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寝返りで腰に痛みがでることはよくあると思います。

寝返りする時に筋肉に負担がかかると筋肉から痛みが出たり、寝返りする時に骨盤にずれる力が加わることで仙腸関節の痛みが出たり、あるいは椎間関節に負担がかかると痛みが出たりします。

筋肉からくる痛みには、マッサージや温める、針などの治療法も有効になります。

しかし、マッサージで一時的に痛みが取れても、日常生活で同じように筋肉に負担をかけ続ける生活をしていると、再び痛みが出てしまいます。そのためマッサージのような対症療法ではなく、痛みの起きない体にするために、体の使い方を身につけることが重要です。

仙腸関節の痛みが原因の場合は、骨盤輪を安定させるために必要な腹横筋を中心とした体幹筋のエクササイズ、下肢筋のストレッチを行いましょう。

椎間関節が原因の場合は、腰への負荷を減らすためのエクササイズを行いましょう。

このように寝返りで痛みが増すときにはいろいろな原因があります。

背中と腰の痛み 原因と対策

良い姿勢で立っているためには背筋や腹筋がバランス良く働いている必要があります。背筋が働きすぎていたり、重いものを持ち上げたり、スポーツで負担がかかりすぎると、筋肉に炎症が起こり、筋肉の周りの筋膜を刺激し、痛みが起きます。

筋肉の症状は温めたり、マッサージや鍼治療などでも引きますが、背筋の負担を減らすためには、エクササイズを通して正しい身体の使い方を身につけることが必要です。

背中に筋肉の張り、あるいは筋肉からくるような腰痛がある時に行う運動としては、筋肉筋膜を強く引っ張るような、体を大きく動かして背中の筋膜がよく動くような体操がおススメです。

また背中の痛みで重篤な病気の一つに癌の転移があります。がん細胞が血液に乗って背骨に流れてきて、そこで増えて、骨を壊し、骨が潰れて、背中に激しい痛みを起こします。

男性には前立腺がん、女性では乳がんが骨に転移しやすい癌です。そのため乳がんや前立腺がんの既往がある人で背中が痛い人には、注意が必要です。

もう一つは解離性大動脈瘤です。背骨の近くを通る大動脈の壁が傷んで中に血液が溜まってしまう病気ですが、血管が裂けるときに激しい背中の痛みを起こします。そして最後には動脈が破裂してしまい、血圧が下がって、死に至りますので注意が必要です。

さらに背中の痛みで特に高齢の女性に起きやすいのが背骨の圧迫骨折です。年を取って骨の密度が落ちてきて骨が弱くなってくると、布団を上げたりとか下の物を取ろうとするとか、ちょっとした力で背骨に負担がかかって骨折してしまいます。

骨が潰れた時には多くの場合、痛みを出しますが、なかには痛みなくちょっとずつ骨が潰れて背中が丸まっていく方もいます。背中が丸まる変形が起きてしまうと、重心が前に行くので、さらに背骨に負担がかかりやすくなり、圧迫骨折の連鎖が起きてしまいます。

そうならないようにするためには若いうちからしっかりと運動をして骨の密度を保つ必要があります。骨を強くするための運動としては特に決まったものはありませんが、ウォーミングとかジョギングとかある程度身体に重力の負担がかかるような運動をした方がいいでしょう。

また背中の肩甲骨の内側あたりに痛みが出る場合には、首の関節から痛みが来ている可能性があります。首にも腰と同じ椎間関節と椎間板があって、そこに負担が加わって痛みを出すことで、肩甲骨の内側の辺りまで下がっていくことがあります。上を向いたり首を回したりすることで背中の痛みが強くなる場合には、その痛みは首から来ていると考えてください。

首にも良い運動は色々とありますが、ピラティスのロールアップなどは首の筋肉を使う効果的なエクササイズだと思います。

肩こりと腰痛 原因と対策

肩こりと腰痛には因果関係があります。

肩こりが起きる一番の原因は、肩甲骨と首の骨を繋いでいる僧帽筋という大きな筋肉に負担がかかることです。もしくは肩甲挙筋という肩甲骨を上に引き上げる働きをする筋肉の痛みが肩こりになります。

僧帽筋はアウターマッスルの一種で、手を動かす時に肩甲骨を胸郭に安定させるために僧帽筋上部が働きすぎていると、疲労によって肩こりが起きてしまいます。

肩甲骨の内側についている菱形筋という筋肉をうまく使って、肩甲骨を内側に引き寄せて僧帽筋上部の負担を減らすことが必要です。菱形筋がうまく働かず肩甲骨が外側に開いてしまうと、肩が前に出て背中が丸まった姿勢になってしまいます。

重心が前にいってしまうと、腰の骨を引っ張る脊柱起立筋に負担が増えてしまいます。それによって、脊柱起立筋の筋筋膜性腰痛を引き起こしてしまいます。菱形筋をうまく使い、良い姿勢を保つことが肩こりや腰痛に有効です。

筋肉に過度な負担がかかることによって、痛みが出ることが多いので、筋肉からくる痛みには、マッサージや温める、針などの治療法も有効になります。

しかし、マッサージで一時的に痛みが取れても、日常生活で同じように筋肉に負担をかけ続ける生活をしていると、再び痛みが出てしまいます。そのためマッサージのような対症療法ではなく、痛みの起きない体にするために、ストレッチや体の使い方を身につけることが重要です。

参考:腰痛 日本整形外科学会

著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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