日本人の多くの方がお悩みを抱えるのが「腰痛」。病院を受診してまず処方されるのが湿布といった鎮痛剤です。ドラッグストアでも湿布の購入は可能なため、まずは湿布で腰痛の症状改善を試みようとする方もいるでしょう。時折、適切な湿布を選択し、効果的に貼ることができていないといったことが見受けられます。
当記事では、みなさんが使用する湿布の効果や正しい湿布の選び方、湿布の貼り方のコツなどご紹介します。湿布の効果を正しく理解し、腰痛を解決しましょう。
目次
湿布の効果とは
そもそも、湿布の効果とはどのようなものでしょうか。湿布というのは、医学的に痛み自体を和らげることはできるものの、腰痛を完全に治す効果は得られないといわれています。ということは、湿布を使う意味がないのでは?!と疑問視される方も多いでしょう。しかし、腰痛があるからといってすぐに鎮痛薬に頼ってしまうと、耐性がついてしまい、痛みが強まった場合やいざというときには、鎮痛薬を飲んでも効果が得られなくなってしまいます。
貼付財や薬剤を使うは効果が低いものから使用し、痛みの度合いに応じて変更していくのが、ベストな使い方です。まずは、手軽に手に入る湿布を貼り、改善の程度を確認してみると良いでしょう。そして、腰痛の症状改善が見られない場合や悪化する一方という場合には、早期に病院を受診し、検査してもらうことがおすすめです。
腰痛に効果抜群!湿布の選び方
腰痛以外に、筋肉痛や捻挫、肩こりなどを感じ、症状を和らげたいと思って使用するのが湿布です。しかし、湿布といっても温湿布・冷湿布の2種類あり、どういう場合にどちらを使うのか、迷った経験がありませんか。間違った湿布を使用することで、治りが遅くなってしまいかねません。適切な湿布を選択し、早期に腰痛の改善を図れるよう、湿布温湿布・冷湿布それぞれの効果を見ていきましょう。
種類の使い分け
冷湿布
貼ったときのひやっとした気持ちよさから、まずは冷湿布を使うといった方も多いはず。しかし、冷湿布は、筋肉痛や打撲、捻挫、ぎっくり腰など急性期の痛みに対して貼ることで、効果が得られます。特に、患部に熱感や腫脹、急性期の痛みがある際には最適です。痛みの程度が軽症であれば、市販で購入可能なのびのびサロンシップやウィンパスIDなど。
温湿布
温湿布は腰痛や肩こりなど慢性的な痛み、筋肉がこわばっている痛みに対して貼ることで、効果が得られます。温湿布にはカプサイシンという身体を温める効果のある成分が配合されており、ポカポカとした感じを体感できるでしょう。慢性的な腰痛や関節痛は、冷やすと痛みが増しやすい傾向があるため、温めると痛みをより和らげられます。
形状の違い
湿布は形状にも違いがあります。使い分けることで適切な効果が得られるでしょう。
パップ剤
パップ剤とは、白く厚手の生地である湿布をいいます。医薬成分以外に、水分を多く含んでおり、水分蒸発に伴い、患部の熱感や痛みを和らげる作用があります。肌との密着性が弱く、ちょっとした刺激で剥がれやすいため、パップ剤を貼る際には包帯やネットで保護すると良いでしょう。また、効果の作用時間は短いため、こまめな交換が大切です。
テープ剤
テープ剤は、肌色で薄手の生地である湿布をいいます。パップ剤と比べると、肌との密着性は強いため、曲げることの多い関節へよく動かす筋肉部位へ貼っても剥がれづらいといえます。効果の作用時間は長めであるため、パップ剤よりは交感頻度も少なくて済むでしょう。しかし、長時間の貼付により、スキントラブルを起こしやすいため、注意が必要です。
痛みの度合いに応じて、種類や形状を使い分けることがおすすめですが、強い腰痛など症状の改善が図れない場合は、病気が引き金で腰痛を引き起こしている場合もあるため、一人で抱え込まず、早期に病院を受診し、専門医に相談することも重要です。
知っておくべき副作用
湿布は炎症を抑える効果もありますが、肌質が弱い方やテープ類などかぶれやすい方などは、一定期間貼り続けることにより、貼っていた部分に発赤や掻痒感などを感じるでしょう。湿布は痛みを和らげてくれる効果がある一方で、皮膚へ刺激を与えるため、呼吸困難や喘息発作、アレルギー症状、スキントラブルなどの副作用が引き起こされるため、貼る場所や貼り替えのタイミングを知っておくことが大切です。
湿布の貼り方のポイント教えます!
