MENU
メニュー

首のヘルニアとはどんな病気?

頸椎椎間板ヘルニアとは頸椎のクッションの役割をしている椎間板の中にある髄核が何らかの原因により突出することによって起こります。突出した椎間板は首の神経を圧迫し様々な症状がでます。首の骨は椎骨と呼ばれ、この椎骨は人間の体に24個あり、首には7つあります。

第2-第7椎骨までは間に椎間板が存在しており、中心部にはゲル状の柔らかい物質があります。これを髄核と呼びます。主に加齢により首のヘルニアが起こることが多いと言われています。

特に働き盛りの男性は運動負荷が大きく、首のヘルニアを発症しやすい傾向にあります。なんと女性に比べて男性の方が約2倍も首のヘルニアになりやすいと言われています。

その他にも無理な運動や事故によって発症することもあるそうです。首のヘルニアの原因や治療を理解し適切な治療を選択していきましょう。

首のヘルニアはなぜおこる?

椎間板の中心にある髄核が突出することにより起こることは上述しましたが、首の椎骨は縦方向の圧力には強度がありますが、横方向の圧力には脆弱です。

つまり、首を強く曲げたり反る、横に曲げたり捻ったりといった動作には弱いことが分かっています。姿勢が悪いことでも首への負担は増加します。急に重たいものを持つことや、体力に自信があるからと激しい運動をしてしまいがちな中高年男性は注意が必要です。

重たいものを持つ際には、首に負担がかかりにくい持ち方があります。また、運動をする前には首の準備運動が必要不可欠です。

首のヘルニアは普段の姿勢によっても発症しやすい病気です。首より下に腰椎と呼ばれる椎骨が12個ありますが、姿勢が悪く腰椎が曲がっていると首の椎骨は自然と後方へ反るためヘルニアをきたし易くなっています。

最近では長時間のデスクワークやスマートフォンの操作などで首の痛みを訴える人が急激に増加しているようです。

首のヘルニアの経過は?

首のヘルニアは、軽症から順に頸椎症状、神経根症状、脊髄症状の順に重症度が進行していきます。

頸椎症状(軽症)は、首や背中、肩に不快な症状が出現します。この症状は首を後ろに反らした時や重たいものを持った時に痛みが強くなります。

神経根症状(中等度症)は、脊髄から分岐する神経根が圧迫され起こる症状です。筋力の低下、感覚障害、腕や手のしびれや痛みが出現します。

神経根症状の場合は両方の腕や手に症状が出現するのではなく、どちらか片方に症状が出ます。この症状は首を後ろに反らすことで神経根が圧迫されて症状が強くなる特徴があります。

脊髄症状(重症)は、両方の腕や手、両方の足に力が入りにくくなりやすく、感覚が分からなくなります。

したがって、箸の操作やボタンをかけるといった細かい動作ができなくなります。足に力が入らなくなると、歩行が不安定、もしくは早い速度で歩けなくなります。

さらに、排尿や排泄に関わる神経や筋肉がうまく機能しなくなる膀胱直腸障害と呼ばれる症状が出ます。その結果、尿意や便意が分からなくなり失敗する頻度が非常に高くなります。

首のヘルニアの重症度別の治療法は?

軽症の場合

首のヘルニアの症状が軽度の場合は保存療法(安静・固定、薬物療法、神経根ブロック)を行うのが一般的です。首を固定する頸椎カラーを装着し数日間様子をみます。

痛みやしびれが改善するなどの効果があれば1-2カ月間装着を継続します。むやみに装着することでかえって首の筋肉を委縮させてしまい痛みが残ることもありますので効果が望める場合のみ着用を継続することをお勧めします。

上方から首を引っ張る牽引療法や痛みにより二次的に筋肉が固くなりさらなる痛みが生じた部位へのストレッチ・マッサージ等の理学療法も効果があると言われています。

このような保存療法で約3カ月治療を行うことで首のヘルニアの約9割が改善するということです。

薬物療法では消炎鎮痛剤(痛み止め)、筋弛緩薬、ビタミンB剤が用いられます。

消炎鎮痛剤や筋弛緩薬は痛みを緩和するだけではなく、二次的な痛みを予防するためにも必要です。

ビタミンB剤は神経の腫れに効果があるため同時に痛みやしびれを抑えてくれます。胃や腸の手術をされている方は薬物療法が難しい事もあるためお医者さんと相談するようにしましょう。

