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腰痛を抱えている人は、手足の冷えや胃の不調などに悩んでいる場合が少なくないでしょう。便利な社会だからこそ、ちょっとしたラクを積み重ねた結果、血行不良や自律神経の乱れを引き起こし、しつこい腰痛に悩まされるのです。この記事では「手足の冷え」と「内臓の疲れ」にフォーカスして腰痛との関連を解説するとともに、オススメの改善方法をご提案します。

メカニズム編「手足の冷えと内臓疲れが引き起こす腰痛」

「手足の冷え」と「内臓の疲れ」

手足の冷えと胃腸など内臓の疲れは、腰痛と関係があります。冷たいものを好んだり、駅の階段を避けたりと、ちょっとラクする生活習慣が身についている人も多いのではないでしょうか。手足の冷えは、単独で起こっているのではなく胃腸などの”内臓の疲れ”も要因のひとつと考えられます。手足が冷えている時は、内臓が冷えるような行動をとったかどうかを思い出すことも腰痛改善に有効です。

さっそく、内臓が疲れている時とはどのような状況が考えてみましょう。例えば、冷たいものや早食いなど、胃腸への負担が大きな食行動をとれば、下痢や便秘などを引き起こします。その時、身体の中では下記の反応が起こっています。

胃腸に冷たいものが入ってくると、胃腸の温度が低下しないよう、周りの筋肉が硬直して熱を産み出す

筋肉が硬直・血管が収縮して血流悪化

生命維持の根幹となる脳と内臓を優先して血液が流れ、優先度の低い手足に血液が流れにくい状態になる

肺ではどうでしょうか。肺も生命維持に重要な臓器なのは言うまでもありません。しかし、その疲れや冷えは、日常に幾度も訪れるので意識が向くことは多くないでしょう。

とても寒い部屋・急に冷たい風が流れてきたりした時、冷たい空気を呼吸で取り込む

肺がダイレクトに冷えのダメージを負わなくて済むように、筋肉が硬くなり熱を産み体温を維持する

肺周りの筋肉が硬直・血管が収縮、優先度の低い部位の血流悪化

このように、胃腸や肺が疲れてしまうと生命維持に関わるので、優先度の低い末端部位が冷えるという仕組みです。私たちの体内では、臓器を守るために筋肉が硬くなることで、体温を維持するシステムがフルに働いているのです。

冷えは、自律神経の交感神経を優位にし、血管を収縮させます。この働きにより、血流が低下して各組織がダメージを受けた結果、痛みの誘発がなされます。これ以上無理しないようにという脳からのサインです。

ところが、交感神経が優位な時は戦闘モードでもあります。多少の痛みや違和感があっても、我慢できてしまうのです。仕事が終わり、交感神経優位モードから解放されたと同時に、激しい痛みを覚えるのはこのためです。気づいた時には、痛み止めの薬を飲まなければ帰宅できない程の腰痛が起きていた、といった経験のある人も多いでしょう。

「筋肉の緊張」

内臓が弱ると、生命活動に支障をきたします。それを阻止すべく登場するのが、背中まわりとお腹周りの筋肉です。筋肉が収縮して緊張した状態になり、大事な内臓を守ります。やがて、筋肉にも疲労がたまり、筋肉そのものが無理な動きをしている状態になります。結果、腰痛を引き起こしてしまうのです。

まず、腰痛を起こす外的な要因として、ふと誰かと接触したり、意図したタイミングではない動きをしてしまったりしたとき、腰の張りや痛みを感じることになります。場合によってはギックリ腰を起こしてしまう可能性もあります。

次に、腰痛を起こす内的な要因として、手足の冷えという感覚です。私たちは、お腹を下したり痛みを感じる段階に達したりしていない時は、内臓の冷えを自覚することは難しいでしょう。寒い日でも、喉が渇いていると冷たい飲み物につい手が出てしまうもの。

一方で、手足が冷えると自覚はしやすくなります。末梢神経の働きによるもので、寒さや痛みなどの感覚に敏感な部位だからです。自覚しやすいからこそ、苦痛から逃れるためにポケットに手を入れたり腕を組んで背中を丸めて縮こまったりします。

このように、感覚に連動してとってしまいがちな行動により、さらに筋肉が硬直して血流悪化が起こり冷えのループに入ってしまいます。精神的な疲労やストレスによる冷えでも同じことが起こっています。精神的な負担は交感神経を優位にし、戦闘モードに入るので筋肉はこわばります。

