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一度は聞いたことがあるという方も多い病気の1つ「側弯症」。日常生活において「鏡で見たとき、ウエスのくびれが左右で異なる」「スカートを履いているといつの間にか、ホックの位置などが回転してしまう」「肩の高さ」といった、ちょっとしたお悩みが、実は側弯症と関係している可能性もあるのです。

側弯症は子どもに多い病気と思われがちですが、加齢に伴い背骨が変形してくることで引き起こされる病気もあります。側弯症の初期症状の1つは腰痛といわれており、腰痛持ちの方が側弯症について正しく理解することで、腰痛の症状改善に役立てられるでしょう。当記事では側弯症の特徴や症状、治療法、腰痛との関連性などご紹介します。

側弯症の特徴・症状とは

基本的に、背骨はまっすぐな状態が正常といわれています。しかし、側弯症は、背骨が左右に弯曲してしまい、背骨のねじれが引き起こされるのです。加齢により、椎間板や椎間関節が変性し、椎体を支える力が弱くなり、脊柱が側方(左右)に曲がることで、腰痛が生じます。腰痛が悪化してしまえば、体幹のバランスは崩れ、前傾姿勢での歩き方となり、転倒リスクが高まる可能性もあるでしょう。

また、側弯症は背部や腰部の突出、ウエストラインの左右差、肋骨の突出、円背など、外見上の異常も見られるため、心理的負担が大きいといえます。側弯症がさらに進行すれば、呼吸苦や息切れなどの症状も引き起こされ、日常生活がままならなくなることもあるのです。

腰痛でお悩みを抱える方が病院で診察を受けてみると、実は側弯症だったというケースも多々あります。腰痛持ちの方は、状態によっては経過観察するのも大切ですが、腰痛1つといっても侮ることなく、早期に専門医を受診するようにしましょう。

側弯症が起こる原因とは

側弯症には特定の原因が分からないものと、原因が明確であるもの2つに分類できますが、側弯症のほとんどは原因不明であるといわれています。原因不明の場合は、主に以下の点が考えられるでしょう。

・腸腰筋や脊柱起立筋のバランス不良
・過度の肉体疲労やスポーツ運動
・就寝時の不良姿勢
・ストレスや夜更かし

原因不明による側弯症には、これらの要因が関係している場合が多く見受けられます。これらの原因に対しては、生活習慣の改善や適度な運動、活動と休息のバランスをとるなどの工夫を凝らすことで、側弯症の症状改善を図れるでしょう。

ちなみに、原因が分かっている場合は、以下の点が挙げられます。
・生まれつき、椎骨の形に異常が生じることによる側弯症
・神経や筋肉の病気が原因で発症する側弯症
・血管や結合組織の生まれつきの病気による側弯症
・色素班、皮膚腫瘍などによる側弯症
・放射線治療ややけど、感染、脊椎腫瘍などによる側弯症

このように、原因が明確なものであれば、適切にアプローチすることで改善は図れるでしょう。

側弯症かどうかをチェックしよう!

・肩の高さの左右差はないか
・左右の腰のくびれに差はあるか
・前屈時、背中に盛り上がりはあるか
・ズボンの裾や、シャツの袖の長さは左右同じか

上記の内容に当てはまるほど、側弯症である可能性は高いといえるでしょう。体の歪みというのは、毎日の生活の中でストレスや疲労により、筋肉を硬縮させたり、負荷をかけすぎてしまったりすることで、生まれるものです。

ある程度の筋疲労であれば、休息をとることで、体の歪みは改善できるでしょう。しかし、歪みの原因が重なれば重なるほど、戻すことは難しくなり、腰部や背部の痛み、他の病気を引き起こす原因にもなりかねません。定期的に体の状態をチェックし、メンテナンスしてあげることが、腰痛の症状改善や悪化予防につながるともいえるでしょう。

側弯症の治療法

側弯症に対する治療法は装具治療、手術療法の2つです。軽症・中等度・重症というように、側弯のカーブの程度によって治療方法が異なります。

装具治療

側弯のカーブが軽い場合は、つけずに経過観察をいうこともありますが、側弯のカーブが軽度~中等度の場合では、側弯症の進行と腰痛症状の悪化を予防するため、「装具治療」をする必要があります。腰痛が生じている場合には、鎮痛薬の内服やブロック療法といった局所麻酔薬を打つ方法も、併用することがあるでしょう。

手術療法

腰痛症状改善方法が側弯症治療の1つ?!

