とてもつらい症状である「ぎっくり腰」になったことはありますか?なんの前触れもなく起こるその症状に悩まされる人は非常に多いです。本記事ではぎっくり腰の原因や対処法など、詳しく説明します。
目次
そもそもぎっくり腰って?
「ぎっくり腰」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、それがどのようなものなのかしっかりと理解できている方は少ないのではないでしょうか。
重いものを持った時やくしゃみをした時などに急激に痛みが現れ、ひどい時にはその場から動けなくなってしまうぎっくり腰。正式名称を「急性腰痛」と言います。
誰にでも突然起こる可能性のあるぎっくり腰ですが、その強烈な痛みから欧米では「魔女の一撃」とも言われているのです。
多くの場合、長くても1カ月以内に回復しますが、正しい対処をしないとそのまま椎間板ヘルニアなどに移行することもあるようなので注意が必要です。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰になったタイミングとして最も多く聞かれるのが「重いものを持ったとき」です。しかし、それだけでなくぎっくり腰になるタイミングは人それぞれ。中には、「くしゃみをしただけ」「落ちているものを拾おうとしただけ」といった方もいらっしゃいます。
それだけ誰にでも起こる可能性のあるぎっくり腰ですが、実はまだその原因ははっきりとは解明されていないのです。
また、自分ではぎっくり腰であると思っていても、本当は椎間板ヘルニアや圧迫骨折だったなどの他の腰痛の原因が隠れている場合もあるため気をつけましょう。痛いからといってすぐに整骨院などで施術を受ける前に、少しでも違和感がある場合は整形外科を受診することをおすすめします。
ぎっくり腰になってしまったら
ぎっくり腰になってしまった瞬間は、動いたり立ったりすることが出来ない方がほとんどです。その場合は無理に動こうとせず、腰を丸めた姿勢で横になることで楽になると言われています。
あまりに痛みが強い場合は、病院でブロック注射を打ってもらうのも1つの手です。痛い場合でも、自身でむやみにマッサージをすることはおすすめしません。湿布は使用可能ですが、炎症を起こしている場合が多いので温湿布ではなく冷湿布を使うようにしましょう。
最近の研究結果ではぎっくり腰になった場合、ずっと横になっているのではなく少しずつでも動いた方が治りは早いということが明らかになってきました。
痛みの強い最初の数日はもちろん無理をせず安静にしていても大丈夫ですが、痛みが和らいだら少しずつでも良いのでできるだけ動くようにしましょう。
ぎっくり腰の応急処置
ぎっくり腰は数日から数週間で痛みが落ち着いてくることがほとんどですが、発症直後は腰に想像を絶する程の痛みが出ることが多いです。
もしなってしまった場合は、無理にその場から動かないようにしましょう。動くことで傷ついた筋肉などが刺激され、より痛みが強くなる場合があります。
痛みが落ち着くまではその場でできるだけ安静な姿勢をとり、可能であれば横になることをおすすめします。横になる場合は、腰を伸ばさずにくの字の姿勢になるようにしてくださいね。
横になることが難しい場合は、上半身をまっすぐに保った状態で片膝をつくようにしましょう。この際、太ももにしっかり力を入れるのが痛みを軽減させるポイントです。
痛みが強い場合は動かないことが1番ですが、どうしても動かなければならない場合はコルセットなどで腰を固定して動くようにしましょう。
すぐにでも痛みを和らげたい場合は、痛み部分を冷やしてください。目安としては10分冷やした後は5分そのままにします。冷やす際は、直接皮膚に当てないように、タオルやハンカチなどでくるむようにしましょう。長時間冷やし続けると、今度は凍傷を起こしてしまうことがあるので、様子を見ながら行ってください。
ぎっくり腰に効果的な治療
これまで簡単に、ぎっくり腰になってしまった場合の対処法や応急処置について説明しましたが、この項ではより詳しい治療法についてご紹介します。
腰に負担のかかる姿勢をとらない
ぎっくり腰になってしまった場合、前かがみなどの腰に負担のかかる姿勢はとらないようにする必要があります。また、女性に多いと言われる反り腰の状態も腰に負担がかかるため普段から正しい姿勢を心がけるようにしましょう。
