GLP-1ダイエットをご存じですか？
実は、糖尿病のお薬を使ったダイエットなのです。
この記事では、GLP-1ダイエットの効果と注意点をお伝えします。
目次
GLP-1と糖尿病の関係
GLP-1は、食事をとるのに伴って消化管から分泌されるホルモンです。
分泌されたGLP-1は膵臓に作用して、インスリンを分泌させます。
そのため、GLP-1の分泌を促進するお薬(GLP-1受容体作動薬)が2型糖尿病の治療に用いられてきました。
GLP-1受容体作動薬がダイエットに効くのはなぜ？
このような糖尿病のお薬がダイエットに用いられるのはなぜでしょうか。
実は、GLP-1受容体作動薬は、インスリンの分泌を促進する以外にも以下のような作用を持つのです。
✓胃の動きを遅らせることで、満腹感が得られる
✓自律神経に作用して、食欲を抑える
実際、2型糖尿病の患者さんにGLP-1受容体作動薬を用いたところ、肥満の患者さんと肥満でない患者さんの両方で体重が減ったとの報告があります。
この効果をダイエットに利用したのがGLP-1ダイエットです。
日本では2023年の1月に、肥満症の患者さんに対してGLP-1受容体作動薬を用いることが、厚生労働省により許可されました。
副作用、注意点は？
一見便利なやせ薬に見えますが、副作用も比較的多くみられます。
特に飲み始めの数週間は、吐き気や嘔吐、下痢が生じる可能性があります。
また、GLP-1受容体作動薬は糖尿病の薬のため、頻度は低いですが低血糖を起こす可能性があります。
その場合、発汗、震え、意識障害など重篤な症状も起こりえるので注意が必要です。
さらに、膵臓炎や甲状腺がんなどのリスクもあるといわれています。
GLP-1受容体作動薬は、本来2型糖尿病に対して用いられる薬です。
2 型糖尿病でない日本人における安全性と有効性は確認されていません。
痩せたい、というだけで使用するのではなく、リスクを伴っていることを理解しましょう。
保険は効く？値段は？
GLP-1受容体作動薬が保険で使えるのは糖尿病と肥満症の治療のみ。
ダイエット目的での処方は自由診療のみとなっています。
よって、クリニックにもよりますが、1か月あたり2万円程度～が相場でしょう。
使用する場合はリスクを理解しよう
やせ薬として自由診療で処方されることが増えていますが、それなりの副作用もあります。
糖尿病学会も、このようなダイエット目的での使用に対して警鐘を鳴らしているのは事実です。
ダイエットの基本は食事と運動です！
それでもどうしても食欲が抑えられない、ダイエットの効果が出ない…という場合には、副作用や将来の健康へのリスクを理解した上で、自己責任で使用しましょう。
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