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「熱中症」と「腰痛」というと関係が無さそうですが、実は腰痛と熱中症の原因は同じである可能性があります。

原因が同じであるということは、腰痛がある人は熱中症にもなりやすい可能性があるということです。

腰の痛みが慢性的にあり、常に体がだるい、疲れが取れないといった症状にお悩みであれば、身体が熱中症になりやすい状態にある可能性が高いので注意が必要です。

熱中症と腰痛の共通の原因

腰痛と熱中症の共通の原因は、「自律神経の乱れ」です。

自律神経のバランスが乱れると、腰痛や頭痛などが生じやすくなり、慢性疲労や自律神経失調症など様々な不定愁訴を呈します。

また、自律神経は体温調節にも関わっているため、バランスが乱れると熱中症を生じやすい状態になってしまいます。

この自律神経の働きは、加齢により低下します。高齢者が熱中症を発症しやすい理由は、この自律神経の働きの低下です。

つまり、腰痛と熱中症の共通の原因は「自律神経の乱れ」というわけです。

自律神経とは?

自律神経とは

自律神経とは、自分の意思とは無関係に働いて身体のさまざまな機能の調節を行う神経です。身体の各臓器や、器官、手足の先にまで張り巡らされています。

一言で自律神経と言っても、「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられます。

この2つは、アクセルとブレーキのように相反する働きをしており、上手くバランスを取り合って身体の機能を調節しています。

このアクセルとブレーキの2つのバランスが乱れると、身体や心がヒートアップ状態になり、心身にさまざまな不調をきたします。

自律神経のバランスが乱れると?原因は?

自律神経 原因

交感神経と副交感神経のバランスに乱れが生じると、活動と休息の切り替えが上手くいかなくなり、心身の不調が出現します。

例えば、身体面では 疲労感、倦怠感、頭痛、肩こり、腰痛、めまい、動悸、息切れ、不眠、胃痛、悪心、腹痛、下痢などの症状が出現し、精神面ではイライラ、抑うつ、不安、落ち込むなどの症状が現れます。

では、自律神経のバランスが乱れてしまう原因は何なのでしょうか?

それは【ストレス】です。過剰なストレスがかかることにより、アクセルの役割をする交感神経が常に緊張した状態となります。

交感神経の働きが優位になり、ブレーキの役割をする副交感神経が弱まった状態が継続することで、自律神経のバランスが乱れ、体に数々の不調が生じることになるのです。

自律神経の乱れを引き起こす【ストレス】とは、精神的ストレスだけではありません。

体内時計と異なる生活リズムを続けること(生活リズムの乱れ)や、気温(寒すぎる、暑すぎる、寒暖差)や痛みなどの身体的ストレスによっても引き起こされます。

生活リズムの乱れもなく、特に大きな精神的ストレスもない状態でも、夏場冷房の効き過ぎた部屋に長時間居たり、冷房の効いた部屋と暑い外とを行き来することで身体的ストレスがかかります。そのため、夏場は自律神経の乱れを引き起こしやすいのです。

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自律神経の乱れと熱中症

自律神経 熱中症

自律神経は、体温の調節にも関わっています。

人間の身体は、外気温の上昇や運動によって体温が上昇すると、自律神経が体温を下げようと働きます。

自律神経がホルモンや神経伝達物質の分泌を促すことで、血管を広げさせて皮膚や末梢に多くの血液を循環させることで熱を放散します。また、発汗を促して、気化熱で熱を放散させ、体温を下げるよう調節します。

体温調節の要となる自律神経の働きが乱れると、身体の熱を放散する働きが正常に行われなくなってしまうため、暑い夏などには身体に熱がこもりやすく熱中症になる可能性があります。

高齢者や小さな子どもが熱中症を発症しやすいのは、単に身体が弱いというだけではなく、自律神経の働きが老化により衰えていたり、未熟であるからです。

自律神経の働きが十分ではないため、身体に熱がこもりやすいことに加えて、自覚症状を感じにくい・伝えられないため、対処できずに熱中症となってしまうリスクが高いのです。

