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腰痛に悩まされている方はたくさんいると思います。腰自体に何も問題はなくても職業柄であったり、ヘルニアなどの疾患を持っていたり、腰痛と言ってもさまざまな原因があります。また、生活習慣で起きる腰痛もあり、日常的に使用している鞄の種類やその持ち方は原因の一つと言われています。
今回は、鞄の種類や持ち方と腰痛の関係性や予防方法、腰痛が起こったときの対処方法について述べていきます。

鞄の種類と腰痛の関係とは

鞄にも多くの種類があります。手持ちバッグやリュックサック、ショルダーバッグなど種類ごとに分けて説明していきます。

リュックサック

リュックサックは肩紐を両肩にかけてバッグ部分を背中側にして持つため、両肩に均等に荷重がかかりやすく、身体にとっては左右のバランスがとりやすい状態となります。また、両肩に紐をかけるため、バッグの重さも両肩で分散ができ、肩凝りにもなりにくいです。ただし、バッグ部分の位置には注意が必要です。
バッグ部分があまりにも低い位置になりすぎると身体の重心が後ろになり、その結果、身体を前へ戻そうという力が働き猫背のような状態が続きます。そのため、身体の前後のバランスが悪くなり腰痛の原因となります。バッグ部分の最適な場所は、おへそから指三本下の「丹田(たんでん)」と呼ばれる人体の中心となる場所です。この位置にバッグ部分が来るように肩紐の長さを調整すると腰痛の予防になります。

ショルダーバッグ

ショルダーバッグは一本の肩紐で荷物を支えるため、紐をかけた肩と左右反対側に荷重がかかります。そのため身体の左右バランスがとりづらく、荷重がかかっていない方へ戻ろうとする力が働くため腰痛を起こしやすい状態と言えます。さらに、ショルダーバッグは大半の人は臀部あたりにバッグ部分が来るようにかけているため、左右のバランスだけでなく、前後のバランスも崩しやすいとされています。
例えば右の臀部あたりにバッグ部分が来ていると身体にとっては右後ろに重心が傾くため、左前へ重心を戻そうとする力が働きます。
斜めに力が働くため腰にとっては非常に負担な状態です。腰痛を予防するためにはバッグ部分を長時間同じ身体の場所に来ないようにすることが大切です。
ある程度の時間で、バッグ部分をずらすようにしてみたり、左右の肩を変えてバッグを持つなど意識的に荷重がかかる位置を変えたりすることで腰痛の予防に繋がります。

トートバッグ

トートバッグもどちらかの肩に紐をかけて持つため、左右のバランスが崩れやすく、同じ肩にばかりバッグをかけていると腰痛の原因となります。ショルダーバッグと同じように、ある程度の時間毎に左右の肩を変えて持つことが腰痛予防となります。

手持ちバッグ(ハンドバッグ)

意外と腰に負担が少ないものが手持ちバッグです。鞄を手で持つことで荷重が腕で分散させることができ、鞄の重さ全てが腰や肩にかかることがありません。肘を軽く曲げながら持つだけで、腕の筋肉にも荷重を分散させることができます。また、じっと立っているとき(通勤途中の電車内など)では、両手に持つことも可能なため、身体の重心のどこかだけに荷重が偏ることなく持つことができます。

ヒップバッグ(ウエストポーチ)

ヒップバッグは腰に紐を回してバッグを固定します。そのため、バッグ部分が身体の左右のどちらかに偏った位置に来ていると、身体の重心が傾きバランスが悪い状態になります。さらに、ヒップバッグは腰に直接紐を引っかけるため、骨盤に直接的に荷重がかかります。ショルダーバッグよりも腰に加えて骨盤にも荷重がかかることになります。骨盤が歪むと下肢にも負荷がかかり、歩くときのバランスが悪くなり、腰痛も引き起こすことになります。また、骨盤への負荷は消化器系にも影響が出てくるので注意が必要です。
ヒップバッグで重いものを入れておくことはあまりないかもしれませんが、荷物を入れすぎないようにすることや、定期的にバッグの位置を変えて荷重がかかる方向を変えることが腰痛予防となります。腰痛対策として、ヒップバッグは基本的にはあまりおすすめできません。

