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腰痛の不快な痛み、何とかしたいと思ったことはありませんか。
腰痛改善のための運動などはよく目にしますが、腰痛改善の食事があることはご存じでしょうか?

もちろん、それを食べたからといって直接腰痛が治るというわけではありませんが、食事により骨を強くしたり、筋肉を強くしたりすることで、腰痛改善の助けとなります。

この記事では「なぜ腰痛になるのか」「腰痛改善のための食事とは」「腰痛改善レシピを紹介」を通して、腰痛の理解を促進し、腰痛を改善する栄養素と食事を解説します。

なぜ腰痛になるのか

人はなぜ腰痛になるのでしょうか。それは人間の直立歩行が腰に大きな負担をかけるから、とも言われています。4本の足で体を支えている動物は、上体の重みを腰だけで支えているのではありません。しかし人間は、上体の重みが腰に集中するのです。

国によって「腰」を示す範囲が違うそうですが、日本では腰椎のあるあたり、つまりウエスト部分の背中の方を「腰」と呼ぶのが一般的です。

この辺りには骨、筋肉、神経があり、このどこかに異変が生じると痛みやしびれなどの症状が現れます。

腰痛全体の8割以上が、はっきりと原因が特定できない腰痛です。しかし、筋力が低下して、上体の重みを支えきれなくなると腰に負担がかかりますし、長時間同じ姿勢を取るなどの日常生活の姿勢も確実に腰に影響します。

筋力の低下などが影響

加齢とともに腰痛を自覚する人の割合は増えてきます。その原因の多くが腰周辺の筋肉の衰えです。筋力の衰えに加えて、筋肉のこわばりやこり、血流減少などが重なり合って症状が出ています。

筋力が低下すると体のバランスが崩れます。すると、体の一部の筋肉に負担がかかり、その筋肉が萎縮しはじめるのです。そのために神経が刺激や圧迫を受け、痛みやしびれが生じます。

筋力の低下を防ぐためには運動と食事が大切です。筋力の低下を防いだり、筋肉を柔軟に保ったりすることは腰痛の予防改善に効果を発揮します。

腰に負担がかる姿勢が影響

腰痛を感じる多くの人が、仕事や普段の生活の中で、腰に負担をかけています。重いものを扱う仕事や、長時間の運転、立ちっぱなしの仕事、その逆で座りっぱなしの仕事、すべて腰に負担がかかります。

また、妊娠・出産、太りすぎ、運動不足も腰によくありません。激しいスポーツや、腰をひねるスポーツも腰を痛めやすいです。家事もほとんどが前かがみになってするので腰周囲の筋肉に負担をかけます。

妊娠・出産は仕方がないのですが、それ以外の場合は長時間同じ姿勢を取ったりせず、こまめに休憩を入れたり、軽く体操したりして、姿勢をかたまらせないようにしましょう。

腰痛になったときの保存療法とは

腰痛を訴える人は多いですが、その中で原因を特定できる腰痛は15%しかありません。残りの85%の人は、腰痛を感じていてもはっきりした原因は不明なのです。

骨や筋肉、または臓器に異常がみられないけれども、痛みやしびれは感じる、このような原因が特定できない人たちに対しては、手術をしない治療法(保存療法)を行います。

保存療法の中にはコルセットなどを装着する「装具療法」、温熱やけん引、低周波電気刺激などの「物理療法」、ストレッチや体操などの「運動療法」、薬で痛みを和らげる「薬物療法」、神経に麻酔をかける「ブロック療法」などがあります。

腰痛を感じる人は、自分で改善のための努力をしていることでしょう。先ほど説明した保存療法の中でどれかを実践しているかもしれません。それに加えて、今日から「食事療法」も取り入れてみてはいかがでしょうか?

慢性腰痛が長引く原因

痛みが長引く原因としては、精神的ストレスが関係しているのではないかとされています。近年、痛みをコントロールする脳のメカニズムであるドーパミン系が解明されてきました。

腰から痛みの信号が脳に伝わると、脳はドーパミンという神経伝達物質を放出します。これは、私たちが感じる痛みを軽減しながら、私たちを守ってくれる脳が本来持っている機能です。

ドーパミンが放出されると、脳はμ-オピオイドという物質を大量に放出します。μオピオイドが放出されると、セロトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質が放出され、痛みの信号を脳に伝える経路が遮断されます。

この一連の流れが、基本的に腰痛をコントロールする方法です。 しかし、日常的にストレスを受けていると、脳内の物質のバランスが崩れ、このシステムがうまく働かなくなることがあります。すると、脳からドーパミンが放出されにくくなり、腰痛が長引いたり、ちょっとした痛みにも敏感になったりします。さらに痛みがストレスとなり、ドーパミンの分泌量がさらに減り、慢性的な痛みの悪循環にも陥ってしまいます。

これに加えて、筋力の低下や神経も腰痛の慢性化に関与しているとされます。例えば、腰痛のために不自然な姿勢で長時間動けない状態が続いたり、痛みへの不安から不自然な姿勢でいたりすると、筋肉が硬くなり腰痛が長引いてしまいます。

