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パソコンやスマートフォンの普及により、猫背で悩む人が増えています。猫背の状態でいると「姿勢がわるい」といわれることが多く、見た目のわるさに目が向けられがちです。
そのため、たかが猫背と思われることが多いですが、じつは猫背は見た目だけでは済まされないさまざまな悪影響を及ぼしています。原因不明とされ悩んでいるその腰痛も、もしかしたら猫背が原因かもしれません。猫背も腰痛も正しい知識をもって向き合えば、しっかり改善することができます。猫背と腰痛の関係から、改善方法まで解説していきます。

猫背とは

猫背は、頭が前にでて首から肩にかけて丸くなった状態のことをいいます。背骨は首から腰にかけてゆるやかなS字カーブを描いているのが正常な状態です。
しかし、デスクワークやスマートフォンの使用などで背中をまるめて頭を前に出した姿勢が続くと、その姿勢のまま筋肉がかたまってしまい、いわゆる「猫背」の状態になってしまします。この姿勢は楽ではありますが、正しい姿勢ではありません。

猫背のチェックポイント

まずは、自分が猫背かどうかをチェックしてみましょう。鏡の前に横向きに立つと、簡単にチェックすることができます。このとき、肩の力をぬき、自然な状態で立ちます。チェックポイントは次の4つです。

・頭が前にでている
・首と背中の境目が丸まっている
・骨盤が前傾しておなかが前にでている
・手が太ももの前にくる

これらに当てはまっている場合は猫背であるといえるでしょう。

猫背になる理由

多くの人が猫背になるような姿勢を無意識にとってしまう理由は、その姿勢が「楽だから」というところにあります。猫背にならないような姿勢を維持しようとすると、背すじをのばすために腹筋や背筋が必要となります。
この背すじを伸ばした姿勢は筋力を必要とするため、体に負荷をあたえているように感じるかもしれません。しかし、実際は猫背の方が筋肉への負担は大きいのです。
それでも猫背の方が楽と感じているのは、猫背の姿勢を続けることで、脳が「猫背が自然な姿勢である」とあやまった認識をしてしまっているためです。

猫背がもたらす悪影響

猫背によっておこるデメリットは、見た目のわるさだけではありません。心身ともにさまざまな体の不調をまねくことがわかっています。

猫背と腰痛の関係

腰は上半身を支えたり、体のバランスをとったり、体の中心でとても重要な役割を担っています。腰を構成している腰椎は前にゆるくカーブを描いている状態が正常ですが、猫背になることで、このカーブがくずれてしまいます。
すると、上半身の重さをうまく支えられなくなり、腰椎や椎間板、そして関節や筋肉へ大きな負荷をあたえます。その結果、腰痛がひき起こされるのです。

その他の影響

猫背は腰だけでなく、体のいたるところに悪影響をあたえます。

肩こり

猫背になり頭が前に突きでると、背中や肩まわりの筋肉が頭を支えるために緊張してかたくなります。頭の重さは体重のおよそ10分の1。この重さのものを支えようとすると、背中や肩まわりの筋肉には大きな負荷がかかります。

背骨への影響

背骨の中には自律神経が通っています。自律神経は内臓や血管などのはたらきをコントロールし、体内の環境をととのえる役割がある重要な神経です。猫背になることによって自律神経が圧迫されると、片頭痛や内臓機能の低下など、さまざまな体調不良がひき起こされます。

代謝の低下

猫背になると肩が前にでて胸がとじるため、深く息を吸うことができず、呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなることによって、体内に十分な酸素を取り入れることができなくなり、運動能力の低下や集中力の低下などにつながります。

猫背を改善しよう

猫背の改善には筋トレやストレッチが効果的です。

正しい姿勢を意識する

猫背を改善するためには、正しい姿勢を知っておかなければなりません。最初のうちは正しい姿勢を維持するのはむずかしいかもしれませんが、姿勢をただす意識をもっておくことがとても大切です。座っている状態での正しい姿勢のポイントを紹介します。

・背すじをしっかり伸ばす
・ひざと足首がそれぞれ直角になるように足の裏を床につける
・パソコンを使用する場合はディスプレイの1番上の部分が目の高さにくるように高さを調節する

ベルトやコルセットは猫背改善に効果がある?

手軽に猫背が改善できそうな気がする矯正ベルトやコルセット。これらの矯正アイテムは、装着している間は一時的に猫背が改善したように見えますが、根本から治しているわけではありません。
矯正アイテムは正しい姿勢が維持できるようにサポートしてくれるので、装着していると楽に感じます。しかし、サポートされているぶん使う筋肉が減ってしまうので、長い期間使用すると筋力が低下する恐れがあります。
また、これらの矯正アイテムで縮こまった肩を無理やり引っぱると、体は腰を反らせて胸をひらこうとします。すると、背骨のバランスがくずれ、腰痛の悪化につながる可能性もあります。矯正グッズの使用だけでは猫背を改善するのはむずかしいといえるでしょう。

猫背を根本から治すためには筋トレとストレッチが効果的

猫背を改善して正しい姿勢を維持するには筋肉が必要です。また、縮んでかたくなった筋肉をストレッチでほぐす必要があります。筋トレやストレッチは数日やってすぐ効果がでるものではなく、継続しておこなうことが大切です。誰でもできて、日常生活にもとり入れやすい筋トレとストレッチを紹介します。

職場でできる簡単ストレッチ



座ったままおこなえて、仕事中でも実践しやすい簡単なストレッチです。1日20回を目安におこないましょう。

1.いすに座り腰のあたりで両手を組む(手のひらが上を向くように)
2.胸がひらくようにできるかぎり両手をうしろに引く
3.息を吐きながら頭をうしろにたおす

タオルを上げ下げするだけ!肩甲骨のストレッチ



開いてしまった肩甲骨を正しい位置にもどすために効果的なストレッチです。単純な動作なので、タオルさえあれば誰でも実践できます。10回1セットを目安におこないましょう。

1.両手を肩幅にひろげてタオルをにぎる
2.タオルをまっすぐ頭の上にあげる
3.タオルが頭のうしろを通るように両うでをおろす

いつでもできる体幹トレーニング「ドローイン」

体幹トレーニングというと大変そうなイメージがありますが、このドローインというトレーニングは場所を選ばず、どこでも実践することができます。

1.背筋を伸ばしてまっすぐ立つ
2.お腹を限界までへこませる

やり方はたったのこれだけです。わざわざトレーニングをする時間をもうけるのが苦手な人でも、これなら別のことをしながら同時にトレーニングができるので、日常生活にもとり入れやすいですよね。

まとめ

猫背は見た目のわるさ以上に、体に大きく影響をあたえています。腰痛に気をとられ、猫背を放置していたという人はぜひ猫背改善にも取り組んでみてください。効果がでるまでに時間がかかりますが、根気よく継続することが大切です。自分にできそうなことから1つずつ実践してみましょう。

参考
侮れない猫背、意外な万病のもと 肩こり・腰痛…|NIKKEI STYLE
首のこりや片頭痛もすっきり「猫背」の治し方 ゆがみリセット学(2)|NIKKEI STYLE
肩こり解消、猫背も治そう 肩甲骨のリセット運動|NIKKEI STYLE
これだけ?プロが教える、太りにくい体幹トレーニング|NIKKEI STYLE

著者情報

腰痛メディア編集部
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