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腰痛の原因は実にさまざまですが、自転車に乗っていると腰痛が出るという方もいらっしゃいます。その場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

自転車はとても身近な乗り物なので、乗り方を改善することで腰痛の予防につながるだけでなく、健康や美容効果を得ることも期待できますよ。

自転車で腰痛が出る方の共通点

自転車の乗り方2
実は、自転車に乗っていて腰痛が出る方には、いくつかの共通点があります。自転車に乗ると腰痛が出るという方は、次にあげる点をチェックしてみましょう。

背中が丸まっている

自転車に乗っていて腰痛が出るという方には、背中が丸まっているという共通点がみうけられます。猫背のように背中が丸くなると、腰への負担が増すため、腰痛発症のリスクを高めると考えられます。

ロードバイクに乗っている方などを見ると、背中が丸くなっているイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実は、ロードバイクに背中を丸めて姿勢で乗ると、足の力を十分にペダルへ伝えられません。

ツールドフランスなどに出ているレーサーの姿勢を見てみると、前傾姿勢にはなっていますが、背中は丸くなっていないことが分かります。

もちろん、ロードバイクであれば腰痛が出ないというわけではありません。ロードバイクに乗っていても、背中が丸くなってしまうと腰痛発症のリスクが増します。

下半身がうまく使えていない

自転車に乗る際、下半身をうまく使えていなかったり、偏った使い方をしていたりすると、片方の腰に痛みが生じるリスクを増します。

自転車をこぐ際、どちらの足でも同じようにこいでいるイメージがあるかもしれませんが、実際には筋力が強い方の足に頼っていることも珍しくありません。

片方の足ばかりでペダルを強くこいでいると、その代償作用で同側の腰に痛みが生じるリスクを増すのです。

ハムストリングスの柔軟性に欠けている

ハムストリングスは太ももの裏側にある大きな筋肉で、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)を合わせたものの総称です。

ハムストリングスには膝関節を屈曲させたり、股関節を伸展させたりする働きがありますが、ハムストリングスの柔軟性が失われることによって、足の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなります。

その結果、脚力ではなく上半身の体重を乗せてペダルをこぎ、負荷がかかった腰部に痛みを生じることとなるのです。

自転車自体が重い

単純に、自転車自体が重いことも腰痛のリスクを増します。ぎっくり腰を起こした方の中には、倒れた自転車を起こそうとして発症したという方も少なくありません。

最近は電動機付きの自転車も増えており、自転車の重量化に拍車がかかっています。電動機付き自転車は楽にこげるのですが、その分、筋力の低下を招きます。そして、筋力が低下しているのに、無理に自転車を起こそうとして腰にケガを追ってしまうというわけです。

もちろん、電動機付き自転車ではなくても重い自転車をこぐと、それだけ腰への負荷を増すこととなり、やはり腰痛発症のリスクが増します。

自転車のサイズが体格に合っていない

自転車のサイズが体格に合っていないことも、自転車に乗っているときに腰痛を発症する原因になります。例えば、身体が大きいのに小さい自転車に乗っていると、バランスをとるため上半身に無駄な力が入り、腰痛を発症しやすくなります。

また、サドルの高さが身体に合っていなかったり、ハンドルが遠かったりすることで、腰痛につながることもあります。

腰痛を予防する自転車の乗り方

自転車の乗り方3

自転車に乗る時の腰痛を予防するためには、自転車の乗り方を見直すことが重要です。自転車の乗り方を改善することで、腰痛予防以外のメリットも期待できますよ。

骨盤を起こす

一般的な自転車(いわゆるママチャリやシティサイクル)に乗る場合、骨盤を起こすようにしましょう。骨盤を起こすことで上半身に無駄な力が入らなくなり、腰痛発症のリスクを低下させることが可能です。

体幹を安定させる

体幹とは、全身から四肢(両手両足)をのぞいた場所を意味します。自転車をこぐ時に体幹が安定しないと、上半身が左右に振られ、結果として腰痛発症のリスクを増すことになります。