キャリーバッグ

キャリーバッグは基本的に地面をコロコロと転がしながら荷物を運ぶため、荷物の重さはほぼ身体にかからない状態です。そのため、腰痛にはなりにくいと考えられます。強いて言うならば、階段等でバッグを担がなければならないときは重さがある分、荷重が大きくなるため注意が必要です。

腰痛予防に一番適している鞄とは

これまで、鞄の種類ごとの特徴や予防方法をお伝えしましたが、それでは腰痛に一番なりにくい鞄とはどのような鞄でしょうか。一番はもちろんキャリーバッグです。しかし、あまり日常的に使うことがなく、通勤時の書類や貴重品を入れるために使うには少し不便です。普段使いと考えると手持ちバッグが最も腰痛になりにくいと考えられます。
前記のとおり、腕でも荷重がコントロールでき、さらに両手でも持つことができます。また、重い荷物を入れていると腕が疲れたり痛くなるため、必然的に鞄を持ち変えたりします。自然と荷重がかかる方向が変わるため、身体の一ヶ所に負荷がかかることなく荷物を持つことができます。そのため、毎日持つ鞄としては手持ちバッグをおすすめします。

腰痛になったときの対処方法

どんなに鞄の持ち方や種類に注意をしていても腰痛がひどくなったときにはどうすればよいのでしょうか。自宅で簡単にできる対処方法をいくつかお伝えします。

患部を冷やす

痛みのある周囲を冷やします。湿布(パップ剤)があれば良いのですが、なければ保冷剤や氷水で冷やしたタオル等で冷やします。これは炎症が起こるような急な腰痛に効果的です。

患部を温める

温かくしたタオルやカイロ、マッサージ、腹巻き等を使用します。寒さや、同じ姿勢を長時間とることで筋肉が凝り固まって起こる腰痛のような、血行が悪くなったことが原因で起こる腰痛に効果的です。

ストレッチを行う

医師に診てもらっても、明らかな疾患的要素のない、原因が分からない腰痛であればストレッチも良い方法です。腰周囲の固まった筋肉がほぐれ、血行が改善されます。ストレッチと同じように、筋膜リリースやマッサージなどで揉みほぐすのも効果的です。

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栄養状態の改善

長時間同じ姿勢をとることで筋肉が疲労を起こし、腰痛になることがあります。そのようなときには、ビタミンB1とビタミンEを摂取するのが効果的です。ビタミンB1には、筋肉や神経の疲れを和らげ、ビタミンEは、血液の流れを良くし、筋肉の緊張を和らげる働きがあるため、腰痛にこえう。また、ビタミンB1、B6、B12は神経ビタミンといわれ、神経がうまく働くために大切な栄養素です。ビタミンB1とともに、ビタミンB6とB12もとるように心がけましょう。

腰痛ベルトを着用する

腰痛があっても、仕事や家事など身体を動かさなければならないときがあると思います。そのときに腰痛ベルトでしっかりと腰を守ることで悪化するのを防ぐことができます。腰痛ベルトは市販でも売っていますが、できれば医療機関で購入することをおすすめします。ただし、市販品でもホールド力がしっかりしているものもあるので、腰痛で無理して動くよりは腰痛ベルトをして動く方が良いです。

腰痛と鞄の関係について述べました。鞄は毎日持つことが多いので、腰痛に悩まされている方は、鞄の種類や持ち方に工夫してみると改善されるかもしれません。ストレッチや腰痛体操などのケアを行い、腰痛予防を行いましょう。

参考文献
日経電子版|くらし&ハウス 暮らしの知恵|へそから指3本下の高さに 疲れないバッグの持ち方

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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