足や腰にしびれや痛みを感じることはありませんか?
それらの症状がある人は、脊柱管狭窄症になっているかもしれません。(参考:腰部脊柱管狭窄症|日本整形外科学会)
今回は、つらい脊柱管狭窄症について紹介していきます。
目次
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症は、中高年男性に多い病気とされています。
脳と繋がっている神経が通っている管を、脊柱管と言います。
脊柱管狭窄症は、椎間板が飛び出るなどして脊髄が圧迫されることで、足や腰など身体のしびれや痛みを引き起こすと言われているのです。
長時間歩くと痛みやしびれが強くなり、しばらく休憩をとると歩けるようになる症状が一般的です。
脊柱管狭窄症になる原因とは?
脊柱管狭窄症は中高年男性に多いと前述しましたが、加齢に伴い椎間板が狭くなることが関係しています。
また、すべり症と呼ばれる背骨のずれなどにより、脊柱管が圧迫されて発症することもあるのです。
脊柱管狭窄症になるとどんな症状が現れる?
脊柱管狭窄症になると、おしりや膝、太もも、足全体などに痛みやしびれが現れることが多いです。
座っているときよりも、歩いているときや立っているときに症状が出ることが多い病気です。
痛みがある場合でも、前かがみの姿勢にすることで症状が和らぐという特徴が見られます。
脊柱管狭窄症はどのようにわかる?
脊柱管狭窄症と確定診断に至るには、MRI検査やCT検査が有効的です。
一方、レントゲン撮影単独では確定診断をつけるのは難しいとされているのです。
CT検査は、骨が飛び出していることが原因となり狭窄しているかどうか、MRI検査は、神経や椎間板などの水分を含んだ組織を写し出しているかどうかで判断します。
しかし、脊柱管狭窄症はこれらの画像検査の結果と症状が必ずしも一致しているわけではなく、慎重な判断のもと確定診断を行う必要があります。
そのほか画像検査以外であれば、血管の検査などを行う場合も。
これは血管が元になっている病気により、脊柱管狭窄症と同じような症状が見られることがあるため、それを判別するために必要な検査です。(参考:閉塞性動脈硬化症|国立循環器病研究センター)
脊柱管狭窄症になったらどのような治療を行うの?
脊柱管狭窄症の治療方法は、主に2種類に分けられます。
1つ目は、保存療法と呼ばれる初期段階の病態時に行われるものです。
保存療法の中には、薬物療法やブロック療法、運動療法などがあります。
消炎鎮痛剤などを使う薬物療法は、痛みを和らげる効果が期待できます。
ブロック療法は注射で痛みの緩和を図り、運動療法はストレッチや体操など適度に体を動かすものが代表的です。
脊柱管狭窄症と診断されて初期段階であれば、まずはこちらの保存療法を行い、痛みの改善を確認していくのが一般的と言えます。
2つ目は、手術療法が挙げられますが、手術療法は大きく分けて2種類の手術方法があります。
まず、脊柱管の圧迫を解除するために切開して手術する除圧手術です。
内視鏡を用いる場合は、小さな傷で済むことから身体への負担が少ないです。
そのため、手術に耐えられる体力があるか心配な人にも重宝する手術と言えます。
また、背骨のぐらつきが見られる場合や背骨のずれが大きい場合や、強い腰痛に見舞われている場合は、固定術という手術方法を採用しています。
固定術は、切開する範囲が大きいことが多いです。
これらの手術方法は病態や年齢や体力など、患者さんの状況により決まります。
保存療法で治療することが治療の最初の段階で行うことが一般的と前述しましたが、手術を優先した方が良い場合もあります。
症状が出る確率は多くはありませんが、尿漏れや排尿困難などの排尿症状・排便症状に異常が見られる場合は、一刻も早い手術が必要です。
病院受診を迷っている間にも病気が進行してしまうこともあるため、このような症状が出た場合はためらわずに病院を受診しましょう。
筋力の低下が著しい場合も、手術を早めに検討する必要があります。
手術を受けるかどうかの判断基準として、脊柱管狭窄症の症状がどの程度日常生活に影響を及ぼしているかが関わってきます。
手術はリスクを伴うこともあるため、手術をしなければいけないほどに困っているかどうかが重要となってくるのです。
年齢や体力などの部分も関わってくるため、手術をしたいと思っていても受けられないこともあります。
また、脊柱管狭窄症を長く患っている場合は、例え手術を受けた場合でも思うような結果が得られないこともあります。
脊柱管狭窄症に効くトレーニングを紹介
脊柱管狭窄症の治療方法で、先ほど保存療法の中で運動療法があることを紹介しましたが、効果的なトレーニングを紹介していくので参考にしてください。
脊柱管狭窄症には筋力をアップさせる筋力トレーニングと、ストレッチ、体操が有効です。
足腰を鍛えるトレーニングとして、椅子に座ってから立つという動作がおすすめです。
肩幅程度に足を開き、腹筋に力を入れた状態で立ち上がり、膝をしっかり曲げてから椅子に浅く座ります。
これを10回程度ゆっくり行うと良いでしょう。腰を反らないように立ち上がることがポイントです。
体操でおすすめなのが、寝ながら自宅できる運動です。
仰向けになった状態で、膝を胸に引き寄せ両手で抱えます。両膝を胸に近付けたまま、5秒程度キープします。
足を床に下ろし、近付けるという動きを10回程度繰り返すと良いです。
筋力トレーニングと体操を紹介しましたが、これらに限らず運動をするときは無理しない範囲で行っていくことが重要です。
きついと感じる体勢や状態を無理して行うことで、腰や足をさらに痛めることに繋がってしまう危険性があります。
回数や秒数を続けられないときも、無理せず少しずつ行うことを優先しましょう。
自分に適しているトレーニングを行うことが重要なので、主治医などにどのようなトレーニングが適しているか確認することをおすすめします。
脊柱管狭窄症には病院受診がおすすめ
脊柱管狭窄症と診断された場合、病院での定期的な受診を行っていきましょう。
すぐに病状が良くなるとは限らず、徐々に改善が見られることがほとんどです。
なかなか良くならないからと、通院をストップすることは望ましくありません。
かかりつけ医を見つけておくことで、もしものときも安心して頼れるので、かかりつけ医を見つけることも大切です。
また、脊柱管狭窄症かわからないけれど症状が似ているという場合も、自己判断せずに一度病院受診することをおすすめします。
紹介した中にもありましたが、脊柱管狭窄症は刻一刻を争う危険な状態の場合もあります。
体が思うように動かず、怪我や事故などを引き起こす可能性もあるため、病院に受診して適切な指示を仰ぐと良いです。
病院では症状を伝えるだけでなく、気になっていることや不安なことも併せて確認してください。
治療においても、運動やストレッチが効果的な場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。
病状によっては安静を要する場合もあるため、どのように日常生活を送ると良いのかしっかりと先生に確認しましょう。
まとめ
ここまで、脊柱管狭窄症や効果的なトレーニングを紹介しました。
脊柱管狭窄症はつらい痛みやしびれを引き起こすことがあり、進行すると日常生活に支障をきたす場合もあります。
治療方法はいくつかあるので、自分に合った方法で改善を図っていくことができます。
脊柱管狭窄症には運動療法のトレーニングやストレッチが有効な場合がありますが、無理のない範囲で行う必要があるため、主治医指導のもと行っていくようにしましょう。
参考:日本整形外科学会