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野球に一生懸命なお子さまが、腰痛でお悩みではありませんか?この記事では、野球選手の腰痛の原因と対策を解説します。腰痛の予防法、腰痛になった際の正しい対処方法が分かりますので、ぜひご覧ください。

子どもが野球に一生懸命になると、ケガや故障といった問題が付きまといます。肩やひじの故障ばかりに注目しがちな野球選手ですが、実は腰痛で悩まされている選手も多いのです。

そして、「腰痛が悪化しないか心配」「練習や試合は大丈夫なの?」「どうやったら治るの?」といった疑問の声も聞かれます。

そこで、本記事では腰痛の原因と対策、予防を分かりやすく解説します。腰痛改善の道しるべ、あるいは腰痛の予防方法が分かりますので、どうぞこの記事を参考にしてください。

腰痛の知識を身に着けて正しいセルフケアを知り、お子さまが元気に野球を続けられるようにしていきましょう!

野球で腰痛になってしまう原因

野球で腰痛が慢性化してしまう原因は、中腰姿勢の継続と突発的な動作、腰をひねる動作に分けられます。以降で詳しく解説します。

中腰やしゃがみ姿勢が多いため

野球選手が継続的にとる姿勢に、中腰が挙げられます。たとえば、内野手や外野手は守備位置についた際は、体を前に倒した中腰になるのが通常の姿勢です。
キャッチャーに至っては、しゃがんだ姿勢でさらに大きな負担を腰に強いています。中腰やしゃがんだ姿勢は、腰を丸める姿勢であるがゆえに負担も大きく、腰痛の原因となるのです。

突発的な動作を行うため

野球選手は、守備や走塁時にとっさにボールに反応して素早く体を動かす必要があります。突発的な動作をする場合、瞬間的ではありますが、強力な負荷が腰にかかるのです。
さらに、ボールに反応するたびに繰り返され、結果的に腰痛の原因になることがあります。

腰をひねる動作を行うため

バッティングの際に、腰をひねることで腰痛の原因になります。腰は、ひねりの動きに弱い構造になっています。というのも、腰を構成する5つの骨(腰椎)はすべて合わせても、5度しかひねることができないのです。
つまり、バッティングで繰り返し腰をひねることで、だんだんと腰痛を悪化させている可能性があります。

以上、野球の腰痛の原因を述べましたが、以降では対策をお伝えします。対策を実践していただくと、軽い腰痛であれば楽になる可能性も。腰痛の悩みをすっきりした状態で、野球を楽しみましょう!

👉野球で起こりやすい腰痛ってどんなものがある?起こる原因や症状について解説します!

野球の腰痛への対策と予防法

腰痛の対策と予防のためには、まずは腰の動作の仕組みを学んだうえで、セルフケアを実践することが大切です。
そうすることで、セルフケアにも身が入りますし、腰痛予防のための取り組みを自分で考えるヒントにもなります。では、まずは腰の動きの仕組みから解説します。

腰は思ったよりも動かないことを理解する

腰の可動域はそれほど広くないことを、まずは理解しましょう。腰骨(腰椎)自体が動かせる範囲は、次の通り。
•前方へ50度(前屈動作)
•後方へ15度(後屈動作)
•左右へ20度(側屈動作)
•ねじり方向へ5度(回旋動作)
上記のように、腰骨の動かせる角度が決まっています。よって、動かせる角度以上に腰を動かしてしまうと、腰を痛める原因になります。
とはいえ、実際の腰の動きは、もっと範囲が広いように見えますよね。その理由は、骨盤をはじめとした他の部位が、腰の動きと連動しているからです。
特に、骨盤の動きと腰骨の動きの関連は大きいです。腰骨のことを腰椎と言いますが、腰椎と骨盤の連動は、『腰椎-骨盤リズム』とも命名されています。
つまり、腰を痛めないようにするには、骨盤が正常に動く必要があるのです。次に、骨盤が動くようにする方法を解説します。

股関節の柔軟性を高める

骨盤の動きをよくするには、股関節の柔軟性を高めることが大切です。たとえば、体を前に倒す前屈動作の際は、太ももの裏側が伸びて骨盤が前に倒れます。
一方で、太ももの裏側の筋肉の柔軟性が乏しくて伸びなければ、骨盤が前に倒れることができません。つまり、骨盤が前に倒れない分、腰骨を曲げることになります。結果的に、腰骨が曲がりすぎて腰を痛めてしまうのです。

以上は一例ですが、骨盤の前後左右といねりの全方向についても、同じことが当てはまります。要するに、股関節をいろいろな方向へとストレッチして柔軟性を高めておけば、腰痛の原因を解消できることになります。

