時間続くと働き始めて、細胞の中に存在する古いタンパク質や不要なものを1回壊し、また新しいものに変えるように働きます。

上記の解説を聞いても16時間という長時間断食するのは難しいと考える人もいると思います。しかし、この16時間の中には睡眠時間も含まれています。そのためもし、8時間睡眠を取った場合は実際の断食は8時間になります。

また、この断食の時間はナッツとヨーグルトはいつ食べても良いため、全く何も食べてはいけないという考え方でないのが特徴です。

さいごに

今回は腰痛をなぜ生じてしまうのか、またどのような姿勢が腰に負担がかかってしまうのかとともに、腰痛を予防するために重要な体重を減少させる方法について解説しました。

人は二足歩行を行っていることから腰痛は生じやすくなっています。さらに仕事などにより長時間のデスクワークを行っている人は腰への負担が常にかかっているため腰痛を生じやすくなっています。

腰痛を生じさせないための方法の1つとして体重を減少させることは重要です。今回はその方法として今注目されている16時間断食について解説しました。

あくまでも無理な断食は身体に良くないため、自分自身の体調などに合わせて行うようにしてください。

【参考文献】
平成25年国民生活基礎調査
全日本民医連
THE LUMBAR SPAIN.AN ORTHOPAEDIC CHALLENGE.SPAIN 1:59-71,1976 : NACHEMSON A
PRESIDENT Online
OCEANS

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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