「特に痛めたわけでもないのに、腰が痛い・・・。」
理由がわからない腰痛は、対策がしにくく症状が長引きがちです。
お風呂に入って体を温めると、腰痛が改善する。こんな方は「冷え症」が原因の腰痛かもしれません。
寒い冬が原因の冷え症では、当然ですが「冷やさないこと」が重要になります。
そこで、今回は冷え症が原因でおこる腰痛の効果的な対策法を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
なぜ冷え症が腰痛につながるのか?
そもそも、冷えはなぜ腰痛につながるのでしょうか?
腰痛はさまざまな要因で発症することが考えられます。
一般的なのものは、ぎっくり腰など外的要因が加わることでおこる炎症性の腰痛や椎間板ヘルニアなど神経の圧迫によりおこる慢性的な腰痛などがあります。
そんな中、冷えによる腰痛は血流不良が原因でおこっていると考えられています。
疲れて硬くなってしまった筋肉は、近くを通る血管を圧迫して血流を悪くしてしまいます。
血流が悪くなると筋肉内に溜まっていく乳酸などが血管から流れていかず、筋肉がどんどん硬くなっていき肩や腰などのコリにつながっていき、自律神経失調症などの悪循環が起こります。
また、硬くなってしまった筋肉は神経を圧迫することで、直接的に痛みの原因にもなります。
このような理由から、冷え症状は腰の血流を悪くして腰痛を発症させてしまうのです。
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冷え症による腰痛対策【生活改善編】
では、冷え症が原因の腰痛に対する対策法をいくつか紹介します。
まずは、自分の生活改善でできることを4つほどあげていくので、参考にしてみてください。
衣服による対策
冷え症による腰痛の対策を考えると、腰回りの対策を考えると思います。
しかし、腰回りはもちろん大事ですが、下半身を冷やさないことも重要になります。
人間の体は血液が循環しており、心臓を起点に血液がめぐる際に下半身を通りながら心臓に戻っていきます。
このとき、下半身で冷やされた血液は腰を通って心臓に戻るので、腰の冷え対策をしていても結局下半身が冷えていると意味がありません。
そこで、冷え症対策をするときは、下半身もしっかりとするようにしましょう。
女性の場合は、スカートではなくパンツスタイルで過ごすことがオススメです。どうしても、スカートをはく場合はスパッツやタイツを着用するようにしておきましょう。
その他にも、ブランケットや腹巻をすることも冷えを抑えるには大事になってきます。
食事による対策
食事の内容でも冷え症対策は十分にできます。
体を温める食べ物と言えば、生姜を思いつく方がいると思います。
もちろん生姜は体を温めるには最適な食べ物ですが、生姜以外にも体を温めてくれる食材があります。
例えば、肉類なら鶏肉、野菜だと寒冷地で地中で育つものに温めてくれるものが多い傾向があります。
・ニンジン
・タマネギ
・レンコン
・カボチャなど
その他にも、発酵している食材には体の代謝を促してくれる酵素が多く含まれており体を温めてくれます。
・納豆
・キムチ
・味噌など
もちろん、飲みものはホットで飲む方がいいですが、気にする方は紅茶やジャスミン茶などは比較的温めてくれるものになります。
逆に、食材の中には水分を多く含んだおり、体を冷やしてしまうものも存在します。
キュウリやレタス、ナスなどは代表的なものになるので、冬は注意しておきましょう。
仕事による対策
仕事中も気を付けておくといいと思います。
特に、長時間同じ姿勢で作業をするデスクワークや立ち仕事は、冷え症など関係なく血液の流れを悪くしてしまいます。
はじめにも説明しましたが、冷えによる腰痛は血流の流れが良くないことが原因になります。
筋肉のコリが悪化しないように、適度に体を動かすことをオススメします。
目安は1~2時間程度で一度休憩を入れて、ストレッチや伸びをしましょう。
また、腰痛を防ぐために座って作業することが多いときは、座り方も重要です。
しっかりと椅子に深く腰をかけて、背筋を真っ直ぐ伸ばして座りましょう。
椅子の高さは、膝と股関節ができるだけ真っ直ぐになるようにして、足裏は全体がしっかりと床につくように調節するといいでしょう。
入浴による対策
面倒だからという理由で、シャワーが多くなっている人も注意が必要です。
できるだけ、湯舟につかって体を温めることをオススメします。
入浴に関しては、冷え症にとって効果的なことは熱いお湯に浸かることではありません。
熱いお湯に入浴しても体の表面が温まるだけで、入浴が終わると体が急激に冷えてしまうのであまりよくありません。
それよりも意外に思うかもしれませんが、お風呂の温度はぬるくてもいいので、できるだけ長く浸かることが重要です。
こうすることで、体の芯から温まるので血流改善が期待でき睡眠の質を高める効果があり、筋肉のコリも解消されやすくなります。
冷え症による腰痛対策【医薬品編】
生活改善をしてもなかなか症状が改善しない場合は、病院を受診したりドラッグストアなどで市販薬を入手することもあると思います。
病院でもらう処方薬や自分で購入する市販薬にはどんなものがあるのでしょうか?