側弯症は早期診断・早期治療が大切です。側弯症によって生じる症状の1つが腰痛といわれていますが、腰痛の症状改善に向けたストレッチや筋トレなどは、側弯症の治療にも効果的といえます。

側弯症と腰痛の関係性は?原因や症状、運動方法を紹介します!

日常生活でおすすめ!側弯症の予防方法

完全に側弯症を予防するための方法というのはありませんが、側弯症を悪化させない方法や側弯症の進行を予防するために、日常生活でできるおすすめの方法はいくつかあるため、ご紹介します。

・かばんや重い物は片手で持たず、両手で持つかリュックサックを使用する
→日頃の生活に取り入れることで、体の歪みの悪化を防げるでしょう。
・腰をしっかりと立て、両足を地につけた姿勢で座る。
→普段の生活の中で最も多いのが座位姿勢。座位姿勢の矯正は側弯症予防法としてとても重要なポイントです。例えば、腰が左に凸カーブがかかっている場合、重心が左側に偏ってしまうため、左側のお尻の下に折ったタオルなどを入れこんで、腰痛の負担軽減を務めるのも効果的です。
・仰向けで寝る。
→側弯症の方は、側弯のカーブに合わせて寝やすい方向に寝てしまいがちといわれています。例えば、腰が左凸カーブの場合、寝る前に右手を上へ挙げ、右脇を伸ばすようにストレッチをとることで、側弯症の進行を予防できる可能性もあります。
・適度に体を動かす習慣を作る。
→体の筋肉が硬縮してしまうと、体の使うべき筋肉が衰え、負担をかけるべきではない部位へ負担ばかりかかってしまい、腰痛の悪化などを引き起こしかねません。そのため、できる範囲の運動を習慣化させ、関節や筋肉の柔軟性を高めることは必要といえるのです。

これらの方法はあくまで側弯症予防に効果的な方法であるため、腰痛がつらくて上記の方法がとれないという方は、無理しないでください。専門医へ相談のもと、腰痛を悪化させない方法を組み合わせたり、腰痛に負担をかけない方法をとったりするようにしましょう。

側弯症でやってはいけない日常生活動作

誰でも当たり前のようにやっている日常生活動作が、時には側弯症を悪化させてしまう可能性もあるといわれています。ぜひ、チェックしておきましょう。

・重いカバンを片方で持つ
・デスクや椅子に片肘をよくつく
・寝ながらスマホをよくいじる
・脚を組む
・背中を丸めて座ることが多い

側弯症でやってはいけないスポーツ

側弯症の人に向いていないスポーツは以下の通りです。

・卓球
・野球
・テニス
・ゴルフ など

これらのスポーツに共通しているのは、一方の側(利き手)ばかりを振ることです。偏った動作を繰り返し続けると、背骨の湾曲が悪化してしまうリスクがあります。

あまり聞き慣れない側弯症は、腰痛を引き起こす病気の1つといえ、体のちょっとしたお悩みに関連しているということが分かりました。腰痛でお悩みの方は対症療法として鎮痛薬内服などで様子を見ている方も多いと思いますが、側弯症が関連している場合は早期に適切な治療を受けることが大切です。腰痛のほか、側弯症の症状に思い当たる方はぜひ、早期に病院を受診しましょう。

■参考文献
腰痛変性側弯・後弯症(腰曲がり)|東京脊椎クリニック・首・腰痛治療専門
側弯症|あいちせぼね病院
自宅で簡単にできる側わん症のストレッチ(チェック法と豆知識はおまけ)|鹿児島の整体「おんおんどう」
側弯症の進行を予防する習慣|S-BODY JAPAN
側弯症のQ&A|側弯症TOWN(患者向けサイト)|日本側彎症学会
側弯症|日常生活での姿勢の注意点|わしざわ整形外科

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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