バレーボール選手の腰の障害は非常に多くみられます。
今回はオリンピックドクターも務めた、整形外科医で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の金岡恒治(かねおかこうじ)先生に、バレーボール選手における腰痛の原因と、その対処・予防法についてお話を伺いました。
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ジャンプが腰痛を引き起こす
「僕たちが調べた研究結果では腰痛が1番起きやすい種目はバレーボールでした。
代表的な病態としては、椎間板性腰痛、椎間板障害、椎間関節障害、筋筋膜性腰痛などが挙げられます。
バレーボールはジャンプする動作がとても多いスポーツです。着地の際に腰に負荷が加わり続けることで、椎間板に痛みが生じやすくなります。
また、ジャンプの際の腰をそらした姿勢も、椎間関節に負荷が加わり、椎間関節性の腰痛を引き起こすことがあります。
もちろん筋肉への負担も、ジャンプによる着地でかなり負担が増えるため、腰には総合的にかなり負担がかかる種目と言って良いと思います。
「正しい着地」で腰痛改善
「バレーボールで腰痛を予防するのに、とても重要なのが着地する際の姿勢です。
ブロックやスパイクの後、ネットに当たらないように着地をするため、足が伸びて突っ立ったような姿勢で着地する人が多いのではないでしょうか。
このような姿勢で着地を繰り返していると、椎間板に負担が加わり続け、腰痛の原因となります。
着地する際には膝を曲げ、骨盤を前傾させ、正しいスクワットの姿勢で着地できるようにします。
膝で力を吸収できるような着地を行うことが大切です。
予防の鍵は太ももの柔軟性にあった
「着地が綺麗にできるようになるためには、体の柔軟性と体幹の強さが重要です。
骨盤が自然と前傾するようにハムストリングスを柔らかくしましょう。そして、体幹の安定性を高める体幹のエクササイズを行うことで、正しい着地が自然とできるようになるはずです。」