また、末梢神経からの痛みの信号を受け取る中枢神経が興奮したままだと、病気やケガが治った後も痛みの信号を脳に送り続けたり、痛みを伴わない刺激を誤って痛みの信号として使ってしまったりすることがあります。腰痛は動けない状態が続くと、さらに精神的なストレスも重なり、最初の状況へもどるという腰痛の堂々巡りを繰り返すことにもなりかねません。

腰痛改善のための食事とは

腰痛改善の食事というのはどういうものがあるのでしょうか。腰痛になる原因は様々ですが、原因が何であろうと骨を強くしたり、筋肉を強くしたり、疲労回復ができる食事をとれば、腰痛改善の助けになるはずです。

体は食べたものからできています。私たちは毎日3回食事をします。その食事に腰痛に効果のある食材を取り入れるのと、何も考えずに食べるのとでは、結果は違ってくるでしょう。骨や筋肉を強化しようと思えば、強化できるような栄養素の入った食事をとることをおすすめします。

それではどのような食事が、そのような効果があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

骨を強くしよう

骨を強くする栄養素はカルシウム、ビタミンD、マグネシウム、ビタミンK、ビタミンB12などがあります。

カルシウムを多く含む食べ物は、いわし丸干し、しらす干し、干しエビ、シジミ、生揚げ、納豆、木綿豆腐、小松菜、干しワカメ、乾燥ヒジキ、チンゲンサイ、いりごま、牛乳、ヨーグルトなどです。

ビタミンDを多く取りたいときには、いわし丸干し、サンマ、カレイ、サケ、しらす干し、ブリ、干しシイタケ、きくらげなどを食べるといいでしょう。ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めるので、カルシウムが多く含まれている食べ物と一緒に食べましょう。

ビタミンKを多く含むのは、ブロッコリー、キャベツ、にら、小松菜、モロヘイヤ、ほうれん草、納豆、干しワカメ、鶏もも肉などです。ビタミンKは吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けます。

筋肉を強くしよう

筋肉を強くする栄養素はタンパク質です。その他にも、ビタミンDはカルシウム吸収を促して骨を強くするとともに、筋肉の合成を促す働きもします。また、タンパク質を自分の体に作り替えるサポートをするのがビタミンB6です。

タンパク質は肉、魚、大豆製品、卵、乳製品に多く含まれています。ビタミンB6が含まれているのはマグロ、カツオ、レバー、バナナ、コメ、ゴマなどです。

疲労回復しよう

ストレスや疲労回復に効果があるのはビタミンB群、ビタミンCです。

ビタミンB1を多く含むのは、豚肉、レバー、牡蠣、海藻類などです。ビタミンB12を取ろうと思えば、シジミ、アサリなどの貝類、魚卵、小魚などを食べましょう。

腰痛があるときに食べてはいけないもの

白米・パン類・麺類・スイーツなどのように、糖類が多い食べ物はあまり良くないと言われています。腰痛がひどい時期には控えるようにしましょう。

腰痛改善レシピを紹介

それでは、先ほど紹介した食材を使った、腰痛に効くレシピを3つご紹介します。

カルシウムとビタミンDで骨強化ふりかけ

材料は、干しシイタケ2枚、桜エビ5グラム、ごま少々、塩少々です。

干しシイタケとサクラエビを手で細かくし、フライパンで4~5分煎りましょう。フードプロセッサーにかけて、より細かくし最後にゴマと塩を混ぜます。フードプロセッサーがない場合はすり鉢ですっても大丈夫です。

ご飯にかけてもいいですし、納豆や豆腐にかけるのもおすすめです。

肉と卵で筋肉強化

材料は、ささみ3本、卵2個、生姜1かけ、鶏がらスープの素小さじ1、塩少々、水500cc、ゴマ適量です。

ささみを少し小さめに切りましょう。鍋に水を入れ、鶏がらスープの素を加えて沸騰したら生姜とささみを入れます。弱火にし、4~5分加熱しましょう。塩を入れ、溶いた卵を回し入れ出来上がりです。食べる前にゴマを適量ふりましょう。

血の巡りをよくするお茶

材料はシナモン、黒豆、生姜です。

シナモンは血行を促進して冷えを解消してくれます。黒豆は血液を補ってくれますし、生姜には高い鎮痛作用があります。この3つを組み合わせたお茶が冷えを解消して血の巡りをよくしてくれるでしょう。

シナモンと、煎った黒豆と、生姜を1:2:1の割合でブレンドして、お湯を注いで3分蒸らせば出来上がりです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?腰痛予防改善には腰椎やその周りの筋肉を強化することが欠かせません。食べ物で体の中から骨や筋肉をサポートできますので、これから毎日の食事に気を付けて腰痛の改善を促進していきましょう。

◆参考著書
飯田薫子,一生役立つきちんとわかる栄養学,西東社,2019年06月

腰痛に効く食べ物11選!腰痛を自宅で治したい方必見

著者情報

腰痛メディア編集部
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