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私達人間は、毎日座ったり立ったりして動いています。毎日の生活の中で、動きの要となるのは腰部とそれを支えている骨盤です。この骨盤がずれたり歪んだりすることで、上半身にも下半身にも様々な悪い影響が出てきます。

また、女性は「妊娠・出産」という、自分の体を大きく変化させるイベントがあり、男性に比べて筋肉量も少ないことから、骨盤が歪みやすいとも言えます。骨盤の歪みが取れてくると、体の機能も正常に戻って腰痛やその他の症状も改善されるということから、近年では骨盤矯正という治療法がメジャーになってきています。

今回は、骨盤の歪みと腰痛の関係、それらが及ぼす体への影響について見ていきます。

実は重要だった!骨盤の役割

骨盤は上半身と下半身をつないでおり、上半身を支え、下半身をスムーズに力強く動かすために365日働いています。また、骨盤の中には膀胱や生殖器といった重要な臓器も入っており、それらを守る役割もあります。

体を真っすぐにしているつもりでも、毎日の生活習慣の中で体は自然に歪んできます。その歪みでバランスを保ち、痛みも出ず元気な時は問題ないのですが、長い間蓄積された歪みは、確実に血液やリンパの流れを滞らせ、体のあちこちに「ひずみ」を作ります。

このひずみが、首の痛みや肩こり、頭痛、腰痛・股関節痛などの痛みとなって表れたり、便秘や下痢、冷え性や下半身のむくみとなって出てくると、日常生活を送るのがつらくなってしまいます。

また、私達は毎日生きていく中で様々なストレスを感じ、様々な動きをしています。人間はストレスを感じると交感神経が優位になり、戦闘態勢に入ります。すると心拍数が増加したり、体にギュッと力が入るのです。

無意識に力が入ってしまうので、この理屈をはじめから知っていたとしてもストレスを感じている最中に「よし、力を抜こう」と考えるのはなかなか難しいですよね。それに加えて、仕事や家事、育児、スポーツなどする中で、無理な姿勢を日々強いられています。

私達の筋肉はかなり馬力がありますので、無理な姿勢の繰り返しやストレスで硬くなってしまった筋肉に引っ張られて骨格や骨盤も歪んでしまうことがあります。

なぜ朝起きるときだけに腰痛が?骨盤の動きと筋肉の硬さが関係していた

妊産婦期の骨盤の歪み

お母さんの体は、出産に備えて数種類のホルモンが分泌され、骨盤周囲の関節や靭帯を緩めて骨盤が開きやすいよう準備します。妊娠時は赤ちゃんが大きくなるにつれて他の骨盤内臓器は圧迫されていきます。

ですが出産後は、一気に空間が空き、しかも骨盤内臓器を下から支えている骨盤底筋も緩んで弱っているため、臓器が正常な位置より下がってしまうことがあり、下腹が出てしまう、いわゆるポッコリお腹になる場合があります。

また出産で広がった骨盤はとても不安定になっています。出産後は自然に元に戻ろうとしますが、育児・家事などの重労働で暇なく動いていれば骨盤は不安定なままですし、骨盤底筋も弱っていますから骨盤はなかなか安定しません。

そんな生活の中で疲労やストレスも加わってきますから、育児や家事を日々こなして自分の体をケアしていくのはなかなか大変です。

きちんとしたケアができないままに大変な毎日を過ごしていると疲労やストレスが溜まり、これが姿勢の歪みや筋肉の硬直に繋がって骨盤も正しい位置に戻らないことがあります。これらを放置していると腰痛を始め、便秘・下痢・肩こり・下半身太り・むくみ・冷えなどの症状が起こるようになってしまいます。

また出産後はすべてのことが初めての経験で精神的にも緊張感のある状態となっています。緊張感のある状態だと痛みを感じるセンサーが鈍くなることがありますので、産後2ヶ月ほどたって生活に慣れてきて気持ちが少し緩んだ頃に腰痛を感じるようになってしまった、というケースも少なくありません。

自律神経と体への影響

体の中には、とてつもなく細かいルートで神経・リンパ・血管などが通っており、私達の生命を繋いでいます。骨盤が歪んでくると、それらのルートも歪んだ部分で圧迫されるなどして悪影響が出てきます。

例えるならば、非常に複雑な高速道路の一部で事故が起こった、というところでしょうか。 その中でも、自律神経は私達の体の全てに渡って生命活動を支配している重要な神経です。

心身を活動的にさせ日中に働く交感神経・心身をリラックスさせ夜に働く副交感神経があり、私達が意識してコントロールできるものではなく、体のリズムに合わせて自律神経が私達の体をコントロールしているのです。

骨盤の歪みなどが原因となって自律神経が乱れると、実に様々な症状が出てきます。気分の落ち込みや内臓のリズムが崩れることによって慢性の腰痛に繋がったり、排便も支配していますので、便秘になったり下痢になったりします。このように関連性のない複数の症状が同時に現れ、検査をしても異常がなく、原因不明であることが多いのです。

骨盤が歪むとこんな症状が出ることがある

自律神経の乱れ以外にも、以下のような症状が出ることがあります。

・脚の長さが左右で違う
・下半身がむくみやすい
・生理痛や生理不順がある
・足を組む癖がある
・下腹が出る

小さい症状としては、便秘・肌荒れ・下痢などが現れることもあります。

骨盤の歪みを整えるために

これまでご説明してきたように、骨盤が歪むと体の至る所に悪影響が出ます。逆に、骨盤を正しい位置に調整することができたならば、体全体の調子が良くなると言っても過言ではありません。では、便秘・下痢・腰痛・下半身のむくみや肩こり・頭痛など、女性に多く起こりがちな体の不調を改善するにはどうしたらよいのでしょうか?

骨盤を正常に戻すための施設として代表的なのは、骨盤矯正を取り入れている整骨院(接骨院)、整形外科、整体院などです。きちんとした治療院で正しい骨盤矯正を行えば、骨盤の位置だけでなく、体全体の調整が取れて体調も回復に向かうことが多いです。

また、治療院に行くことが難しい場合には、自分でできる骨盤体操などをやってみるのも良いでしょう。Youtubeなどで検索すれば専門家が推奨している骨盤体操の動画も見ることができます。

注意点としては、体操を実施する際には決して無理をせず、出来る範囲の可動域でやるということが大切です。体に無理をして痛みを伴う動きをすると逆に体を痛めてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

まとめ

ここまで、骨盤の歪みとその影響についてご紹介してきました。骨盤の歪みは自分ではなかなか気づくことが難しく、歪んでいるかもしれないと思った時には心身の至る所に様々な症状が出ているということも少なくありません。

気になる体調不良を感じるようになった際には決して我慢をしないことが大切です。

また、自分で対処できると思い込み、逆に間違った対処をして症状を悪化させる可能性もありますので、整骨院(接骨院)や整形外科、または信頼のおける整体院などで診てもらうことも選択肢に入れつつ、無理せずできる骨盤体操などを活用して自分の体と上手に付き合っていきましょう。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

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