「1日中立ちっぱなしだと腰が痛む」「立ち仕事なので腰がつらい」そんなお悩みを抱えている人は多いことでしょう。立ち仕事のために腰痛になっている人に向けて「立ち仕事さんの腰痛の原因」と、「腰痛改善ポイント1対処法について」「腰痛改善ポイント2腰痛対策グッズを使おう」「腰痛改善ポイント3予防に力を入れよう」の3つのポイントを解説します。
この記事を読むと、腰痛の原因がわかり、腰痛改善のためのポイントがわかります。原因を知ってしっかり対策を行いましょう。
目次
立ち仕事さんの腰痛の原因
立ち仕事で腰痛になる原因は何でしょうか。腰痛に大きくかかわってくるのは立ち方です。猫背や反り腰だと腰に余計な負担がかかります。
また、脊柱起立筋という、姿勢の維持に関係している筋肉が疲労することで痛みが起こることもあります。
女性の立ち仕事でヒールのある靴を履く人もいるでしょう。ヒールのある靴を履くと、体が重心を取ろうとして反り腰になりがちで、そこから腰痛につながることもあります。
このように様々な原因が絡まって腰痛が引き起こされます。それぞれ詳しく見ていきます。
反り腰になっていませんか
私たちが学校で習った「気をつけ」の姿勢、あの姿勢が「いい姿勢」と思っている人も多いでしょう。しかし、気をつけの姿勢は、実はいい姿勢ではないのです。気をつけの姿勢をとる場合、背骨をまっすぐにし、胸を張ります。すると反り腰気味になるのです。
反り腰とは骨盤が普通よりも強く前傾していることから起こります。そうなると脊柱起立筋の背中の部分が伸びて緩んでしまうのです。そのうえ腰の部分は硬くなり、血行不良が起こることで痛みが生じます。
猫背になっていませんか
自分が猫背かどうかチェックしてみましょう。あごを引き、壁に背中をくっつけてみてください。背筋を伸ばしたときに頭やお尻は壁についていますか。もしこのとき頭やお尻が壁から外れるなら猫背かもしれません。
猫背だと、背筋や腹筋で姿勢をキープするのではなく、背骨やその周辺の筋肉で姿勢をキープします。そのため、使われていない背筋や腹筋がだんだんと衰え、さらに背骨に負担がかかる悪循環になり、腰痛になるのです。
筋肉の疲労を起こしていませんか
ヒールのある靴を履いていませんか
ヒールのある靴をはくと、どうしても腰を痛めがちです。ヒールをはいた状態というのはつま先立ちをしているのとおなじで、重心が前に傾きます。
それを腰の周りの背筋で前に傾かないようにバランスを取っているのです。その背筋が強く働きすぎると反り腰になってしまいます。
一番いいのはヒールをはかないことですが、お仕事でヒールをはく必要のある業種の人もいます。低いヒールならいいかというとそうではなく、3センチ程度のヒールでも、腰に負担がかかることでは同じです。
腰痛改善ポイント1対処法について
立ち仕事の人の腰痛の対処法はあるのでしょうか。腰痛の対処法として、正しく立つことが大事です。皆さんそれぞれ体の癖があります。重心を真ん中にではなく、どちらかにかけていないでしょうか。
また、慢性の腰痛は温めると改善されることもあります。
腰痛の改善法として「立ち方を意識しましょう」「腰を温めましょう」の2つを見ていきます。
立ち方を意識しましょう
人は無意識に立っているときに、両足に均等に体重をかけて立っていません。大部分の人がどちらかの足に重心をかけています。これが体のゆがみとなり、腰痛を引き起こす一つの原因となります。
正しい立ち方とは耳の穴、肩の中央、くるぶしが一直線になる姿勢です。肩の力は抜き、お尻をキュッと引き締めましょう。立っているところを横から写真を撮ってもらうと、正しい立ち方をしているかどうかよくわかります。
腰痛を予防・改善しようと思えば、まず正しく立つことを意識しましょう。
腰を温めましょう
慢性の腰痛は筋肉のこわばりや血行不良によって引き起こされていることがあります。腰を温めることで血行を改善し、痛みを緩和していきましょう。
