聞きなれない言葉かもしれませんが、インピンジメント症候群とは四十肩や五十肩の原因ともいわれている病気です。
野球肩の原因としても知られており、肩で起きるインピンジメント症候群が有名ですが、股関節や足、腰にも起きることがあります。
この記事を読めば、インピンジメント症候群がどういうものか、腰で起きるとどのような症状がでるのかがわかるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
棘突起って何?背骨の構造について解説
棘突起の話をする前に、先に背骨の構造について解説してきます。
背骨は椎骨という骨が連なってできていて、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎に加え、仙椎と尾骨という構造になっています。
椎骨には椎体、椎間関節、椎弓、横突起、そして棘突起などの構造があり、背骨の周りは多くの靭帯や筋肉で覆われています。
このような構造をしているので身体を支えたり、身体を捻ったりなどの運動に重要な役割を果たしています。
棘突起とは?
椎骨の後ろ部分が盛り上がり突起している背びれのようなものです。椎骨と呼ばれている24個中23個の骨に棘突起があり、人の背中を見ると真ん中あたりに隆起のようなものが見えるでしょう。
棘突起どうしは“黄色靭帯”や“棘間靭帯”、“棘上靭帯という靭帯によってつなげられており、背骨を支える役割を担っています。
インピンジメント症候群とは?
関節を開いていくとある角度に達したときに痛みや引っ掛かるような感触を感じ、関節がそれ以上広がらなくなるような症状のことをいいます。
関節を一定の角度まで動かしたときに痛みが出ることがほとんどでおよそ60度~120度の間で関節を動かしている時に痛みやすいです。
筋肉のこわばりや筋力低下などの症状がみられることもあります。
症状を放置したまま関節を繰り返し動かしてしまうことで関節部分にむくみが出たり、出血を起こすことがあります。また、症状が進行することで夜間など安静にしていてもずきずきと痛みを感じることもあります。
どんなことが原因でおこるの?
インピンジメント症候群は関節を動かした際に関節付近にある他の骨や筋肉がぶつかり合うことで傷ついてしまったり、炎症を起こしてしまうことによって痛みなどの症状がでます。
身体のどの部分でインピンジメント症候群が起こるの?
有名なのは肩で起こるインピンジメント症候群です。
野球やテニス、バレーボールなどスポーツで肩をよく使うオーバーヘッドスポーツで良く見られるスポーツ障害の一つで、四十肩や五十肩など肩が上がりきらなくなる原因ともいわれています。
他にも肘で見られる肘頭窩インピンジメントや股関節で見られる大腿骨寛骨臼インピンジメントなどがあります。
スポーツで激しい運動を行っている若年層や、筋肉が衰えてきた中高年など幅広い年齢層でインピンジメント症候群が起きる可能性があります。
棘突起間インピンジメント症候群が起きるとどうなるの?
背骨の後ろ側にある棘突起が腰を反らすなどの動作を繰り返すことで骨同士もしくは骨と筋肉がぶつかり合い、炎症を起こしてしまうことで痛みが出ます。
腰で棘突起間インピンジメント症候群がでるとどうなるの?
腰を酷使するスポーツでインピンジメント症候群が起きやすいといわれており、腰を反らした時に腰痛などの症状がでます。
腰を真正面に反らした時のみ痛みが出るのが特徴で、安静にしていたり、斜め後ろに腰を動かしたりすると痛みは出ません。
インピンジメント症候群の治療法について紹介
もしインピンジメント症候群かもしれないと思ったら、症状が悪化する前に受診することをおすすめします。
治療では次のような方法でインピンジメント症候群にアプローチします。
① 保存療法
痛みを引き起こしている関節を休めることに努めましょう。スポーツによるインピンジメント症候群であれば、いったんスポーツを行わないことで関節の休息をはかります。
② 痛み止めの投薬
膝や股関節など日常的に動かさなければならない関節では日常生活で痛みに不便を感じてしまうので、痛み止め効果のある飲み薬や注射薬を用いて痛みを取り除きます。
あくまで対処療法の一環なので、原因を根治する治療ではありません。
③ 関節の動きの矯正
投球フォームなどが原因でインピンジメント症候群を引き起こしているケースではフォームを見直し、正しい動作への矯正を行います。
正しく関節を動かすことで骨同士がぶつかり合わないようにして症状が悪化したり、繰り返し再燃を起こしたりしないよう再発予防を行います。
④ インナーマッスルを鍛える
中高年における筋力の低下や若年層の体が出来上がっていないときにみられるインピンジメント症候群ではインナーマッスルなど関節に関係する筋肉を衝撃に耐えれるようにリハビリやストレッチなどのトレーニングを行います。
土台である筋肉が発達することで再発の予防効果が期待できます。
⑤ 外科的手術
保存療法やリハビリなどを行っていても症状が改善しない場合には外科的手術を行うことがあります。
最近では傷口が小さくなるよう内視鏡を使って治療を行うところも増えてきており、術後の回復も比較的早いようです。
進行度の程度によっては以前と変わらない動きを取り戻すことができるでしょう。
まとめ
インピンジメント症候群がどのような原因で起こるのか、インピンジメント症候群が起こる場所や棘突起間インピンジメント症候群についてお話しさせていただきましたが、いかがでしょうか。
今回の記事のポイントは
・棘突起同士は複数の靭帯で覆われており、背骨を支えている
・インピンジメント症候群では、関節を動かしている最中に痛みが出る
・骨同士や骨と筋肉がぶつかり合うことで炎症が起きる
・症状が進行すると安静時でもズキズキと痛むことがある
・棘突起間インピンジメント症候群では腰を反らすと痛みがでる
・ヘルスケアアプリで自分の腰痛の原因をすることは大切
でした。
関節を動かしている最中に痛みが出ている人はインピンジメント症候群の可能性が考えられます。
特に腰を反らした時に痛みを感じている人は腰痛アプリを試してみることをおすすめします。
出典:
お医者さんオンライン インピンジメント症候群:どんな病気?治療やリハビリは?手術は必要?
https://www.premedi.co.jp/%E3%81%8A%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3/h00816/#:~:text=%E3%81%93%E3%81%AE%E5%91%A8%E5%9B%B2%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E6%BB%91,%E3%81%AA%E3%82%8B%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%81%AE%E7%B7%8F%E7%A7%B0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
順天堂大学医学部付属順天堂医院 インピンジメント症候群
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/seikei/about/disease/sports/sports_04.html