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あなたは1日にスマートフォンを何時間使用していますか?
また、その時はどんな姿勢で操作していますか?
もしかすると、スマートフォンのせいで「肩こり」や「腰痛」で悩んでいませんか?

現在、毎日の生活においてスマートフォンは生活とは切っても切り離せない、必要不可欠なツールとなりました。
とある調査によると、なんと2020年のスマートフォンの普及率は77.6%、タブレット型端末は35.2%と高い普及率を誇っており、今後も一層に増加傾向だろうと予測されています。
また、スマートフォンの平均操作時間は、男性よりも女性が多い傾向にあり、多い方では「10時間以上」と回答しているのです。

しかしながら、スマートフォンは私たちの生活を便利にしてくれた反面で、「スマートフォン症候群」と呼ばれる症状が出現し、日常生活に影響をきたしている方が増えてきています。

そして、この「スマートフォン症候群」こそが「腰痛」を誘発する要因のひとつとして、いま問題視されているのです。

あなたはスマートフォン症候群?

さっそくですが、あなたはこちらの項目にいくつ当てはまりますか?

● スマートフォンを使うと肩こりや首の痛みがある
● 猫背になっている
● 目が疲れやすい
● 頭痛がある
● 腰が痛くなってくる
● 1日に1時間以上スマートフォンをいじっている
● 姿勢があまり変えずに長時間操作している

もし1つでも心当たりがあれば、あなたは「スマートフォン症候群」かもしれません。

このスマートフォン症候群とは、一般的にスマートフォンの長時間使用によって起こる肩こりや眼精疲労などの身体症状や、気分の落ち込みなどの精神症状など、さまざまな心身症状が引き起こされると言われています。

そして今回の記事では、「身体症状」にフォーカスをあて、腰痛との相関関係をご紹介しています。実はあなたの腰痛にも、この「スマートフォン症候群」が関係あるかもしれません。

スマートフォン症候群と腰痛の関係

こちらの章では、スマートフォン症候群と腰痛の関係を読み解いていきます。
まずは解剖学的な知識からおさらいしていきましょう。

わたしたちのからだの仕組み

わたしたちのからだの中心には、大事な神経が通る「脊椎」という骨の柱があります。
よく一般的に言われる「背骨」に当たる骨のことですね。

この脊椎は「椎体」と呼ばれる32~35個(個数は個人差あり)の骨が組み合わさって構成されており、頭側から「頚椎(7個)」「胸椎(12個)」「腰椎(5個)」そして「仙骨」「尾骨」と構成されています。

そして脊椎は、頚椎は前湾、胸椎は後弯、腰椎は前湾、仙骨と尾骨は後弯というS字状のカーブを成しています。このカーブは「生理的湾曲」とも呼ばれ、このカーブのおかげで4~6kgもの重さがあるヒトの「頭」を支えることができています。つまり、カーブがあることで脊椎にかかる重力の負担を分散できているということなのです。

スマートフォン症候群が「腰痛」を引き起こす原因

続いて、なぜスマートフォン症候群が腰痛を引き起こすのか、その原因を分析していきます。

ストレートネックが助長される

スマートフォンを操作する姿勢は、頭が前のめりになり、画面を覗き込むような姿勢になります。これによって頚椎の生理的前湾が消失し、ストレートネックが助長されるのです。
ストレートネックになると、頸部の筋肉が緊張し、頚部痛や頭痛、肩こりといった症状を招きます。頭の重さはいわばボーリングの玉の重さと同等とも言えますから、そう考えると首には計り知れない負担がかかっているということです。

そして、頚椎の前湾状態が続くによって、そのまま猫背も助長されます。
猫背の状態の時は肩甲骨周囲の筋肉が緊張し、肩こりが起こります。
しかし実は猫背は肩こりだけではなく、骨盤が後ろに傾き、これによって腰背部の筋肉が引き伸ばされて腰回りの筋肉が緊張状態になるのです。

