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四十肩・五十肩とは?
肩をどこかにぶつけて骨折したり腱板が断裂したとかの外傷などではなく、年齢とともに肩の柔軟性が低下し、肩関節の炎症が原因で鋭い痛みが発生するのが四十肩、五十肩の典型的なパターンです。
例えば関節包に変性(老化現象)が起こると、肩関節がスムーズに動かず、正しい挙動が出来なくなると、肩甲骨と上腕骨骨同士がぶつかり結果として肩周囲の腱板(筋肉)、特に棘上筋が損傷してしまうことがあります。
この様な損傷から、炎症が起こると痛みのため、肩回りを動かさなくなり、動かないことで、別の場所(上腕など)が痛くなってきます。肩の筋肉を動かさないこと、炎症が起こるとで肩周囲の組織が癒着し、さらに動かなくなります。また、痛みも出現するという悪循環が生じます。
この様な状態になると、正常では肩甲骨と上腕骨が正しいリズムで動いているのが、(肩をすぼめるように)上腕骨だけで動かそうとするので、肩甲骨が正しく動かないので余計に痛くなります。
ですから、
①肩甲骨を正しい位置において、肩関節を動かす、正しい動き方を身につけること。
②(関節に牽引をかけて、硬くなってしまった)関節包を動かすこと。
が大事です。
痛みの出る場所や範囲は個人差がありますが、その病態や痛みの発症の時期によって、痛みが出ない範囲で正しい運動を行うことが大切です。
簡単体操で四十肩・五十肩を改善しよう!
改善のためには、運動することによって少しでも可動域を広げることですが、大事なのは正しい動きで行うことです。
四十肩、五十肩の改善に有効な(効果的な)体操をご紹介します。
運動を通して正しい肩関節の動きを学んで、可動性を改善し痛みを緩和させましょう
痛みの具合をみながら、最初は一日一回から始めてみましょう。なれてきたら、徐々に回数を増やしていきましょう。
コッドマン体操
軽いおもりを持った自分の腕の重さを利用して、固くなった肩関節腱板や関節包をほぐしていく体操になります。
肩甲骨と上腕骨の関節の動きを円滑にすることで痛みや障害を引き起こすことを防ぐ効果が期待できます。
コッドマン体操は強い痛みがある時期は行わないようにしてください。痛みがある程度落ち着いてきた時期に行うようにしましょう。
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準備:ペットボトルなどおもりになるものを準備しましょう
1.痛い方の手でペットボトルなどのおもりを持ちます
2.太ももの付け根くらいの高さのテーブルや椅子の前に立ちます
3.痛くない方の手をテーブルに置き、腰と膝を曲げて少し前かがみになります
この時、痛い方の腕は床に対して垂直に下ろしておきましょう
※痛まない程度の角度で前かがみになりましょう。
4.痛い方(おもりを持った側)の腕と肩の力を抜き脱力してから、腕をゆっくりと前後、左右、時計回り、反時計回りの順でまわしていきます
腕の力や肩の筋肉を使い動かすのではなく、体を揺らして振動で腕を動かしていきましょう
※痛みが起きない範囲で腕を動かしてください
棒(タオル)体操
準備:棒やタオルを準備しましょう
1.頭の上で腕を伸ばし肩幅より広めに棒(タオル)を持ちます
2.腕を頭上に伸ばしたら肘を曲げながら首の後ろに下ろします。
3.肘を伸ばしながら腕を頭上にあげ肩甲骨を動かします。上下運動を繰り返します。
肩の内旋ストレッチ
肩関節をいろんな方向(伸展、外旋、内旋)に動かしましょう。内旋・伸展・内転が制限されていると、うまく動かなくなります。どこまで制限されるかは人によって変わる特に内旋可動性が悪くなり、背中の方に手が動かなくなります。肩を内旋させるストレッチを行い可動域を広げましょう。
1.肘を曲げて腰に手を当てて、反対の手で身体の前から肘をつかみます
2.つかんだ肘を前に向けてストレッチしたところで数秒とめます。
3.手を離したらストレッチした肩が後ろに回しやすくなります。
成田先生の出演情報
■解説してくださった方
桐陰横浜大学教授 理学療法士 成田 崇矢 先生
■テレビ出演情報
この記事の内容をNHK総合「ひるまえほっと」で詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
放送:NHK総合「ひるまえほっと」
日時:2021年6月7日(月)11:05~
内容:特集「筋膜ケアで四十肩・五十肩を改善」