腰痛予防のためにストレッチする良い代表的な筋肉には、以下のものがあります。
•腸腰筋(股関節前の筋肉)
•大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)
•殿筋群(おしりの筋肉)
•ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)
以上は抗重力筋と言われる姿勢を保つための重要な筋肉です。腰痛を改善させるためには、これらの筋肉を中心に入念なストレッチを実践しましょう。

反対素振り

反対素振りも腰痛に有効です。野球選手は、いつも同じ方向にバットを振ります。その結果、同じ側の筋肉だけを使うことになり、左右の筋肉のバランスが崩れることがあります。
筋肉のバランスが崩れると、体が傾いたり、ゆがんだりして、腰の片側だけが痛くなる可能性があるのです。反対素振りを行うことで、バランスよく筋肉が鍛えられて、筋力の左右差による腰痛を防ぐことができます。

ここまでは、腰痛の対策や予防をお伝えしましたが、なかなか腰痛が治らない場合は病院を受診することをおすすめします。病院では、次のような見過ごせない腰痛の正体が判明することがあるので、早めの受診が大切です。

野球で起こった腰痛の正体

ここでは、病院で診てもらうべき腰痛の症状を紹介します。若年層の野球選手に起こる腰痛を2つピックアップしましたので、参考にしてください。

腰椎分離症は疲労骨折の一種

腰椎分離症は、腰骨の後方部分が疲労骨折して離れてしまう状態です。成長期のスポーツ選手に起こりやすいとも言われています。
治療が遅れるほどに治りにくくなるため、早期発見が大切です。治療は安静が基本で、スポーツは数カ月間中止する必要があります。

腰椎椎間板ヘルニアはしびれがでることも

椎間板という柔らかい軟骨が神経を圧迫することで起こる腰の病です。おしりや足にも痛みやしびれを伴うのも特徴。好発年齢は、20~40代ですが、10代でも起こる可能性があります。
椎間板ヘルニアも治療には安静が必要で、痛みを我慢して無理をすると悪化してしまい、治りにくくなるから注意が必要です。

腰痛がなかなか治らない場合は、病院で診断を受けて、しっかりと練習や試合を休むようにしましょう。

野球で腰痛になった場合の対処方法

野球の腰痛になった場合の対処方法を、ベストなものから紹介します。

野球を休む

腰痛が治らない場合のベストな選択が、野球を休むことです。監督や指導者と話し合い、腰の痛みが取れるまでしっかり休養を取るようにしましょう。
休養中は、股関節のストレッチを実践して腰への負担が少ない身体づくりをするよ良いでしょう。

腰痛ベルトを装着する

腰痛ベルトの役割は、腰の動きを制限することです。しっかりと腰を固定できるものを選びましょう。
腰痛ベルトと似たものに、骨盤ベルトがあります。装着する部位も、目的も違うものなので、間違いないようにしましょう。腰痛ベルトは布製が基本で一部がゴム製なのに対して、骨盤ベルトは、細くて全てがゴムでできたものが多いです。

鎮痛薬を使う

鎮痛薬は対処療法なので多用は禁物。一時的に腰の痛みを感じなくなるだけで、多用すると、腰痛を悪化させてしまう恐れがあります。腰痛を治す基本は安静であることを、心得ておきましょう。

野球選手は常に股関節を柔軟に保ち、腰をケアすべし

野球の腰痛対策で大切のは以下の通りです。
•常に股関節を柔軟にして、動きやすい骨盤を保っておく
•腰痛が続くようであれば、早めの受診
•腰が痛くなったら、安静が基本

腰痛をこじらせてしまうと、選手生命にも影響を与えかねません。そのため、日ごろから予防とセルフケアに努めていきたいものです。

そして、腰痛がなかなか治らない場合は、まずは野球を休むのがベストな選択です。お子さまの腰痛を正しく理解して、野球を楽しませてあげてください。

参考
野球選手の腰痛について
腰に痛みを感じたら早めにご受診ください|BASEBALL SPORTS CLINIC
腰の疲労骨折・脊髄分離症|ヘルニアの専門医療機関 あいちせぼね病院
日本整形外科学会
高校野球選手の腰痛について|社会医療法人財団慈泉会相澤病院スポーツ障害予防治療センター
柔軟性の違いが前屈動作時の腰椎骨盤リズム胸椎-腰椎-骨盤の挙動に及ぼす影響

参考文献
正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書 (日本語) 単行本 – 2015/11/19 著者:竹井仁

著者情報

腰痛メディア編集部
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