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多くの人を悩ませるつらい腰痛には、筋肉の凝りや血流の悪さなどさまざまな原因があります。
その中でも大きな原因の一つと言われているのが、背骨の歪み。

体の軸である背骨が歪むと、体のバランスに左右差が生じたり、神経が圧迫されたりとさまざまなトラブルを招きます。

さらに、そのトラブルが筋肉の凝りや血流の悪さを招き、最終的に腰痛となって表れるのです。

「背骨が歪むようなことはしてない!」と思った方もいるかもしれませんが、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、何気ない日常生活の中で少しずつ歪みが生じている可能性があります。

ヨガのポーズで適度に背骨を動かして歪みを解消し、腰痛とお別れしましょう。

この記事では、背骨の歪みを整えるヨガポーズをご紹介します。

そもそもヨガって何?

ヨガポーズを紹介する前に、ヨガに関することを紹介します。早く実践したい方は読み飛ばしてください。

ここ数年で、健康法やダイエット法の1つとしても注目されている「ヨガ」。古代インド発祥のヨガにはサンスクリット語で「つながり」という意味があり、元来「苦痛から開放され、安定した心身を作る」ことを目的としています。

ヨガと一言に表しても実際にはいくつかの種類があります。

ハタヨガ:身体の調節のために行うヨガ
ラジャヨガ:瞑想などを通して心のコントロールを行うヨガ
カルマヨガ:奉仕の精神を養うヨガ

私たちが普段触れているヨガは、この中の「ハタヨガ」に当たります。本記事では、ハタヨガ=ヨガとして扱います。
ヨガは「心と身体」のような対立している存在を1つに融合するために、さまざまなリラクゼーションを行います。

つらい腰痛はヨガで改善できる?

日々、つらい腰痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。中には腰痛を改善させたいけれど痛みが強くて運動をするのは少し怖い、という方もいらっしゃると思います。
独特の呼吸法を用いながらさまざまなポーズをとるヨガは激しい動きなどもないため、心身がリラックスするだけでなく腰痛改善の効果も期待できます。

最初は難しいように思うかもしれませんがヨガは正しい形さえ覚えれば初心者でも簡単に取り入れることのできるポーズもあるため、腰痛に悩まされているけれど激しい運動はできないという方にもおすすめですよ。

もちろん腰回りの骨の損傷などのはっきりとした原因が分かっている腰痛の場合には、まず専門家の指示を受けた上で治療を行うようにしてください。

腰痛はインナーマッスルが弱いことが原因?

では、はっきりとした原因が分からない腰痛=非特異的腰痛はどのようにして起こるのでしょうか?その原因の1つに、姿勢が悪いことが挙げられます。
姿勢が悪い方の多くは、正しい姿勢を維持するための筋肉=インナーマッスルが弱っていることが考えられます。「呼吸筋」とも呼ばれるインナーマッスルは正しい呼吸法を行うことで鍛えられる、身体の内側にある筋肉のこと。

外側の筋肉を鍛えることももちろん大事ですが、正しい姿勢を保持するためにはこのインナーマッスルが非常に重要なのです。
ヨガを行うとこのインナーマッスルが効率よく鍛えられるため、長い目で見ると腰痛改善にはうってつけとなっていますよ。

ヨガがもたらす腰痛への効果

ヨガを行うと筋力強化や血行促進されるだけでなく、腰痛を引き起こす大きな原因の1つである骨盤の歪みを矯正することもできます。

筋力強化

先程も少し説明したように、ヨガを行うことで体幹やインナーマッスルが鍛えられます。腰回りなどのインナーマッスルが鍛えられると正しい姿勢も身につくため、腰痛が発症しやすい歪んだ姿勢が改善されることが期待できます。

血行促進

ヨガの正しい呼吸法を身につけると身体に酸素を行き渡らせることができるため、血行促進にも繋がります。血行が促進されると身体が固くなる原因となっている「冷え」が改善されるほか、自律神経も整えられると言われていますよ。

骨盤の歪みが治る

普段から足を組むことや片方の肩にばかり鞄をかけることが多い方は、骨盤が歪んでしまっている可能性があります。骨盤が歪んだ状態を放置してしまうと、ひどい腰痛につながる可能性もあるため注意が必要です。ヨガには、そんな歪んでしまった骨盤を正しい位置に矯正する効果もあります。