筋肉の緊張状態とは、筋肉が常に引き伸ばされてる、すなわち「筋肉が常に休まらない状態」ともいえます。この緊張状態が長時間続いた場合、筋肉はどんどんこわばっていき、始めは軽い程度の腰痛であったはずなのに、気付いた時には日常生活に支障をきたすレベルになっていくこともあります。

足を組むことで腰椎に負担がかかる

他にも、スマートフォンを操作している時に「足を組むこと」も腰痛を助長する原因のひとつとして考えられます。実は、足を組むことによって骨盤が傾いてしまい、腰椎が側弯した状態を引き起こしてしまうのです。側弯とは脊椎が横に凸状に変形することを指します。
腰椎が側弯することで、周囲の筋肉が本来の安静時とは違う方向に引っ張られ、緊張状態になってしまいます。これによって腰椎が歪み、腰痛が悪化するケースも十分に考えられます。

不安定な座面での操作で骨盤が後傾する

あるいは、座面が安定していない場所でのスマートフォン操作も、腰痛を悪化させる原因のひとつとして考えられます。
実は柔らかい座面のソファーや、ベッドの上で過ごすことは腰への負担が大きいのです。
座面が柔らかい場合、前述にもあるように骨盤が後ろに傾いてしまい、腰背部の筋肉が引き伸ばされて、腰回りの筋肉が緊張状態に陥ってしまうのです。
こういった環境で長期的にスマートフォンを操作しているとするならば、いずれ腰痛が悪化する可能性は十分に考えられます。

自律神経が乱れて腰痛が悪化する

スマートフォンを操作すると、交感神経が優位になります。
交感神経とは、動物が敵に襲われたり獲物に向かったりするときに働くとされる、身体の活動が活性した時に働く神経です。一方、副交感神経は睡眠時やリラックスしている時などに働く神経とされています。
長時間のスマートフォン操作は交感神経を優位にさせると言われており、これによって筋肉は緊張し血管が収縮するため、肩こりや腰痛につながるとされています。

このように「スマートフォン=肩こり」というイメージが一般的に強いのですが、実はスマートフォンの長時間操作は「腰痛」とも密接な関係があったのです。

このまま腰痛を放っておくとどうなるの?

「まだ軽度の腰痛だから大丈夫」「まだ若いから平気だろう」と、楽観的に考えていたり、油断したりするならば、少し危険かもしれません。
仮にもしこのまま腰痛を放っておくと、将来的にどのようなリスクがあるのでしょうか?

便秘や胃腸の不調の原因になる

姿勢が悪い状態だと、内臓や筋肉が、本来あるべきポジションにからずれてしまいます。
これによって臓器の機能が低下してしまい、内臓機能障害を引き起こす可能性があるのです。消化不良や、お通じが滞ってしまうことも十分に考えられます。
また、ダイエットをしている方の場合は、痩せにくく太りやすい体質を助長することもあるでしょう。

倦怠感やイライラがとれなくなる

猫背の状態になると、背中が丸まり、肺が十分に広がらなくなってしまいます。
酸素を十分に取り込めないとなると、からだで最も酸素を必要とする「脳」に十分に供給することができず、酸素不足となってしまうことがあります。
これによって注意力が散漫になったり、イライラしたりと、精神状態にも悪い影響を及ぼす可能性があるのです。また、酸素が十分に供給されないことで、「なんとなくダルい」という倦怠感を感じる方もいるかもしれません。

腰や脊椎の病気を引き起こす可能性がある

長期的に好ましくない姿勢をとっていると、自分でも気づかないうちに、からだのどこか一部の筋肉や靭帯を酷使している可能性があります。
これによって、将来的に「椎間板ヘルニア」や「ぎっくり腰」、「腰部脊柱管狭窄症」など様々な病気を引き起こす可能性が高くなることもあるのです。
もしかすると手術の必要や、長期的なリハビリが必要な病気になるかもしれません。
手術となると身体的、そして金銭的にも大きな負担がかかります。
今は平気かもしれないけれど、将来的にどうなるかわからないのが腰痛です。