床に落ちた物を拾うような場合なども腰に負担のかかる前かがみの姿勢になって拾うのではなく、片膝をついて拾うなどしてくださいね。
コルセットを使用する
腰にかかる負担を減らし、痛みを和らげるために役に立つ「コルセット」は、「腰痛ベルト」や「骨盤ベルト」とも呼ばれています。現在コルセットは数多くのものが発売されており、薬局などで手に入ることも。
医師に相談した上で使用するのが1番ですが、発症直後は腰全体をしっかりとホールドできる幅が広いものがおすすめです。
しかし長期間使用することで筋肉が衰える場合もあるので、長くても3週間以内には外すようにしましょう。
鎮痛薬の使用
強い痛みが出ている場合は、我慢せずに内服薬や湿布などの鎮痛薬を使用しましょう。湿布を使用する場合、上の項でも少し触れたようにぎっくり腰になった直後は炎症が起きていることがほとんどなので冷湿布を選択します。
しかし、腰痛の発症から数日経ち痛みが落ち着いてきた場合は温湿布を使用し温めて血流をよくすることで痛みが和らぎます。
鎮痛薬の種類についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、是非参考にしてみてください。
ぎっくり腰にならないために
詳しい原因は不明で誰にでも起こりうるぎっくり腰ですが、ならないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?日頃から簡単にできることも含め、見ていきましょう。
適度な運動を心がける
腰回りの筋肉が凝り固まってしまうことで、ぎっくり腰が起こる可能性は高くなります。
その場合無理にジムでの筋トレやランニングなどの激しい運動をする必要はなく、軽いウォーキングや入浴後・就寝前のストレッチだけでも効果的です。水中でのウォーキングなども、腰に負担がかかりにくいのでおすすめですよ。
運動の強度よりも続ける習慣が重要なので、普段の生活に少しでもいいので取り入れてみてくださいね。
ストレスを発散する
日頃からさまざまなことでストレスを受けている方は多いのではないでしょうか?ストレスを溜めてしまうと筋肉も緊張して凝り固まり、ぎっくり腰をはじめとする腰痛になりやすくなります。
好きなことをしたり美味しいものを食べたりして過ごし、適度にストレスを発散させることが重要です。
ストレスと腰痛の関係性についてはこちらの記事で紹介しています。
身体に合った寝具を選ぶ
寝具が自分の身体に合っていないと腰に負担がかかり、よりぎっくり腰になりやすくなります。腰に負担をかけないためには少し硬めのマットレスが推奨されていますが、好みもあるので是非自分に合った寝具を見つけてみてください。
また、寝る時も腰に負担がかかりやすい姿勢があるため気をつけましょう。
バランスの良い食事を心がける
内蔵に負担がかかると、腰回りの筋肉にも負担がかかってしまうことをご存じでしたか?糖質や脂質ばかりを好んで食べる方や、暴飲暴食をしてしまう方は特に注意が必要です。
ぎっくり腰のリスクを減らすためにも、食事内容は非常に重要です。糖質・タンパク質・脂質のバランスを考え、消化に良いものを食べるように心がけてくださいね。
腰に負担のかかる姿勢はとらない
前かがみの姿勢や反り腰と言われる姿勢は、非常に腰に負担をかけやすいです。そのため、職業柄重いもの運んだりする方などはぎっくり腰になりやすいとも言われています。
重い物を持ち上げるときは、立った状態からそのまま持ち上げるのではなく、かがんで荷物を持ち、足を使って持ち上げるようにしましょう。
仕事の場合は仕方ないこともあるかもしれませんが、重いものを持ったりした後は腰を休めるなどして過度な負担をかけないようにしましょう。
まとめ
今回は「ぎっくり腰」について詳しく見ていきましたが、いかがでしたか?なったことのある人にしか分からないその激しい痛みは、思い出すだけでもつらいものがあります。
誰にでも起こりうるぎっくり腰ですが、予防法はさまざまあるため日頃からならないように意識して行動したいですね。
それでもぎっくり腰になってしまった場合は、応急処置を参考にしながらその場を凌ぎ、痛みが続くようであれば専門家の指示をあおぐようにしてください。