腰周辺にカイロを貼ったり、ドライヤーで温めたりしても効果があります。レンジやお湯で温めるホットパックを購入して、腰に当てるのもおすすめです。
ホットパックは自分でも作れます。布を縫い、中に小豆や玄米を入れれば出来上がりです。簡単にできるので、自分で作ってみるのはいかがでしょうか。
腰痛改善ポイント2腰痛対策グッズを使おう
腰痛があるのなら、道具を使って予防したり緩和したりするのもおすすめです。ここで紹介するのは靴の中に入れて使う「インソール」と、腰に巻いて使う「コルセット」です。
インソールを試してみよう
靴にインソールを入れると、体のバランスが整い、衝撃を吸収してくれ、足のアーチを維持してくれます。
体のバランスが整うと、体にゆがみが生じなくなるので、一部だけに負担がかかるということがなくなるでしょう。衝撃を吸収してくれると、歩くときに腰への負担が軽くなります。
足のアーチがない偏平足の状態だと衝撃を吸収しづらくなり、疲れやすくなります。インソールでアーチを維持してくれることにより、足裏からの衝撃が和らぐでしょう。
コルセットを試してみよう
「コルセット」「腰痛ベルト」などの名前がありますが、すべて腰に巻いて、腰をサポートする役割のグッズです。
腰が痛くて動かすのにも不安がある場合、腰に巻いて日常生活をサポートしてもらいましょう。
たくさんのメーカーから様々な商品が出ています。例えば固定力の高い腰ベルトや、動くときに邪魔になりにくいタイプの商品など、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
しかし、コルセットを日常的に巻くことで腰周りの筋力低下を招くこともありますので、痛みが治まり不安が解消されたら、腰の筋力自体をあげることをおすすめします。
腰痛改善ポイント3予防に力を入れよう
立ち仕事の人の腰が痛くなると仕事になりません。そんなことにならないように腰痛の予防に力を入れましょう。またすでに腰痛をお持ちの人は腰痛が改善されるようにしていきましょう。
ここでは「筋トレ・ストレッチをしよう」「日常生活も気をつけよう」の2つのポイントを解説します。
筋トレ・ストレッチをしよう
筋肉がしっかりしていれば、少々筋肉に負担がかかっても腰が痛くなりません。ですので、ストレッチや筋トレで腰の周りの筋肉を緩めたり、鍛えたりしましょう。
仕事の合間の休憩時間には筋肉の緊張をほぐすストレッチを行いましょう。休憩時間にできる簡単なストレッチを紹介します。
足を前後に大きく開き、前に出した足の膝を曲げ、股関節を伸ばします。この姿勢を20秒くらいキープし、足を変えて同じことをしましょう。
次は足を肩幅より大きく広げ、片側の膝を曲げてもう片側の太ももの後ろを伸ばします。これも20秒ずつ、左右を入れ替えて行いましょう。
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日常生活も気をつけよう
寝起きに腰が痛むという人もいます。そのような人は一度ベッドの硬さを見直してみてはいかがでしょうか。自分に合わない硬さの寝具を使うと睡眠の質が低下し、腰痛が発症しやすくなります。また、寝相が関係しているかもしれませんので、枕を見直すのもおすすめです。
重いものを持つときも、きちんと腰を入れてから持ちます。膝を伸ばしたまま腰を曲げて、荷物を引き上げるような体勢で重い荷物を持つことはやめましょう。
ストレスでも腰痛の症状が出ることはよく知られていることです。腰痛にならないためにも、ストレスはため込まないようにしましょう。
まとめ
立ち仕事で腰痛になると、立つのさえつらくなります。痛みがひどくなる前に今回紹介した方法で腰痛の予防・改善を行いましょう。
仕事が忙しくても、時々休憩時間を取ってセルフケアとしてストレッチをすることを意識してください。腰痛体操や有酸素運動も効果的ですので、今回ご紹介した運動と一緒に行いましょう。
詳細な方法が分からない方は、整形外科や整体・整骨院を受診し、セルフケアの方法を学ぶようにしましょう。
参考:日本整形外科学会