「アロマ」とは、植物由来の香りのこと。上手く取り入れることで、腰痛の元となる不調を緩和することができます。
「香りで痛みがやわらぐの!?」と驚いた方も多いかもしれませんね。
なぜアロマが心身に作用するかというと、鼻と皮膚を通して体内に取りこむことができるから。
それぞれ脳や血管、リンパへと行き渡り、心身に効果を発揮するのです。
今回は腰痛の原因となる諸症状を緩和するアロマについて解説します。
ご自身の腰痛の原因を理解し、それを改善するアロマを探しましょう。
目次
まずは腰痛の原因を知る
一口に「腰痛」と言っても、その原因は様々。そのため、痛みの原因を理解せず闇雲に治療をしても、なかなか改善には至りません。
まずはなぜ腰が痛むのかを把握しましょう。
また、アロマの力で改善されるのは、筋肉や血流、ストレス由来の腰痛です。
代表的な事例を紹介しますので、心当たりがないかチェックしてみてください。
血流の悪さ
腰痛の原因として多いのが、血行不良です。
筋肉の凝りや姿勢の乱れから血流が悪くなると、腰に痛みが出ることがあります。
血流が悪くなると体が冷え、さらに筋肉が凝り固まるという負のループに陥ることも。
姿勢が悪い方や凝りを感じている方、または冷え性の方は血流の悪さが腰痛の原因かもしれません。
凝り、筋疲労
肩や首の凝りも、腰痛の原因として多く挙げられます。
デスクワークが続いたり、連続的なスマートフォンの操作が原因で上半身が凝り固まっている人は少なくありません。
体が凝ると血流が悪なり、冷えによる腰痛を招く可能性も高いです。
長時間同じ姿勢を取ることが多い方は、腰痛の原因として凝りを疑ってみてください。
また、運動や立ち仕事による筋肉の疲労も腰痛の原因になり得ます。
日常的に体を動かす人は、オーバーワークになっていないか観察してみましょう。
ストレス、自律神経の乱れ
ストレスによる自律神経の乱れも、腰痛を引き起こすと言われています。
腰痛を抱えている方のうち、仕事や人間関係でストレスを感じている方や、季節の変わり目などで体調を崩している方は自律神経の乱れが腰痛に関与しているかもしれません。
また、イライラする、不安に駆られる、夜眠れないという症状がある方も自律神経が乱れている可能性が高いです。
原因別おすすめのアロマ
アロマの効果はそれぞれ異なります。改善したい症状に合うものを積極的に取り入れましょう。
冷えに効くアロマ
ブラックペッパー
「黒胡椒」として馴染み深いブラックペッパーは、実はアロマとしても活用されます。香りはピリッとしたスパイシー系。
体を温める作用に長けているため、冷え性の方にはとてもおすすめです。筋肉のこりをやわらげる効果もあります。
ジンジャー
「生姜」として身近なジンジャーも、冷え性の改善に効果的なアロマです。こちらもスパイシーな香りが特徴的。
加温作用のほかに血行促進作用もあり、体を内側からも外側からもポカポカと温めます。
血流が良くなれば体の凝りも解消されるため、腰痛の改善にはもってこいのアロマといえるでしょう。
オレンジ
果物のオレンジはアロマとしても有名です。フルーティーで馴染みやすい香りなので、アロマ初心者でも取り入れやすいでしょう。
血行を促進する効果があり、冷えだけでなく凝りの緩和にも効果的。リフレッシュ効果が高いのでストレスの緩和にも役立ちます。
痛みに効くアロマ
マジョラム
マジョラムとは、シソ科の植物の一種。ほのかにウッディーなハーブ系の香りです。
痛みを鎮める働きがあり、筋肉の凝りや痛みをやわらげる効果があります。
香りとして取り入れるだけではなく、マジョラムのエッセンシャルオイルで腰のマッサージをするのもおすすめです。
クラリセージ
クラリセージとは、南ヨーロッパが原産の多年草。白やピンクなど様々な色の花を咲かせる植物で、エッセンシャルオイルにするとやや甘いハーブの香りがします。
鎮痛作用に優れているほか、女性ホルモンに似た成分が含まれているため、PMSや生理痛による腰の痛みにも効果的です。
ローズマリー
ローズマリーはフレッシュなハーブ系の香りが印象的なアロマです。
古くからリウマチなどの痛みをやわらげるために用いられており、痛みの緩和には非常に効果的。
血行を良くする効果もあるため、腰痛を一時的に緩和するだけでなく根本からの改善にも効果を発揮します。
ラベンダー
よく耳にすることがあると思います。フローラルで万人受けする香りです。とても優れた鎮静作用を持っており、痛みの緩和とともに血液循環を促してくれます。
サンダルウッド
木の温もりを感じられる香りです。優れた鎮静作用で腰痛を緩和してくれます。皮膚細胞の成長を促す作用もあるので、乾燥肌にも向いています。
自律神経を整えるアロマ
ラベンダー
ラベンダーは最もポピュラーなアロマ。ラベンダーの香りは痛みを和らげるだけでなく、副交感神経を優位にする作用があるため、心身のリラックスに非常に効果的です。
