MENU
メニュー

腰痛には日本人の多くが悩まされています。実際に日本整形外科学会の調査でも日本での腰痛の人口は約3,000万人いるといわれており、約80%の人が一生のうちに一度は腰痛を経験するともいわれています。

その腰痛は大きく2種類に分けることができます。今回はその2種類の腰痛について詳しく解説するとともに、それぞれの腰痛に対して和らげる方法についても解説します。

腰痛は2つの種類に分けることができる

「腰痛」という言葉は大きく分けて下記の2つの種類分けることができます。

・急性腰痛
・慢性腰痛

上記の2つの種類の腰痛にはそれぞれ特徴があります。

急性腰痛

急性腰痛は一般的には「ぎっくり腰」と呼ばれています。

急性腰痛は重い荷物などを持った際に腰に突然痛みが強く生じてしまって、その場で動けなくなってしまうなど恐ろしい腰痛です。

この突然の痛みは非常に激しいことから欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。

急性腰痛は、腰を支える椎間板、筋肉、関節、靭帯などが部分的に損傷してしまい強い痛みを生じると考えられていますが、実際に急性腰痛の人に対して画像検査を行っても異常を映すことができないことが多くみられるため、はっきりとした原因は分かっていません。

急性腰痛の多くは1~2週間程度で自然と痛みは軽減してきます。しかし、時間が経過しても腰痛の軽減がみられない場合は慢性腰痛へ移行し、場合によっては下半身に痛みやしびれの症状が出現した場合は椎間板ヘルニアなどを生じている可能性があるため注意が必要です。

慢性腰痛

慢性腰痛とは腰痛を感じてから3ヵ月以上経過している腰痛のことをいいます。慢性腰痛は、小さい子供から高齢の人まで幅広くみられています。

腰の痛さやダルさ、違和感などさまざまな症状があります。

また腰痛を感じる場面も、何か動作を行うとき、長時間のデスクワークや立ち仕事が続いたときなどさまざまです。

この慢性腰痛を生じる原因は大きく分けて以下の2つに分けることができます。

・筋・筋膜性腰痛症
・椎間関節性腰痛

筋・筋膜性腰痛症ってなに?

筋・筋膜性腰痛症は、筋肉の痛みが原因で腰痛を生じさせています。この筋・筋膜性腰痛症は慢性腰痛の割合で非常に多くの割合を占めています。

筋・筋膜性腰痛症は背骨を支えている筋肉に負担がかかってしまった結果、腰痛を生じてしまいます。

椎間関節性腰痛ってなに?

椎間関節性腰痛は背骨の痛みが原因で腰痛を生じさせています。椎間関節性腰痛は真っすぐに位置している背骨がゆがんでしまったことにより、腰を動かしたときに関節が痛み腰痛の症状が出現します。

それぞれの腰痛はどのように対応したらいいの?

ここまで腰痛は大きく「急性腰痛」「慢性腰痛」の2つに分けられることを解説しました。しかし、これらの腰痛に対してどのように対応すれば痛みを和らげることができるのでしょうか?

実際に、急性腰痛と慢性腰痛ではそれぞれ対応方法が変わってきます。ここではそれぞれの腰痛に対してどのように対応すれば痛みを最も和らげることができるのかを解説します。

急性腰痛に対する対応方法

急性腰痛を発症した直後は痛めた場所が炎症を生じているため、その場所を「冷やす」ようにします。

2~3日程度経過すると炎症も軽減してくるため、その後は「冷やす」ことから「温める」ようにして血流を促すようにします。

また、急性腰痛を発症した直後は腰に負担がかからないような姿勢を保つことが重要です。例えば「仰向けで寝る時は両膝の下にクッションを入れて腰と両膝を軽く曲げて寝るようにする」「横向きで寝る時は両膝を曲げて寝るようにする」などの姿勢を行い腰に負担がかからないようにします。

以前までは「急性腰痛を生じたら安静にしておくこと」そして「痛みが治まれば少しずつ動くようにすると良い」と言われていました。

しかし、最近ではその考え方は変わってきています。急性腰痛を生じてもできるだけ早く動かした方が腰痛の軽減はその後早くなることが分かっています。

急性腰痛後、3日以上安静してしまうと普段通り動いた人と比較しても腰痛が軽減する経過が悪くなっていることが分かってきています。

そのため、急性腰痛を発症した直後は安静にしてアイシングをするようにしますが、痛みが少しでも軽減してきたらストレッチを行うなどできる範囲で身体を動かすことが重要です。

やってしまった「ぎっくり腰」⁈急性腰痛症の適切な管理方法と再発防止に自分でできることは?

正しいアイシングの方法

急性腰痛の際は、まずアイシングすることが重要であると上記で解説しました。しかし、意外と正しいアイシングの方法について理解している人は少ないのではないでしょうか。

ここでは正しいアイシングの仕方について解説します。

まず、アイシングは冷やすことが目的のため、氷などを使用して冷やした方が効果的なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、実際の方法は異なります。

氷や保冷材などを直接痛む場所に当ててしばらく時間が経過すると、その場所が低温ヤケドをおこしてしまう可能性があります。

そのため、氷で行う場合はビニール袋やアイスバッグなどに必ず水を入れるようにします。

アイシングの準備が出来て実際に行う場合は、1回の目安は15~20分程度行うようにして、アイシングとアイシングの間のインターバルは1~2時間空けて行うことがおすすめです。

感覚としては「アイシングを行う→感覚が無くなってきたら外す→感覚が戻ってきたら再びアイシングを行う」を繰り返して行います。

痛む場所を冷やす方法としてシップや冷えピタなどもありますが、これらは深部まで冷却する効果はみられません。また、同じようにコールドスプレーも氷や保冷材などと比較すると効果が低くなってしまいます。

慢性腰痛に対する対応方法

慢性腰痛は3ヵ月以上経過している腰痛で炎症はすでに治まっているため、痛めた場所は温めるとともに積極的に動かすようにします。

温める方法としては使い捨てのカイロ、お風呂にゆっくり浸かる、ドライヤーなどで腰周辺を15分程度温めるようにします。

また、マッサージやストレッチなどは血流を良くすることができるため、積極的に行うようにします。

正しいマッサージの方法

マッサージは腰痛に対して効果的な方法ではあるものの、やり方を間違ってしまうと逆効果となってしまいます。

まず、炎症がある場合はマッサージを行ってはいけません。マッサージは血流を良くする効果があるため、炎症がある部分にマッサージをしてしまうと血流が良くなりすぎて痛みが強くなってしまう危険性があります。

また、マッサージを行う強さも非常に重要です。強く押したり、叩いたり、揉んだりしてしまうとその影響により組織が壊れてしまい、炎症を生じてしまういわゆる「もみ返し」が起こってしまいます。

また、強くマッサージされるとその後、気持ちが悪かったりフラフラしたりするなどの症状が出てしまう場合があるため注意が必要です。

マッサージは誰でも簡単にできるものの、実は危険性もあります。そのため、もしマッサージを行う場合はできるだけ弱く行うか、プロの人から教えてもらってから行うようにしましょう。

まとめ

今回は「急性腰痛」「慢性腰痛」について解説するとともに、それぞれの腰痛に対してどのように和らげるのかを解説しました。

一概に「腰痛」といっても、急性腰痛と慢性腰痛では和らげる方法が大きく変わってきます。今回解説した方法を参考にして、それぞれの腰痛に対して少しでも早く痛みを軽減できるようにしてください。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

この著者の他の記事を見る
wholebodyeducator