腰痛と手足の冷えは密接に関係しています。例えば、クーラーが気になる夏場や気温が低い冬場には、体の冷え性が原因で腰痛が悪化する人が多いです。また逆に腰の病気が原因で足の冷えが引き起こされるケースもあります。
今回は腰痛と手足の冷えの関係を詳しく解説します。それぞれの症状を改善する方法や、腰痛と手足の冷えを根本から解消したい方におすすめのオンラインサービスもご紹介するので参考にしてください。
目次
手足の冷えからくる腰痛がある
体が冷えると腰痛が悪化し、入浴などで温めると楽になるという自覚がある場合、その腰痛は冷えから来ている可能性があります。腰痛の代表的な原因は血行不良です。冷えは血流を悪くするので、腰痛を引き起こします。
特に足の冷えは腰痛に直結する因子です。心臓と足をつなぐ血流の中間には腰があるため、足が冷えると腰も冷えてしまいます。手の冷えと腰痛はダイレクトには関係していませんが、手が冷える状況では足を含め全身が冷えてしまうことが多いので、やはり腰痛と手足の冷えには深い関係があります。
冷えからくる腰痛の症状を改善する方法
手足の冷えからくる腰痛を改善するには、体を温めて冷えを解消することがおすすめです。スカートやパンツの下にスパッツやタイツを着用したり、ストールやブランケットを使ったりして体を冷やさない工夫をしましょう。腰にカイロを張ったり、腹巻きをしたりするのも有意義です。
また食べ物や飲み物にも気をつけましょう。きゅうりやナス、アサリなど、体を冷やすと言われている食べ物は腰痛がひどい時には避けるべきです。冷たい飲み物も飲まない方が良いでしょう。カボチャやニンジンなどの暖色系の食べ物、納豆やぬか漬けなどの発酵食品は体を温めると言われているのでおすすめです。
体を温めるのには入浴も効果的です。ただし、熱いお湯に一瞬浸かったり、シャワーをさっと浴びたりするだけでは体は十分に温まりません。ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、体を芯から温めましょう。
長時間同じ姿勢が続く場合は適宜ストレッチをする
仕事で座りっぱなし、立ちっぱなしという方も多いかと思いますが、ずっと同じ姿勢を続けるのはよくありません。血流が悪くなって腰痛と手足の冷えの原因になってしまいます。そのため、長時間同じ姿勢でいなければならない時は、定期的にストレッチや軽い運動の機会を設けましょう。
時々立ち上がって伸びをしたり、少し歩いたりすると血流を改善し、筋肉をほぐすことができるので、腰痛や手足の冷えを予防できます。
ストレス対策をすることも重要
腰痛及び手足の冷えを改善・予防するには、ストレス対策もしっかり行う必要があります。なぜなら過度なストレスによる自律神経の乱れは、腰痛と手足の冷えの両方の原因となり得るからです。
腰痛全体の約8割に当たる非特異的腰痛は、心理的・社会的ストレスに起因することが多いと言われています。また手足の冷えはストレスなどが原因である自律神経失調症の主な症状の一つです。
よって時には十分に休息をとり、好きなことをしてリフレッシュする時間も確保しましょう。腰痛や手足の冷えの症状がひどくなっていくと、症状それ自体がストレスになってどんどん悪化していく可能性もあるので、働きすぎや不満の溜め込み過ぎなどの無理は禁物です。
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坐骨神経痛が慢性化すると足冷えを引き起こす
ここまで冷えが腰痛を引き起こすケースを解説してきましたが、反対に腰痛(の原因となる病気)が冷えを生じさせることもあります。具体的には、足にしびれや痛みが起こる坐骨神経痛が慢性化したり、重症化したりすると、片側の足が極端に冷えるという症状が起こり得ます。
これは坐骨神経痛の原因となっている腰やお尻の筋肉のこり、腰椎の変性などが交感神経にも作用し、血行不良が起こるからだと考えられます。通常の手足の冷えであれば、冷えた部分を温めることで改善されますが、坐骨神経痛からくる冷えの場合、温めだけでは十分に改善しません。
また高齢者の場合、坐骨神経痛に閉塞性動脈硬化症が合わさって、手足の冷えの症状がさらにひどくなるケースもあります。
坐骨神経痛の原因となる腰の病気
坐骨神経痛(片側の足のしびれや痛み)を引き起こす腰の病気としては、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症などが挙げられます。椎間板ヘルニアは脊椎でクッションの役割を果たしている椎間板が変形・突出し、神経を刺激することで痛みやしびれを生じさせる病気です。20〜40代によく見られます。
脊柱管狭窄症は黄色靭帯の肥厚や椎間板の変形などによって、神経が通う脊柱管が狭くなって痛みやしびれが起こる疾患で、こちらは中高年に多いです。腰椎のずれによって症状が出る腰椎変性すべり症は、中年以降の女性がよく発症します。これらの病気は、適切な手術や運動療法を行わないと治らない場合があります。
また椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症よりも確率は低いものの、脊椎や脊髄、骨盤のがんや梨状筋症候群も、坐骨神経痛を発症する病気です。
閉塞性動脈硬化症の可能性もある
高齢者の場合、足の冷えや痛み、しびれは閉塞性動脈硬化症が原因の可能性があります。この病気の特徴は、歩くと症状が悪化し、少し休憩すると再び歩けるようになるという「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という性質です。これは腰部脊柱管狭窄症にも見られますが、閉塞性動脈硬化症の場合は重症化すると足を切断しなければならないケースもあるので注意しましょう。
また足に動脈硬化がある場合、脳や心臓でも動脈硬化が見られるケースが多いという点も不安材料です。足の冷えやしびれが気になる場合は、早めに医療機関を受診するのが良いでしょう。特に50歳以上の男性は発症の確率が高いので気をつけてください。
坐骨神経痛からくる冷えの症状を改善する方法
慢性的な坐骨神経痛に付随する足の冷えを解消するには、腰や臀部、足の筋肉をマッサージや指圧でほぐすのがおすすめです。筋肉の凝りは血流を阻害し、冷えの原因となるので、筋肉をほぐして血行を改善すれば、冷えはましになります。
またウォーキングなどの軽い有酸素運動やストレッチも血流及び冷えの改善には効果的です。
腰痛と手足の冷えを根本的に解消するには?
腰痛と手足の冷えを完全に治すには、自らの体の状態を正しく把握し、適切な処置を行うことが必要です。特に坐骨神経痛が冷えに結びついている場合は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の可能性もあります。程度によっては手術や筋トレ・ストレッチなどの運動療法でしか治らないケースもあるので、専門家に診断してもらうのが一難です。
<冷えを伴う腰痛は専門家に診てもらうのが良い>
手足の冷えからくる腰痛は、体を温める工夫をすることによって改善することができます。一方で腰痛に冷えが付随する場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、その他の病気の可能性があるため、注意が必要です。根本から改善するには専門家に診てもらうのが良いでしょう。
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腰痛の原因は手足の冷え?原因と対策をご紹介