ヨガを行うとこのように腰痛にとってのさまざまなメリットがあります。身体が凝り固まっている方にとって最初はつらい姿勢が多いかもしれませんが、徐々に慣れてくるので安心してください。

自律神経を整える

自律神経が乱れると、痛みを感じる原因になってしまうことがあります。ヨガには自律神経を整えるポーズもあるので、腰痛を軽減できる効果が期待できるのです。

ヨガを行う際の注意点

ヨガは腰痛改善に効果的であるものの、初心者の方が独学で行うのは少し危険です。初心者のうちはヨガインストラクターの指導を受けるのが1番なのですが、なかなかそのような時間をとることが出来ない方が多いという現実もあります。

しかし最近はネット上に動画や画像付きでヨガのポーズを解説しているものもあるので、そのようなものを参考にしてみるのも良いかもしれません。

初めてヨガを行う方は、無理をしない範囲内で続けるようにしてくださいね。ヨガ中に強い痛みを感じた場合などは、すぐに中断するようにしましょう。

腰痛におすすめのヨガポーズ

オープンツイストポーズ


「オープンツイストポーズ」は、上半身をひねるポーズ。

体が開きやすい方に向かって開くため、腰痛が酷い方でもラクに行うことができます。

やり方

1.両脚を伸ばして座る。

2.左脚だけ膝を立てる。右脚のつま先を天井に向ける。

3.息を吸いながら左手を持ち上げ、吐く息に合わせて左脚の内側にかける。

4.息を吸いながら背骨を伸ばし、右手を体の後ろにつく。

5.息を吐きながら右肩を後ろに引き、ヘソから体をひねる。

6.数呼吸キープする。

7.脚を入れ替え、反対側も同様に行う。

ツイストポーズ

ツイスト

「ツイストポーズ」はオープンツイストポーズと反対方向に体をツイストするポーズ。

深くひねることができるので、背骨や腰まわりにしっかり効いてきます。

やり方

1.両脚を伸ばして座る。

2.右脚を左脚の外側につき、膝を立てる。左脚のつま先は天井に向ける。

3.息を吸いながら左手を持ち上げ、吐く息で右脚の外側にかける。

4.息を吸いながら背骨をまっすぐ伸ばす。

5.吐く息に合わせて右肩を後ろに引き、ヘソから深くツイストする。

6.数呼吸キープする。

7.脚を入れ替え、反対側も同様に行う。

【ポイント】

・背骨をまっすぐに伸ばした状態でツイストしましょう。

・ツイストするときは膝を強く押してもOK。

・目線は肩先、もしくは後ろの壁へと送りましょう。

効果

・体をひねることで背骨に刺激を加え、正しい位置へと戻す。

・腰まわりの筋肉を緩め、腰痛を緩和する。

体側を伸ばすポーズ

体側を伸ばすポーズ
「体側を伸ばすポーズ」は、その名の通り脇腹を中心に体の側面を伸ばすポーズ。

背骨を横向きに湾曲させることで、背骨の歪みを整えます。

やり方

1.あぐらか正座で座る。

2.息を吸いながら左手をあげる。

3.吐く息に合わせて状態を右側に倒す。

4.左わき腹のストレッチ感を感じながら数呼吸キープ。

5.反対側も同様に行う。

【ポイント】

・ポーズ中に体が前傾しないよう、目線は天井へ送りましょう。

・床についている手に体重をかけすぎるのはNG。床に軽く触れるだけにしましょう。

効果

・体を湾曲させることで背骨に刺激を加え、正しい位置へと戻す。

・わき腹を開くことで体にスペースが生まれ、下垂した内臓が正しい位置へと戻る。

・肩まわりや脇が伸びることで肩こりが緩和される。

デッドウォーリア

デッドウォーリア

「デッドウォーリア」はツイストポーズの一つ。

腰まわりやお尻も伸ばすことができるので、腰痛に悩む方には特におすすめのポーズです。

やり方

1.体育座りのように両膝を立てた状態で座る。脚幅は腰幅の1.5倍くらいが目安。

2.両膝を右側に倒し、膝とつま先が90°になるよう調整する。

3.息を吸いながら左手を床から離し、吐く息に合わせて状態をひねり体の後ろにつく。

4.息を吸って背骨をまっすぐ伸ばす。

5.余裕があれば肘を床につく。

6.腰まわりやお尻にストレッチ感を感じながら数呼吸キープ。

7.脚を倒す方向を変え、反対側も同様に行う。

【ポイント】

・背骨が曲がるのはNG。ポーズがつらければ4の状態をキープしましょう。

・目線は手の間か少し先を見ましょう。