いまからできる5つの腰痛対策

姿勢に対する意識を少しずつ変えていくだけでも、長期的にみて大きな効果が期待できます。これからご紹介するたった5つのことを取り入れるだけでも、きっと腰痛の軽減に役に立つはずです。

スマートフォンを操作する位置を高くしよう

胸の前、あるいはお腹の前など、低い位置でスマートフォンを操作することは避けましょう。低い位置で操作すると、前述でもお伝えしたように首が前傾してしまい、ストレートネックを助長してしまいます。ストレートネックにならないためにも、できるだけ「目線に近い位置」で操作するように心がけてみましょう。
自宅やオフィスでは机の上に肘をついてスマートフォンを持つことで、楽に目線に近い位置で操作できます。電車などで操作する時には、肘をお腹の脇に固定するのもオススメです。

座面の硬いところで操作しよう

座面が柔らかいと骨盤が後ろに傾いてしまい、腰背部の筋肉が引き伸ばされ、筋肉がこわばってしまいます。そのため、柔らかい座面で長時間操作することは避け、できるだけ硬い座面の環境で操作するように心がけましょう。
床や畳に腰をかけて操作することもオススメですし、もし金銭的に余裕のある方は骨盤サポートチェアなどを導入してみてもいいかもしれません。通販や雑貨屋さんで購入できるので、まずは店頭で試してみることもできます。座面が安定することで腰背部への負担が軽減できるので、ぜひ試してみてください。

長時間の使用を避けよう

スマートフォンの長時間の連続使用を避けましょう。
長い間、同じ姿勢をとっていると筋肉がこわばり、腰痛の原因となります。
「まずは30分」と自分で時間を決め、タイマーなどを設定することをオススメします。
特にすることもないけどダラダラとスマートフォンを使ってしまう、という方もタイマーを設定すればメリハリをつけやすいので、ぜひ試してみてください。

椅子に座るときはしっかりと足を閉じてみよう

椅子に座っている時に足を大きく広げてしまってはいませんか?
実は、足を大きく広げると骨盤が後ろに傾き、腰背部に負担がかかってしまうのです。
そのため、椅子に座って操作する場合は両膝をしっかりとつけ、内もも同士を合わせて座るように心がけてみましょう。そうすると骨盤が起き上がり、腰背部に負担をかけない座り方になります。
もし両足を閉じて座るのが大変、あるいは苦手であれば、腿の間にクッションを挟んで座ってみましょう。クッションを落とさないように座ることで同等の効果が得られます。この座り方は、太もも痩せを目指している女性の方にもオススメです。ぜひ試してみてください。

首と腰のストレッチをしよう

こわばっている首と腰のストレッチをしっかりしてあげましょう。首を前後に傾けたり、回したりするだけでも効果があります。頭の後ろの首の付け根を押して、目線は天井を見上げるストレッチもオススメです。
腰のストレッチは立ち上がって、上体を後ろに反らしたり、左右両方向に腰を回したりしてあげましょう。横になってのストレッチが可能な方は、仰向けに寝転び、膝を両手で抱えてあげることで、こわばった腰背部を伸ばすことができます。
他にも、手軽にできるおすすめの運動は「ラジオ体操」です。ラジオ体操は約3分間の間に様々な要素を含む運動が取り入れられているので、手軽に取り入れられる運動としてオススメです。

毎日の生活に簡単に取り入れられる腰痛対策をご紹介させていただきました。
いきなりすべてを実行するのは大変かと思いますので、ご自分が取り組みやすいものから始めてみてはいかがでしょうか?

腰痛ドクターをつかってみよう!

ここまで読んでみて、あなたの腰痛の悩みは少しでも解決しましたか?
実は今、病院に受診する前に、簡単にスマートフォンで腰痛の診断ができるアプリがあるのです。
それがこの「腰痛ドクターアプリ」です。
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よろしければぜひチェックしてみてくださいね。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

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