神経根ブロックは、髄核が飛び出て神経を圧迫している場所に直接局所麻酔剤やステロイド剤を注入します。

また、痛みが出ている場所に麻酔を注入することも可能です。これにより痛みが出ている場所の痛みを軽減させることができます。痛みにより力が入ることで二次的に血行が悪くなることや、筋肉が痛くなることがあります。

痛みが軽減することにより、二次的な痛みの予防にもなります。

麻酔の効果は通常1週間程度持続します。麻酔が効いている間に飛び出た髄核が元の位置に戻ることもあり有効な手段であると思われます。

中等症の場合

保存療法を試みても改善が乏しい場合は手術療法を検討する必要があります。中等症の場合に最も有効と思われる手術はレーザー治療と椎間孔拡大術です。

レーザー治療は飛び出た髄核を元の位置に戻す手術ではなく、飛び出た髄核にレーザーを照射して枯らしてしまう方法です。1-2時間と手軽に実施できるのがメリットです。しかし、全ての頸椎ヘルニアに実施できるわけではなく、重度の頸椎ヘルニアには実施できないというデメリットもあります。

また、先進医療となっているため保険適応外であることもデメリットとしてあげられます。病院によっても異なりますが、1部位につき約20万円程度の費用が掛かることを覚えておきましょう。

椎間孔拡大術は、内視鏡下で行われるため創が小さく、創はおよそ1cm程度となるため目立ちにくいです。内視鏡を挿入し椎間孔と呼ばれる神経が通る道を広げたる場合、神経を圧迫している髄核を取り除く手術となっています。

この治療は主に神経根症状が出現している場合に適した手術です。重症度でいうと中等度~重度の頸椎ヘルニアに適していると言えるでしょう。この手術は首の前面または後面から行います。

首の前方から行うことは稀であるためほとんどの場合は首の後面から行います。脊髄症状が出現している場合は対象外となるため注意しておきましょう。

治療成績も良く、創も小さく済むため非常にメリットの多い治療となります。

しかし、内視鏡による椎間孔拡大術は保険適応外となるため病院によっても異なりますが費用が約100万円程度掛かることがデメリットと言えるでしょう。

重度の場合

両足に力が入らない、尿便意の感覚が分からない(膀胱直腸障害)、等の髄核が脊髄を圧迫している脊髄症状が出現している場合は前方固定術の適応になります。

この手術は髄核が飛び出て神経を圧迫している場所の椎間板を取り除いたり、骨を削ることにより除圧を図る手術です。もちろん椎間板が無くなれば頸椎と頸椎は骨が擦れるため痛みが出現します。

そのため、椎間板の代わりに人工のクッションを入れ込み、頸椎と頸椎の衝突を緩和します。この手術は脊髄症状が出現するような重症の頸椎ヘルニアに有効です。前方固定術は保険適応となるため手術費用が安く抑えられるのはメリットと言えるでしょう。

反対に創口が比較的大きく、見た目にも分かることから美容的観点から見るとデメリットと言えるでしょう。

まとめ:首のヘルニアの治療方法

①コルセット着用による首の安静・固定

薬物療法(消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、ビタミンB)

③ストレッチやマッサージ等の理学療法

④神経根ブロック注射

⑤レーザー治療

⑥椎間孔拡大術

⑦前方固定術

上記の方法が一般的とされていますが、しっかりとインフォームドコンセントを行うためにも知っておくことをおすすめします。

そして、現在のヘルニアの進行度や症状に合わせて治療方法などについて、お医者さんと一緒に考えましょう。

治療を行う前に!まずは正しくご自身の「腰痛」について知ることが大切です。

腰痛に関して知識が少ない場合でも、初めて正しい運動療法などのアプローチができるようになったり、正しい問診・診断が行えたりするように場所を問わず、医療現場で活躍している先生に相談できる取り組みです。

具体的には、以下のように先生方が医療現場において普段行っている問
診・診断の方法を、オンライン経由でチャット形式で簡単に答えるだけで自動で問診、病態別リスク評価を行い、個人に合わせた指導や運動を提供させて頂きます。

もしも、今腰痛や身体の不調に悩まされている場合には、一度お試しすることをおすすめします。

無料の自動問診サービスアプリはこちらから

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

この著者の他の記事を見る
wholebodyeducator