湿布の効果や副作用を踏まえ、適切な方法で湿布を使用し、湿布による腰痛の鎮痛効果を最大限得られるようにしていきましょう。湿布を貼る場所の工夫や貼り替えのタイミング、注意点などご紹介します。
貼る場所の工夫
腰痛に対して湿布を貼り替えるとき、なえるべく同一部位への貼付は避けましょう。同一部位へ長期的に湿布を貼ることで、副作用が生じやすくなります。特に、直射日光が当たる部位への長期間の貼付は、外出時など日光が当たった際に皮膚のアレルギー症状が生じ、新たなトラブルを起こしかねません。
貼り替えタイミング
基本的に1日1回貼りかえることをおすすめします。しかし、パップ剤は水分の蒸発程度により効果が半減されるため、こまめに貼り替えるとよいでしょう。また、寝ている間に腰痛が強まるといった方は、寝る前に貼り替えるなど工夫を凝らしてみてください。
湿布を貼るときの注意点
・患部は清潔にしたあと、乾燥させてから貼る。
・患部の大きさに合わせて、湿布を切るなど調整する。
・テープを貼る際には、しわがよらないように貼る。
・テープ剤など種類によっては、直射日光が当たる部位への貼付を避ける。
・湿布の有効期限を確認し、期限内に使い切る。
湿布の代用法
突然の腰痛が起きた場合、冷湿布や温湿布がないときがあるでしょう。そんなとき、自宅にあるものの中から、湿布の代用として使えるものをご紹介します。
冷湿布の代わりとしては、保冷材や氷嚢、アイスノンを患部に当て、温湿布の代わりとしてはカイロなどを使用し、痛みの緩和を試みることも可能でしょう。貼付剤以外に、鎮痛薬などの飲み薬で痛みの調整を図ることもおすすめです。痛み止めも湿布同様、腰痛を完治させるわけではないため、その点をしっかり理解してから、使用するようにしましょう。
他にも、適度なストレッチ、ウォーキングや水泳などの運動をすることで、腰痛の症状改善を図れる場合もあります。組み合わせることで鎮痛効果がさらに得られる場合もあれば、反対に、ぎっくり腰を発症させるリスクや悪化させるリスクもあるので、その点も注意が必要です。一度、病院を受診したり、定期的に整骨院などで身体の状態を客観的に見てもらうことで、自分自身の腰痛に合わせた対処法が見つかるでしょう。
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湿布は、腰痛の完治につながるものではなく、腰痛の程度によっては効果が得られないものもありますが、痛みの度合いや種類によっては、症状の改善を図れるでしょう。湿布の効能や貼り方を正しく理解し、使用することで、湿布の効果を最大限に得られるため、腰痛があるからといって諦めず、自分に適した改善方法を探すことが大切でしょう。
稀に、湿布を貼ることで腰痛の症状が悪化し、症状の改善が見られない場合もあります。そういった場合には、他の要因が関連したり、大きな病気が隠れていたりする可能性もあるため、病院を早期に整形外科を受診するようにしましょう。当記事が、腰痛にお悩みの方のお力になれたら幸いです。
■参考文献
・医療法人メディカルフロンティア/医療ブログ
・医療法人メディカルフロンティア/医療ブログ
・社会医療法人 将道会 総合南東北病院/冷湿布と温湿布の使い分け
・(株)ココカラファイン/冷感も温感も!湿布の選び方や使い方
・ あかまる整形外科・脊椎(せきつい)クリニック/温シップと冷シップの使い分けについて