熱中症を予防するためには、炎天下・高室温の場所を避けたり、こまめに水分補給をすることも大切ですが、自律神経のバランスを乱してしまわないような生活をする必要があります。

自律神経の乱れと腰痛

自律神経 腰痛

熱中症と腰痛の関係を説明するにあたり、自律神経の乱れと腰痛の関係についても触れておきます。

自律神経のバランスが乱れると、腰痛を生じやすくなります。

交感神経が優位になっている状態が続いている場合、筋肉が緊張し、血流が悪くなるため、凝りが生じて腰痛が起こりやすい状態になります。

これは腰に限らず、肩や首、頭など凝りやすい部位どこにでも起こる可能性があります。

腰痛などの痛みが生じて慢性化すれば、その痛みのストレスが交感神経を更に刺激して自律神経のバランスの乱れを悪化させて、腰痛が酷くなる…といった悪循環を生じてしまいまいます。

たかが腰痛と放っておくと、どんどんと悪化してしまう恐れがあるので、自律神経のバランスを整えるケアと、腰痛に対するケアの両方が必要です。

腰痛も、熱中症も、自律神経のバランスが乱れていると起こるリスクが高くなります。

自律神経に乱れからくる不定愁訴に心当たりのある方は、熱中症に気をつけましょう。

自律神経の乱れ予防方法、セルフケア

自律神経 セルフケア

自律神経の乱れを引き起こさないようにするためには、仕事や人間関係のストレスなどの精神的ストレスを溜め込まないようにすることです。

周囲の人に相談したり、自分ならではのストレス発散方法を見つけるなど、ストレスへの対処を行いましょう。

慢性的な痛みなど身体的ストレスのある方は、痛みの緩和に努めましょう。適切に痛み止めを使用しながら、ストレッチやマッサージ、有酸素運動といったリハビリなどを行って、痛みを感じる時間をできるだけ少なくしましょう。

また、生活リズムを整えることも重要です。不要な夜更かしなどはやめて、十分な睡眠をとり適度に運動を行うことが理想です。

夜勤をしている方は、昼夜逆転してしまいがちですが、その中でも太陽の光を浴びるように心がけたり、自分にあった生活リズムを規則正し、睡眠の質を高めるようにすると良いです。

スマートフォンの普及により、現代人は休息の時間もゲームやネットサーフィンで頭を使うことが増えました。

そのため、意識的にリラックスする時間を設けることが大切です。

リラックスしている時に優位になる副交感神経を働かせ、自律神経の乱れを予防するために、頭と身体をリラックスさせる時間を作りましょう。

具体的なリラックス方法

・ゆっくりと深呼吸を行う(十分に息を吐き切ることが重要)

・漸進的筋弛緩法(一度筋肉を意図的に緊張させて、力を抜くリラックス方法)

・40〜42度の湯船に10分間程度浸かる

・自律訓練法(自己暗示による不安解消法) など

セルフケアで改善しなければ受診を。

身体に不調がある場合、重大な疾病が生じている可能性もあるので、我慢せずに受診しましょう。

かかりつけの医院があれば、かかりつけ医に相談するのがベストです。

診断されれば治療が行われる

自律神経失調症と診断された場合、自律訓練法やリラクゼーションを行いながら、症状によっては薬物療法を行います。主に用いられるのは、自律神経調整薬、抗うつ剤、睡眠薬です。

腰痛と熱中症まとめ

身体の不調の原因が、自律神経のバランスの乱れによるものであろうとなかろうと、痛みやだるさ、気分不快などを我慢し続けると自律神経へ影響を及ぼして、状態が悪化してしまう可能性があります。

我慢できる身体症状・精神症状だからといって、我慢し過ぎずに一度医師に相談してみましょう。

参考:熱中症と腰痛

著者情報

腰痛メディア編集部
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