自律神経が乱れている人の中でもイライラ感が強い方や眠れない方は、交感神経が優位になっている可能性が高いので、積極的に取り入れると良いでしょう。
ヒノキ
ヒノキとは浴槽などに用いられる「檜」のこと。日本人に馴染みの深い、すっきりとしたハーブ系の香りです。
ヒノキの香りに含まれる成分も、副交感神経を優位にするのに効果的。交感神経が活発になっていそうな方は積極的に取り入れてみてください。
ラベンダーとも馴染みがいいため、ブレンドして使うのもおすすめです。
ベルガモット
ベルガモットはミカン科の植物。やや甘い柑橘系の香りが印象的なアロマです。
ベルガモットには鎮静作用があり、精神的なストレス・疲労緩和に高い効果を発揮します。そのため、ストレス由来の腰痛をやわらげるのにとても効果的です。
アロマ取り入れ方
アロマを取り入れるに当たって、まずは「エッセンシャルオイル(精油)」を手に入れましょう。
エッセンシャルオイルとは、植物の葉や茎などから抽出したエキスのこと。
天然成分100%なので、少し薄めれば肌に直接塗ってもOKです。物によっては口から取り入れることもできます。
注意して欲しいのが、エッセンシャルオイルとよく似た「アロマオイル」という存在。
アロマオイルは合成香料が含まれているものなので、香りは同じでもエッセンシャルオイルと同じ効果を期待することはできません。
エッセンシャルオイルかアロマオイルかはパッケージに明記されていますので、購入の際は必ずチェックしましょう。
手に入れたエッセンシャルオイルは次のような様々な方法で活用することができます。
部屋に香らせる
一番手軽な方法は、香りを部屋に漂わせる方法です。
ディフューザーを使えば部屋の広い範囲を香りで満たすことができます。
ディフューザーがない場合は、精油を2~3滴含ませたコットンやティッシュを部屋の数カ所におくと良いでしょう。
寝るときに使いたい場合は枕元に置いておくのもおすすめ。お風呂で使うときは、2~3滴直接湯船に入れてもOKです。
マッサージに使う
精油は肌につけることができるため、マッサージに使うのもおすすめです。
原液を直接肌に塗るのではなく、手持ちのオイルやクリームに精油を2~3滴混ぜて使いましょう。
香りとマッサージによるダブルの効果で腰痛を緩和することができます。
温湿布にする
温湿布って?と思った方も多いかもしれません。実は、自宅でも簡単に作れます。
1.洗面器に熱湯を入れます。
2.上から精油を2〜3滴落とします。
3.タオルを二つ折りにします。真ん中ですくいとるようにして、水分と精油を染み込ませます。
4.精油が付着した部分を内側に織り込んで絞ります。両端は水分を含まないようにすると絞りやすいです。火傷には十分に気をつけてください。
5.痛みのある部分に優しく押し当ててください。10分程行うと、腰も温まり痛みがほぐれてきます。
時間が経つとタオルの温度が下がってきます。当てたタオルの上からラップをして、その上にもう1枚乾いたタオルをすると冷めにくいです。
お風呂で使う
お風呂や寝る前のリラックスタイムに使ってみてください。腰痛の原因のひとつに、血流が悪くなって痛みが出るということがあります。
腰痛にもストレスにも効果のある精油で、お風呂で温まりながら香りと成分を取り入れてみてください。精油は「全身が浸かるくらいのお湯に5滴まで」の量で使用します。1つの香りだけでも、いくつか香りをブレンドしても大丈夫です。体が温まると痛みも軽減されて一石二鳥です。
また、もうひとつおすすめなのは芳香浴です。芳香浴とは精油を拡散させて香りを楽しむ方法です。「ティッシュペーパーやハンカチに1〜2滴」垂らして、机や枕元におきます。アロマディフューザーやアロマポットなどを使用して香りを楽しむこともできます。
飲み物に入れる
食用の精油であれば、紅茶などの飲み物に数滴入れて飲むのもおすすめです。ほんのりアロマが香るフレーバーティーを楽しむことができます。
エッセンシャルオイルとは異なりますが、ハーブティーであればアロマの果皮や葉茎がそのままブレンドされているものもあります。
エッセンシャルオイルと同様の効果がありますので、ハーブティーもチェックしてみてください。
まとめ
「腰痛改善の運動は続かない」「整体に通う時間がない」という方でも、アロマなら時間や場所を選ばず手軽に取り入れることができます。
自分の腰痛の原因に合わせて、アロマを選んでみてください。
迷う場合は幅広い効果をもつ「ローズマリー」がおすすめです。
仕事中やリラックスタイムに、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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