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みなさんは腰痛を経験したことがありますか?小さな子供でもない限りは誰しもが一度は経験したことのある腰痛。多くの場合その原因は、姿勢が悪かったり無理な動作をしたりといった、筋肉や関節の異常です。しかし、「腰そのもの以外の原因」による腰痛も決して軽視はできません。腰痛は時として、重要な病気のサインにもなるのです。

例えば、大腸がんや憩室炎など、腸の病気です。これらの病気は進行が遅かったり症状に乏しい場合が多く、見逃してしまうことがありますが、症状の1つとして腰痛が出現することも少なくありません。

ここでは、それぞれの病気と腰痛との関係性をもう少し細かく見ていきたいと思います。

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大腸がんとは

過去の実績はもちろん、2019年最新統計予測(国立がん研究センター)でも罹患率トップを走る大腸がん。大腸がんとは、大腸粘膜から直接癌細胞が発生したり、良性大腸ポリープが癌化するなどして、進行に伴って大腸壁に浸潤し、徐々にリンパ節、肝臓や肺などの臓器へ転移していく病気です。
症状に関しては、大腸のどこにどの程度の腫瘍ができるかによって違いますが、進行すると血便・便が細くなる・残便感・腹痛などの症状が見られます。初期症状に乏しく進行が遅いので症状に気付きづらく、放置すれば死に至る可能性もあります。

大腸憩室炎とは

大腸憩室炎とは、大腸壁の弱いところに出来るポケット状の憩室に炎症が起こる病気です。主な症状としては腹痛と発熱ですが、腰痛を感じる人もいます。憩室自体は、10人に1人程度の割合で見つかるとも言われるくらい多くの人に認められるものですが、ここに便が溜まったり、何等かの原因で炎症を起こすなどして穴が開き、腸内細菌が腸の外に漏れたりすると重症化することがあり、オペが必要な場合もあります。

大腸がん・憩室炎になるリスクは年齢とともに増加する傾向にあります。また、極端に繊維質を含まない食事を長年続けることや、喫煙、運動不足などもリスクになります。

大腸がん・憩室炎と腰痛の関係

大腸がんと腰痛の関係性として、リンパ節や脊椎(背骨)に転移した際に神経を圧迫して腰痛として見られることがあるとされています。また、大腸がん・憩室炎に共通して、脊椎と腸骨から骨盤内を通って大腿骨に付着する腸腰筋と密接している部分に病巣がある場合もやはり、腸腰筋や神経を圧迫して腰痛として感じることがあります。

このように、腰そのものに原因がなくとも腰痛を感じるケースは少なからずあると言えます。ですから、明らかな原因なしに腰痛を発症し、それが続く場合には、軽く捉えず、自分の体の声に耳を傾け観察し、適切に対処することが大切です。

大腸がん・憩室炎の予防方法

近年の日本では、食生活の欧米化が進んでいます。高カロリー食や肉食傾向にあり、野菜などの繊維質が不足しているのです。加齢に伴う運動不足というリスクも加味すると、これらのリスクが大腸に与えるダメージは大きいと言えます。

大腸がんや憩室炎など、大腸の病気を予防するには、当たり前ながら腸を健康に保つということが重要になってきます。大腸の上に位置する小腸には、全身の約70%もの免疫細胞が集まっていると言われています。この免疫細胞を活性化することが、大腸の健康だけでなく、全身の健康を維持することに繋がってくると言えるのです。

食物繊維は、腸内を健康に保つための酪酸を生み出す腸内細菌のエサになると言われています。一方、高カロリー食や肉類は、消化吸収する際に胃腸に大きな負担をかけるだけでなく、腸の壁にこびりついて便秘の原因となり、結果的に免疫を低下させます。普段から食物繊維を多く含んだ食生活を心がけることで、腸内細菌が活発になり、免疫力が上がるので、病気になりにくい体になります。

また、発酵食品の摂取も、腸の働きを活発にするとされています。発酵食品には、腸に有用な生きた菌が多く含まれています。味噌や醤油、ヨーグルトや漬物、納豆といった発酵食品を摂取すると、腸内の善玉菌に味方して腸内環境を活発化したり、熱や胃酸によって死滅した菌でも善玉菌のエサになるなどして働いてくれるため、総じて腸内環境を改善するのに役立ちます。

そして適度な運動も、腸内美化のためには欠かせない条件となります。当たり前のようですが、体が動かなければ腸内も動きません。ウォーキングやスロージョギング、ストレッチなどの軽度の運動を定期的に続けることで、腸内の運動も活発化されます。活発化されれば免疫力も上がって便秘解消にもなりますし、体内の老廃物がスムーズに排出されますので体がキレイになります。毎日とはいかずとも、週に3~4回程度続けるだけでも体は健康方向に向き始め、病気の予防に役立ちます。

大腸と腰痛まとめ

ここまで、大腸がん・憩室炎と腰痛の関係性について見てきました。大腸がん・憩室炎ともに自覚症状に乏しく、日々忙しく過ごしている私達現代人にとっては見過ごしてしまいがちです。ぎっくり腰や不良姿勢などの明らかな原因なしに腰痛を感じたら、ただの腰痛だからといって軽く捉えず、痛みの程度やその他の症状などに気を配り、いつもと違う体の状態に気づいたら、早めに医療機関を受診するなどして、自分の体は自分で守っていくよう心掛けましょう。

参考:便秘と腰痛の関係性 小林製薬

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腰痛メディア編集部
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