環境的ストレスと精神的ストレス、そのどちらも内臓を冷やし、手足の末端に流れる血流をダウンさせてしまう要因に。手足の筋肉と関節が硬くなることにより、動きに無理が生じ、腰に大きな負担がかかり痛みを引き起こしてしまいます。

アプローチ編「筋肉を動かし、内臓をいたわり腰痛改善」

「冷やさない生活習慣」

腰痛を引き起こしてしまう生活習慣を断ち切るためには、日常の過ごし方を見直すことがファーストステップです。自律神経の働きを意識した行動は、腰痛改善へのカギとなります。目指すべきは、副交感神経の働きで手足の冷えと内臓の疲れを改善すること。結果、冷えが引き起こす筋肉の硬直を防ぎ、腰痛予防になるのです。

温かいものを飲み胃腸に負担をかけない

白湯をはじめとした胃に優しい飲み物を飲むことで、胃腸の働きが活発になります。胃腸の働きは主に副交感神経が優位になるので、心身ともに全身のリラックス効果があります。冷たいものではなく、温かいものを飲むことで血流を内臓から促すことができます。冷えたらとにかく温かいものを摂りましょう。

カイロなどを骨盤のあたりや背中に貼る

骨盤の中央に位置する仙骨を温めることで、自律神経の働きを活発にします。緊張状態の筋肉をほぐすことで内臓機能を回復させるキッカケを作ります。

口呼吸より鼻呼吸をする

鼻呼吸では、口呼吸よりも空気の温度を高くしてから肺へ取り込むことができます。より体温に近い空気を取り込むことで肺への負担を軽減できるのです。

上記は、自律神経の働きを特に意識した例ですが、生活スタイルによりさまざまな方法があるでしょう。身体の中で起こることを知ることで、身体をいたわる行動を意識することができるようになります。

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「動くことで筋肉をしなやかに維持する」

冷えからの悪循環を繰り返す人は、もともと熱の発生源である筋肉量が少ないことも大きな要因です。女性に冷えやすい人が多いのは、男性よりも筋肉量が少ないからです。筋肉量を増やすことで、エネルギーのある体質にすることがベストなのかもしれません。筋肉が増えると基礎代謝がアップして身体の冷えを予防できるからです。しかし、本格的に筋肉量を増やすには、知識も体力も時間も必要で、言葉で言うほど簡単にできるものではありません。

そこで、筋肉量を増やすのではなく、今ある筋肉を「動く筋肉」に変えることにフォーカスしましょう。日常の中で今日から実践できることがあるはずです。例えば、駅では積極的に階段を使ったり、自転車から徒歩に変えたりなどが挙げられます。日常の中で、ちょっとしんどいなと思う方を選択するのです。しんどいと感じる時は、筋肉を使って動いている状態ということです。

動かない筋肉は熱を産み出してくれません。アクティブな状態の筋肉こそが熱を産み出し、血流をアップするための主力となります。筋肉が硬い状態ではなく、温かくしなやかな状態であれば、血流は良くなります。全身の血流が良くなり、身体の内側にある内臓から温まるのです。

筋肉がしなやかであることは、腰痛予防と腰痛改善に大きく近づくポイントです。

・腰まわりの筋肉がスムーズに動き、負担が軽減され腰痛予防になる
・副交感神経の働きを活発にするので、副交感神経からの好影響をダイレクトに受ける内臓が元気になる
・内臓が元気になれば、その周りの筋肉も硬直する必要がなくなりリラックスしやすい体になる

リラックスしやすい身体というのは、各所の関節や筋肉を緩めることができるバランスの良い身体のことです。立ちっぱなしの生活の人も、座りっぱなしの生活の人も、血流の良い身体作りを意識することが大切。身体を緩めることが上手になれば、腰痛や背痛、肩こりなどを改善しQOLをアップすることができるでしょう。

まとめ

腰痛の大きな原因の一つ、腰周りの筋肉の痛みは、副交感神経と交感神経のバランスを整えることで改善を目指せます。内臓の働きを活発化させたり、血管を拡げたりする副交感神経、筋肉を硬くしてエネルギーを発揮したり、血管を縮めたりするのが交感神経。

どちらにも大切な役割があります。両者に適切に働いてもらうことで、手足の筋肉がしなやかに動くようになり、腰への無理な負担を軽減できるのです。腰痛対策は、心も身体もトータルケアでアプロ―チすることが効果的です。

参考URL
腰痛の原因は手足の冷え?原因と対策をご紹介
腰痛と手足の冷えの関係を解説|冷えからくる腰痛や腰の病気が原因の足冷えを紹介

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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