腰痛で処方されるお薬の種類は、湿布をはじめとする貼付剤から鎮痛剤などの内服と種類はさまざまあります。
ここでは、参考までに一部を紹介します。
非ステロイド性抗炎症薬
ロキソニンやイブプロフェン、ジクロフェナクなどが代表的な成分です。名前はよく聞くものだと思います。
非ステロイド性抗炎症薬は、ロキソニンテープなどの貼付剤や市販でも購入できるイブなど鎮痛剤として使われます。
体内で生成する痛みの物質を抑えて、腰痛症状を和らげてくれます。
炎症を抑えることで痛みは減少しますが、根本的な原因には効いていません。セレコックスもこれにあたります。
オピオイド系鎮痛剤
オピオイド系の鎮痛剤は医療用麻薬の成分を有する鎮痛剤です。強力な鎮痛作用を有しており、適切に使用することで依存性を認めることもありません。
オピオイドは市販薬には存在せず、病院などで医師の判断でしか処方されないもので、モルヒネなど種類もいくつかあります。
強い鎮痛作用を有する一方で、副作用には吐き気や便秘などの症状がでることもあります。
腰痛で処方される例としては、トラムセットがあります。トラムセットは中枢に効き、痛みを感じなくさせる医薬品で、根本的な原因には全く効いていません。
例えるなら火事が起きているのに、火を消さずに非常ベルを消しているようなものですね。寝たきりへの第一歩なので私はトラムセットの服用は全くお勧めしません。
筋弛緩薬
筋弛緩薬は、痛み止めとは違い筋肉の緊張をとってくれるようなお薬です。簡単に説明すると、脳から筋肉への緊張の伝達を抑え筋弛緩作用をあらわし、筋肉のコリをとってくれます。
冷え症などにより血行が滞ってしまっている腰痛は筋肉の過緊張状態であることが多く、筋弛緩薬がよく用いられることがあります。
筋肉を緩める作用があるため、副作用には眠気やふらつきなどの症状がでることがあります。
血流改善薬
腰部脊柱管狭窄症で腰の血管や神経が圧迫されているときに、血管を拡張して神経への血流を増やし、症状を改善します。
また、冷え症などが原因で血流が悪いときなどにも、血流改善薬は効果を発揮します。
血流改善薬は、副作用として顔の赤みや内出血などの症状がでる場合があります。
まとめ
冷え症に伴う腰痛症状の対策についていくつか紹介させてもらいました。
いずれも大事なことはとにかく冷えの原因をできるだけ少なくして、血流をよくしてあげることが大事になってきます。
衣服や仕事でのストレッチなど誰でも簡単に対応できることから改善していき、どうしても症状が改善しない場合は自己判断で対応せず整形外科など病院を受診するようにしましょう。
冷えからくる腰痛改善の参考にしてもらえると幸いです。
参考:冷え性対策!本当に体を温める食べ物・飲み物を見分けるコツ
参考:日本臨床内科医会「腰痛」より
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