バドミントンはさまざまな動きをすることから、腰痛に悩まされる選手が多いスポーツでもあります。たとえば、次のような悩みはありませんか?
「バドミントンをするといつも片側だけ痛くなる」
「病院で原因不明の腰痛を、どうやったら楽にできるか知りたい」
「効果的なバドミントンの腰痛対策を実践したい」
この記事では、バドミントン腰痛が片側になる理由を説明して、腰痛を楽にしたり、予防するためのセルフケアの方法を解説します。
バドミントンの腰痛を楽にする方法がわかりますので、ぜひ本記事をご覧ください。腰のセルフケアを行い、腰痛を楽にしてバドミントンを楽しみましょう!
目次
バドミントンで左側や右側だけが痛くなる腰痛の原因
ここでは、バドミントンで腰の片側だけが痛くなる理由を解説します。理由を知ることで、適切なセルフケアについての理解が深まるので、参考にしてください。
バドミントンでは利き腕とは反対側が痛くなる
整骨院や整体院では、バドミントン選手が腰の片側だけ痛くなる現象が報告されています。とくに、利き腕とは反対側の腰が痛くなることがあります。
つまり、右利きのバドミントン選手は左腰が痛くなり、左利きのバドミントン選手は右腰が痛くなる現象です。
なぜ、片側の腰が痛くなるのか?
バドミントンでは、常に利き手でラケットを大きく振りスマッシュを打つため、それが片側の腰痛へとつながっていることが推測されます。
スマッシュの際は、体をひねります。その時に、腰の筋肉が収縮することで体をひねることができます。そのため、スマッシュを繰り返すと特定の筋肉への負担が大きくなり、損傷して炎症が起きます。炎症した箇所は、固くなり痛みが出てくることがあるのです。
これは、スポーツ選手に多い筋筋膜性腰痛と言われるもので、病院のレントゲン撮影でも原因がはっきりとはわからないこともあります。筋肉の問題であるため、骨には異常なしと病院では言われることが多いです。
👉バドミントンと腰痛 原因と対策 |
バドミントンで起こる筋筋膜性腰痛にはトリガーポイント療法
筋筋膜性腰痛の治療方法として、トリガーポイント療法が選択されます。トリガーポイントを端的に伝えると、痛みを発する筋肉のこりです。筋肉を治療の対象としたトリガーポイント療法は、現在いろいろな医療機関で行われています。
たとえば、ペインクリニックではトリガーポイント注射と言われる方法が行われていたり、トリガーポイントを狙って鍼を打つのを専門に行う鍼灸師もいたりします。
以上のようなトリガーポイントに対するアプローチは、自分で行うこともできます。その一つが、対象筋肉を狙ってストレッチをすることです。以降で、バドミントン選手の片側腰痛の原因となる筋肉をストレッチする方法をお伝えします。
バドミントンで体をひねる動作に関係する腰方形筋をストレッチする
バドミントンの片側腰痛の原因筋の一つとして腰方形筋(ようほうけいきん)が考えられます。ここでは、腰方形筋について解説します。さらに、腰方形筋のストレッチと筋トレの方法をお伝えしますので、参考にしてください。
腰方形筋の働きは腰を横に曲げたり、反ったりすること
腰方形筋は、腰を片側に曲げたり、後方へと反らしたりする際に働きます。バドミントンのスマッシュは、いったん後方へと体を反らしたあとに腰をひねる動作です。つまり、片側の腰方形筋を使うことが多く、疲労しやすいことが予想されます。
疲労した腰方形筋にトリガーポイントができることで、片側腰痛になっている可能性があるのです。腰方形筋の位置は腰の外側です。
もし、腰の外側が痛いような片側腰痛の場合、腰方形筋に対してストレッチを行うことで、腰痛が楽になることがあります。次に、腰方形筋のストレッチ方法を紹介します。
腰方形筋のストレッチ方法
腰方形筋のストレッチは次のようにすると良いです。
①立った状態でタオルを両手で持ってバンザイの体制になる
②左側の腰方形筋を伸ばしたい場合は、タオルを両手で持ったまま腰を右側前方に曲げる
③左側の腰方形筋を伸ばす場合は、腰を左側前方に曲げる
腰の外側にストレッチ感があれば、成功です。
サイドブリッジで腰方形筋を強化
サイドブリッジは腰方形筋の筋力強化に有効だとされています。トリガーポイントができた筋肉は筋力が低下するとも言われているため、サイドブリッジで強化すると良いでしょう。
①鍛える側の腰方形筋を下にして肘をつき横にねた姿勢になります。
②肘を地面についたまま腰が地面から浮くようにする
③腰を浮かせた状態で30秒キープ
トリガーポイントは活性化されると痛みが出ると言われています。トリガーポイントを活性化させないためには、筋肉を柔軟かつ強化しておくのが有効です。次に、バドミントンの際に腰骨が動きすぎて起こる腰痛についてお伝えします。