ふくらはぎの筋肉を意識してペダルをこぐ

自転車をこぐ場合、サドルに土踏まずを乗せることが多いと思います。土踏まずを乗せると確かにペダルをこぎやすいのですが、ふくらはぎの力を効率よくペダルに伝えることができません。

土踏まずよりもつま先寄りでペダルをこぐことで、ふくらはぎの力をしっかりとペダルに伝えることができます。

自転車の乗り方を改善するメリット

自転車の乗り方を改善すると、上半身に無駄な力が入らないため、腰痛だけでなく、肩こりのリスクを減らすことも期待できます。

また、ふくらはぎの筋肉をしっかりと使うことで、全身の血行を促進することができます。全身の血行が促進されれば、冷え症やむくみを改善することにもつながります。

腰痛を回避するための自転車のセッティング

自転車に乗った時に腰痛が出る場合、自転車自体に問題がある可能性もあります。普段あまり自転車のお手入れをしていない方は、次のような点を確認してみましょう。

サドルの高さを見直す

自転車のサドルが低すぎると、ペダルをこぐときに無駄な力が入ってしまいます。両足のつま先が付く程度の高さにすると、楽にペダルをこげるようになりますよ。

ハンドルの高さを調整する

自転車のサドルに比してハンドルの位置が低いと、猫背気味になって腰痛を発症するリスクが増します。特にトンボハンドルの自転車に乗っている場合、背中が丸くならないよう気を付けましょう。

チェーンオイルを利用する

自転車のチェーンがさび付いてくると、自転車をこぐ際に余計な力が必要になります。そのため、チェーンオイルを利用し、チェーンがスムーズに回転するようにしましょう。

定期的にメンテナンスしてもらう

自転車は定期的にメンテナンスをすることで長持ちします。半年に1回は自転車屋さんで全体をチェックしてもらい、いつでも快適に乗れる状態を維持しましょう。

自転車による腰痛への対処法

自転車の乗り方4

自転車に乗ると腰痛が出るのでは、快適に自転車生活を送ることができません。そのため、普段から腰痛を予防することが重要です。また、実際に腰痛が出ている場合、早めに改善することがおすすめです。

ストレッチをおこなう

腰痛の多くは筋肉や筋膜の緊張に夜って起こるため、普段からストレッチやヨガ、筋膜リリースなどをおこない、筋肉や筋膜を柔軟に保ちましょう。

お風呂で身体を温める

自転車に乗った時に限ったことではありませんが、慢性的に腰痛がみられる場合、普段からお風呂で身体を温めるよう意識しましょう。身体を温め、血行を促進することで、身体の回復力を高めることが期待できます。

急性腰痛は病院でみてもらう

自転車に乗っていて急に腰が痛くなったり、倒れた自転車を起こすときに激しい痛みが出たりした場合、なるべく早めに病院でみてもらいましょう。

慢性腰痛は整骨院などでみてもらう

自転車に乗っていて慢性的に腰痛が出ている場合、整骨院や整体院などでみてもらうとよいでしょう。整骨院や整体院のスタッフさんは自らが運動経験者という方も多いので、有益なアドバイスが得られることも期待できます。

まとめ

自転車に乗っていて腰痛が出るという場合、自転車に乗る姿勢や身体の柔軟性に原因があるケースもあれば、自転車自体に問題があるケースもあります。

自転車に乗る姿勢を改善することは、腰痛の予防だけでなく、健康状態の改善にもつながります。身近な乗り物である自転車をうまく使いこなし、腰痛予防や健康状態の向上に役立てましょう。

<参考文献>

ヒルクライムで腰が痛くなるサイクリストの体の特徴・ACTIVIKE
https://activike.com/2019/10/20/hillclimb-lowbackpain-body/

ロードバイクの姿勢が腰痛および膝痛の改善に?!・山田整形の理学療法日記
http://yamada-pt.jugem.jp/?eid=13

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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