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はじめに
コロナ渦で自宅にいる人が多く、活動性が下がることで腰痛に悩まされている人も少なくないと思います。腰痛にはとにかく湿布を貼って対処しているという人も少なくないと思いますが、はたして腰痛には湿布が効果的なのでしょうか。腰痛の中には、湿布に頼っていい痛みと、湿布に頼っていてはいけない痛みがあります。
今回は腰痛の原因を少し探るとともに、湿布の効果や正しい使い方を学んでいきましょう。

湿布で治る腰痛と治らない腰痛

腰痛と一概にひとくくりでまとめても、腰痛にはさまざまな原因があります。整形外科的な原因の場合、筋肉による痛みや骨、関節、靭帯の痛み、神経の痛みなど腰の周りには痛みが起こる部位がたくさんあります。腰痛の原因はこれだけにはとどまらず、内科的、神経的要因、精神的要因などさまざまな原因が挙げられますが、まずは最近急に痛くなった急性的な痛みなのか、数週間以上の長い間悩まされている慢性的な痛みなのかに分けて考えていきましょう。

急性的な痛み

運動をしていたら急に腰が痛くなった、何かものを持ち上げたきっかけで急に腰が痛くなったなど、急性的な痛みの場合は腰周囲の組織に損傷が起こっている可能性が高いです。立って歩けない程度の痛みの場合はそのままにせずなるべく早く医師に相談したほうがいいでしょう。
痛みがあっても歩ける、仕事に行ける程度の日常生活に問題ないレベルの痛みの場合は、湿布での対応が可能です。

慢性的な痛み

長期的に腰の痛みが続いている場合や、寒い季節になると腰の痛みが出てくる場合などの慢性的な腰の痛みがある場合、湿布を用いても直接的な原因の改善にはならない場合が多いです。もちろん対処療法として湿布を利用することで、痛みの軽減を図り生活を楽にはできます。しかし根本的な腰痛の原因を改善しないと、一時的に腰痛がおさまっていてもまたふとした拍子で痛みが戻ってきてしまうことが多いです。
慢性的な腰痛がある場合、腰痛の根本的な原因を解明するとともに、湿布を活用して痛みを和らげた状態で、ストレッチや運動などを取り入れて痛みの改善を図るといいでしょう。

👉慢性腰痛の治し方マニュアル|現代人にありがちな4つの原因も

湿布の種類と使い方

湿布にはさまざまな種類と、それぞれの効能があります。痛みの原因が分かったら、原因に合わせて湿布を上手く使い分けることで早期に腰痛の改善を図ることができます。

冷湿布

湿布と言われると多くの人がイメージする、肌に貼ったときにひやっと冷たく感じる湿布です。
冷湿布の主な成分はサリチル酸メチル、メンソール、ハッカ油など炎症を抑える作用のあるものです。冷湿布は上記の抗炎症作用成分に加えて、貼った部位を冷却して炎症を抑える効果もあり、急性的な腰痛に効果があります。

温湿布

温湿布は肌に貼ると暖かく感じる湿布です。主な成分として冷湿布と同じサリチル酸メタルの他に、トウガラシエキスなどの温かさを感じられる成分が含まれています。温湿布には血行促進効果もあり、急性的な炎症が起こっている部分に使ってしまうと、炎症症状を助長してしまう可能性があるため、急性的な腰痛には不向きです。
温湿布は慢性的な腰痛がある場合に使いましょう。温湿布を使うことで痛みがコントロールでき、生活動作が楽になることがあります。

プラスター剤

テーピングに使われるような薄いタイプの湿布です。主な有効成分は冷湿布や温湿布と同様サリチル酸メタルですが、冷湿布や温湿布のように厚みがなく、伸縮性があるため患部にしっかりと密着してくれます。急性的な痛みでも慢性的な痛みでもどちらでも使うことができます。特にしっかりと肌に密着して剥がれにくいため、活動性が高い人に向いています。

冷却シート

冷えピタのような冷却シートにも患部の熱をとり炎症を抑える効果があります。
冷却シートはたっぷりと水分を含んだシートでできており、その水分が蒸発していくことで患部の炎症や熱をとってくれます。冷却シートも急性的な腰痛に効果的と言えます。