バドミントンで腰骨が動きすぎて起こる腰痛
バドミントンで腰を痛める原因には、腰椎と言われる腰骨の動きすぎも考えられます。ここでは、「腰椎が動きすぎる」の意味について解説します。腰痛の原因を知ることでセルフケアもより効果的になりますので、ぜひご覧ください。
胸椎は腰椎の6倍もひねることができる
腰の背骨である腰椎は5つの骨からできていますが、すべての骨を合わせても5度しかひねることができません。対して、背中の背骨である胸椎は12個からなり、30度ひねることが可能。腰椎でひねられる角度の6倍にもなります。
つまり、体を大きくひねってスマッシュを打つことができるのは、胸椎が動くようになっているからです。さらに、腰椎の下のある骨盤も体のひねりに大きな影響を与えます。
腰椎以外が動かないと腰痛になる
もし胸椎や骨盤が十分に動かなければ、バドミントンでとっさにシャトルを打ち返した際に、腰椎が動きすぎてしまい、腰痛につながる可能性があります。
さらに、腰椎が動きすぎてしまうとヘルニアや腰椎すべり症などの腰の病になる可能性があるため注意が必要です。
つまり、腰痛にならないためには、胸椎や骨盤が動けるようにストレッチしておく必要があるのです。次に、バドミントンで腰を痛めないためのストレッチを紹介します。
股関節と背中の背骨が動かせる身体づくりをしよう
ここでは、骨盤と背中の背骨である胸椎を動きやすくして、腰痛にならない体の作り方をお伝えします。バドミントンの激しい動きに耐えうる体づくりをして、腰痛を予防しましょう!
背中の背骨を動かせるようにする
背中の背骨である胸椎が動くようにするには、胸の筋肉である大胸筋と背中の筋肉である広背筋を柔軟にする必要があります。
大胸筋や広背筋の柔軟性が不足すると、腰ばかりでなく肩の故障の原因にもなるため、バドミントン選手であれば日常的にストレッチしておきたい筋肉です。
骨盤を動かせるようにする
骨盤が動くようにするには、股関節を柔軟にしておくと良いです。股関節は、前後左右に動かしたり、回したりと多彩な動きができる関節です。
そのため、ストレッチする際もいろいろな方向へと筋肉を伸ばして、柔軟にしておくと良いでしょう。とくに、中殿筋や小殿筋というおしりの筋肉に柔軟性がないと、前述した腰方形筋も固くなり痛みが出てしまうことも。日ごろからストレッチしておくことをお勧めします。
中殿筋や小殿筋のストレッチ方法は以下の通りです。
①椅子に座る
②ストレッチする側の足を反対の膝上にのせる
③腰を丸めないように骨盤ごと前に体を傾ける
股関節が固い場合は、無理をせずにできる範囲でストレッチを行ってください。
バドミントンで起こる腰痛を適切なストレッチで楽にしよう
バドミントン選手に片側腰痛が多い原因は、スマッシュによって片側の腰に負担がかかるからだと考えられます。
とくに、腰方形筋と言われる腰の筋肉は、体をひねったり、腰を反ったりする際に負担がかかり易いです。筋肉が原因の腰痛は筋筋膜性腰痛と言われており、トリガーポイント療法で治療を行う医療機関もあります。
そのため、腰方形筋にできたトリガーポイントをセルフケアするのは、片側腰痛を悪化させないために有効です。自分でトリガーポイントをケアする方法は、次の2点が考えられます。
• 腰方形筋をストレッチしたり、強化したりする
• 背中の背骨を動きやすくしたり、骨盤が動きやすくしたりする
つまり、腰痛を予防するには、腰痛体操となる胸や背中の筋肉をストレッチしたり、股関節のストレッチをしたりすると良いでしょう。適切なセルフケアを行い、腰痛がない状態でバドミントンを楽しんでください。
参考資料
バドミントンで片側の腰が痛くなる事例
バドミントン腰痛の原因と解消方法を大公開!
https://himawari-seikotsuin.com/blog/0039.html#i
バドミントンをすると必ず右腰が痛くなる(33才 女性)
https://www.core-chiro.jp/example/175/
事例は2例だけなので、上記では証拠として不十分ですが、google検索をするとサジェストキーワードに「バドミントン 腰痛 右」とか「バドミントン 腰痛 左」といったキーワードが提示されます。これにより、バドミントンでは片側腰痛に悩んでいる人が多いと判断しました。
筋筋膜性腰痛やトリガーポイントについての資料
筋筋膜性腰痛に対する治療の文献まとめ_https://www.slideshare.net/Mejiro-seikei/myofascial-low-back-pain-treatment