2016年1月に発売された薬「ロコアテープ」。
最近、慢性疼痛に悩む患者の間で「ロコアテープ」の鎮痛効果が話題になっています。
痛み止めを飲んでも、湿布を貼ってもなかなか楽にならないぎっくり腰などの腰痛に「ロコアテープ」は使用できるのでしょうか?
今回は、ロコアテープが適応になる病気や症状を紹介。ロコアテープの効果・使い方・使用上の注意点についてお伝えしていきます。
目次
ロコアテープとは
ロコアテープは、2016年1月から販売開始になった新しい痛み止めの貼り薬で、関節の痛みや炎症をやわらげる効果があります。
経皮吸収型鎮痛炎症剤(非ステロイド性消炎鎮痛剤)と呼ばれるグループに属する貼り薬で、有効成分はエスフルルビプロフェンとハッカ油です。
痛み止め薬としてよく耳にする「ロキソニン」や「イブプロフェン」と同じNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)に分類されます。
ロコアテープは、従来の痛み止め貼り薬よりも、より薬剤が吸収され効果が得られるように開発されました。
「貼る飲み薬」と呼ばれている理由には、貼り薬でありながら、飲み薬に近い性質を持った特徴があるからです。
ロコアテープの有効成分がどのくらい吸収されやすいかは、ロコアテープを2枚貼ったときの血液中の薬物濃度が、飲み薬を飲み続けたときと同程度に達すると報告がされています。(注1)
また、体内からの消失が比較的に早く、副作用発現時に薬剤を剥がすことで速やかな回復が期待できます。
2020年2月に、貼付中のはがれにくさを維持したまま、使用後の剥がしやすさを改善する目的で製剤の処方を一部変更しています。
ロコアテープが適応になる病気や症状
ロコアテープの適応は、今のところ変形性関節症のみです。
2016年1月に発売された比較的新しい薬であるため、まだ使用実績が少なく、使用できる病気が限定されています。これから実績が増え、研究が進むにつれ適応になる病気が増えてくる可能性はありますが、現段階では変形性関節症のみの適応になります。
ぎっくり腰などの腰痛や、首や肩の痛みの場合は、他の消炎鎮痛剤として飲み薬や湿布薬が処方されますので安心してください。
腰痛や肩こりに最適な湿布の種類や選び方については下記の記事を参考にしてみてください。
▶ロキソニンの湿布の種類や効果について
▶腰痛の種類で選ぶ湿布の使い分け
変形性関節症とは
変形性関節症とは、関節と関節の間にある軟骨がすり減ることで、骨同士が擦れあって炎症を起こす疾患です。骨と骨が擦れ合い、削れた骨が骨棘(こっきょく)というトゲのようなものを形成して関節が変形していきます。変形性関節症は膝、股関節、背骨(腰)など、負荷の大きい関節に生じることが多いです。初期には動いたときに「イタタ…」と、痛みを感じる程度ですが、進行すると痛みが強くなり日常生活に支障をきたすこともあります。膝や股関節などの大きな関節に生じると、日常生活に支障をきたす可能性が高いため、進行してしまう前に早期に受診することが重要です。
ロコアテープについて
効果・効能
変形性関節症における鎮痛・消炎
薬理作用
ロコアテープの有効成分であるエスフルルビプロフェンは、炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成に作用する、シクロオキシゲナーゼ(COX)というという酵素を働かせないようにする作用があります。炎症・痛みのもとである、プロスタグランジンが生成されなくなり結果的に炎症が鎮まり、鎮痛効果が得られます。
用法・用量
・1日1回患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。
・1日の最大貼付枚数は2枚まで。
・原則痛み止めの飲み薬(経口NSAIDs)との併用は避ける。
副作用
使用するにあたっては飲み薬のNSAIDsと同等な注意が必要です。副作用として消化器障害がみられていないか症状に注意しましょう。
胃のもたれ、胃の痛み、胸やけ、吐き気、便が黒くなる、便に血が混じるなど症状がみられた場合は、使用を中止し医療機関を受診するようにしてください。
・アナフィラキシー
・急性腎不全
・ネフローゼ症候群
・胃腸出血
・再生不良性貧血
・ぜんそく発作の誘発(アスピリンぜんそく)
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)
・皮膚粘膜眼症候群 (スティーブンス・ジョンソン症 候群)
・剥脱性皮膚炎
・意識障害
・意識喪失を伴うけいれん
このような症状がみられた場合には、使用をやめてすぐに医師の診察を受けてください。
上記の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。
ロコアテープ使用上の注意点
使用は1日最大2枚まで(痛い場所が複数ある場合も)
ロコアテープは薬剤の吸収率が良いため、一度にたくさん貼ると飲み薬を大量に飲んだときと同じような影響を体に与えます。そのため、一日に使用できる枚数が制限されています。1日に使用できるのは最大2枚までです。
原則他の消炎鎮痛剤との併用は避ける
ロコアテープは薬剤の吸収率が高く、飲み薬と同程度体内に吸収されるため、他の鎮痛剤(飲み薬、貼り薬)と併用すると副作用が出現する可能性が高くなります。
市販の非ステロイド性消炎鎮痛剤を含む薬(ロキソニンやバファリン、ボルタレンなど)を使用している場合は、必ず医師に相談しましょう。
鎮痛剤以外には、キノロン系抗菌薬と併用するとまれにけいれんを起こす可能性が報告されています。
その他、抗凝固薬ワルファリンや抗リウマチ薬(リウマトレックスなど)、精神安定剤、利尿剤などと相互作用を起こす可能性があるため、他の薬との飲み合わせには注意が必要です。
これからロコアテープを使用し始める方は、今使用している薬を医師や薬剤師に必ず伝えるようにしてください。
すでにロコアテープを使用中で他の薬を新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
皮膚のトラブル時の対応
ロコアテープの比較的頻度の高い副作用として、皮膚のトラブルがあります。
使用中に皮膚の症状(湿疹、発赤、皮膚が剥がれ落ちるなど)があらわれた場合には、使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
使用し忘れた場合の対応
貼り忘れに気付いた時点ですぐに貼るようにしてください。
容量より多く使用したときの対応
異常を感じたら、医師または薬剤師に相談してください。
ロコアテープを使用できない人
ロコアテープのまとめ
従来の痛み止め貼り薬より、確実に強い鎮痛効果を得ることのできるロコアテープですが、現段階では変形性関節症のみの適応です。
ぎっくり腰などのつらい腰痛には、他の鎮痛剤が処方されます。市販の鎮痛剤を使用しても長く続く痛みがある場合、整形外科に受診することをおすすめします。
薬には効果だけでなく副作用があります。安全に使用いただくために、薬について正しい知識を身につけ、効果を最大限に引き出すことが大切です。
▽参考文献
注1)大正製薬株式会社|ロコアテープ|インタビューフォーム
大正製薬株式会社|ロコアテープ|添付文書
大正製薬株式会社|ロコアテープ|くすりのしおり
大正製薬株式会社|ロコアテープ|患者向医薬品ガイド
日経メディカル|処方薬事典|ロコアテープ
帝人ファーマ株式会社|医薬品|ロコアテープを適正にご使用いただくために