湿布の正しい選び方と使い方

腰痛が急性的なものか慢性的なものかを判断

上記で4種類の湿布をご紹介しましたが、湿布の選び方はまず腰痛が急性的な痛みなのか、慢性的な痛みなのかで判断しましょう。急性的な痛みの場合は、炎症や熱を抑える冷湿布、冷却シートが効果的です。慢性的な痛みの場合は、温湿布で血液の流れもよくしながら痛みを改善していくといいでしょう。プラスター剤は急性、慢性に関わらず使うことができるので、自分の腰痛が急性的なものか慢性的なものかわからない場合もプラスター剤を使うといいでしょう。

湿布を貼るのに正しい時間はいつ?

急性的な腰痛の場合は、痛みを感じた直後に湿布を貼れると理想的です。抗炎症作用が痛みの部位に作用して、炎症を抑えてくれるからです。
慢性的な腰痛で継続的に湿布を利用している場合、湿布を貼る時間帯は入浴後など体が温まっているときが有効的です。血行が良いときに湿布を貼ることで、効率よく湿布の有効成分を患部に届けることができます。

湿布は何度も貼り直したほうが効果はあるの?

有効成分が含まれている湿布は、1日に何度も貼り直すと効果が高いというわけではありません。湿布に含まれている有効成分は、肌に貼った後患部に浸透して炎症部位に作用します。そのため湿布を剥がした後も湿布の有効成分が患部に作用していることが多いです。湿布の種類によってその効能時間は数時間〜24時間と異なるので、利用する湿布の使用方法によく目を通して使いましょう。

湿布はどこに貼るのが効果的なの?

腰痛がある場合、痛みを一番感じる部位に貼りましょう。腰痛は体の内部の痛みのため、部位が断定しにくい場合が多いですが、湿布の成分が浸透していってくれるため貼る部位が多少ずれていても問題ありません。また、湿布が剥がれやすい場合は、サージカルテープや腹巻、コルセットなどを使って湿布が剥がれてこないように工夫すると良いでしょう。

湿布を貼る上で気をつけることは?

湿布は肌に直接貼るものなので、アレルギー体質や肌の敏感な人、海水浴などで日焼けした後や、ホルモンバランスが崩れているとき、体調が優れないときに利用する場合は肌荒れなどを起こすことがあります。不安な人はまず短時間から狭い範囲で利用してみるなど、肌の様子をみながら使ってみましょう。
万が一肌に赤みが出てしまった、火傷のようになってしまった、湿布を貼っている部位が痒くなってきたなどの肌荒れを起こしてしまった場合は、湿布の利用は一時的に中止して肌の状態が落ち着いてから再度利用を検討するか、または湿布以外の他の治療法がないか医師に相談してみましょう。

湿布で腰痛は完全に治るの?

湿布で効果がある腰痛は、急性的な炎症による腰痛です。湿布はその炎症を抑える手助けをしてくれるため腰痛に効果があると言えます。
しかし急性的な腰痛が長引いて慢性的な腰痛になってしまった場合や、加齢や冷えなどからくる腰痛は湿布だけに頼っていても完全によくならないケースが多いです。腰痛は慢性的になればなるほど、完治が難しいとされています。そのため特に急性的な腰痛が慢性的になってきた人は注意が必要です。腰が痛くなることが多くなった、数日前の腰痛が数週間経っても治らない場合は、湿布で痛みを抑えるだけではなく、一度整形外科を受診し、医師や理学療法士などの専門家の意見を聞いてみることも大切です。

さいごに

腰痛は痛みを感じるだけでなく、その痛みから生活がしにくくなったり、気持ちが後ろむきになったりします。腰痛が発生した早期の段階で湿布を活用することも有効ですが、その腰痛の原因を明らかにして、それに対処した治療法や生活改善を目指すことも大切です。
腰痛の改善にはストレッチや有酸素運動などが効果的です。湿布を貼っておけば大丈夫と痛みを後回しにしてしまわずに、早期の正しい対処で早期改善を目指しましょう。

参照
医療法人メディカルフロンティア,腰痛は湿布で改善できる?気になる効き目や効果的な貼り方をご紹介

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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