効果

・体をひねることで背骨に刺激を加え、正しい位置へと戻す。

・腰まわりの筋肉を緩め、腰痛を緩和する。

・お尻の凝りをほぐし、腰痛を緩和する。

・内臓に刺激を加え、消化機能を高める&便秘を解消する。

キャットアンドカウ

キャットアンドカウ
「キャットアンドカウ」はキャットポーズとカウポーズを連続して行うヨガの動作。

背骨をウェーブさせるように動かすことで、背骨の歪みを整えます。

やり方

1.肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるよう四つん這いになる。つま先は立てる。

2.息を吐きながら両手両足で床を押し、ヘソを高く持ち上げる。目線はお腹。

3.吸う息に合わせてヘソを床に近づけるよう背中を反らせる。目線は正面からやや上。

4.2~3を呼吸に合わせて5回前後繰り返す。

【ポイント】

・呼吸に合わせてゆっくり動きましょう。

・肩甲骨の動きを意識しましょう。2のときは開き、3のときは寄せるイメージで行います。

・骨盤の動きにも意識を向けましょう。2のときは尾てい骨を床へ向け、3のときは天井へ向けるよう動かします。

効果

・上半身を動かすことで背骨に刺激を加え、正しい位置に戻す。

・腰周りの筋肉がほぐれることで、腰痛が緩和される。

・肩甲骨を動かすことで肩こりが緩和される。

糸通しのポーズ

糸通しのポーズ
「糸通しのポーズ」は体をひねることで背骨の歪みを整えるポーズ。

肩甲骨を大きく開くので肩こり解消にも効果的です。

やり方

1.肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるよう四つん這いになる。

2.息を吸いながら左手を持ち上げる。

3.息を吐きながら左手右脇の下を通し、肩と頭を床につける。

4.次の吐く息に合わせて右手を前方へと伸ばす。

5.数呼吸キープし、反対側も同様に行う。

【ポイント】

・脇の下をくぐらせる手はなるべく遠くに伸ばしましょう。

・骨盤が傾かないよう、尾てい骨は天井へ向ける意識を持ちましょう。

効果

・体をひねることで背骨に刺激を加え、正しい位置へと戻す。

・肩甲骨を開くことで血流を良くし、肩こりを緩和する。

・頭を下げることで内臓下垂を改善する。

立位前屈のポーズ

立位前屈のポーズ
「立位前屈のポーズ」は、立った状態で前屈するポーズ。

上半身を深く脱力することで、背骨が自然と正しい位置へと戻ります。

やり方

1.大きく息を吸いながら両手を天井に向かって伸ばす。

2.吐く息に合わせ、股関節から二つ折りになるよう前屈する。

3.膝を曲げ、お腹と太ももをぴったりとつける。

4.体が安定したら床から手を離し、肘と肘を掴む。

5.上半身の力をできるだけ抜き、床に引っ張られるような力を感じながら呼吸を繰り返す。

6.頭が最後に起き上がるよう、背骨を丸めながら上体を起こす。

【ポイント】

・頭、顔、首、背中、肩の力をできるだけ抜きましょう。

・前後左右に揺れ、より深く脱力してもOK。

効果

・背骨に空間が生まれ、正しい位置に戻る。

・内臓が刺激され、消化機能が活発になり便秘が解消される。

・もも裏の柔軟性アップ

まとめ

背骨の歪みを整えるためには、体をひねったり湾曲させたりとして背骨を動かすことがポイントです。

ぜひご紹介したヨガのポーズを取り入れて、背骨の歪みを改善しましょう。

背骨が整えば腰痛が改善されるのはもちろん、姿勢が良くなったり肩こりが解消されたりとさまざまな面で体調が良くなります。

「毎日全ポーズ!」とは言いませんので、まずは気持ちがいいと感じたポーズを2〜3つ行うところから始めましょう。

ポーズに慣れてくることには体に変化を感じられるはずですよ。

著者情報

ゆとりーな
ゆとりーな

保有資格

RYT200、RPYT85

経歴

幼少期より新体操やチアダンスに取り組む。

出版社にて5年ほど編集の仕事に携わった後、

渡米しヨガインストラクターの資格『RYT200』を取得。

現在はヨガインストラクター兼フリーライターとして活動中。

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