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腰痛になる原因はさまざまですが、アスリートが繰り返し同じ動作を行ったり、加齢とともに背骨の関節のクッションの役割をもつ軟骨が減少していくことなどで、背骨に負担がかかり腰に痛みが出やすくなります。

スポーツのパフォーマンスを向上させたり、日常生活での動作での腰にかかる負担を軽減し転倒などの防止にも「ローカル筋」を鍛え背骨を強くすることで、将来の腰痛を防止する効果が得られます。「ローカル筋」を鍛えるには強度を上げ筋肉を強化するというよりは、神経と筋肉の繋がりがよくなった(促通)状態でトレーニングをすることが効果的です。神経と筋肉を促通の効果とエクササイズを紹介したいと思います。

ローカル筋とは

ローカル筋の定義は、「腰の骨に直接付着している筋肉」ローカル筋の対義語で「腰の骨に直接付着していない筋肉」がグローバル筋です。代表的なローカル筋には腹横筋、多裂筋、大腰筋などがあります。一般的に「腹筋」と言われている腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋はグローバル筋になります。

👉腰痛予防におすすめの筋トレ、プランクとは?正しいやり方を一挙紹介!

ローカル筋を鍛えるメリット

・スポーツパフォーマンスの向上
・腰痛・転倒を防ぎ「生活の質」を高める
・お腹やせ メタボ対策
・姿勢がよくなる
・便秘や尿漏れ改善に役立つ

などがあります。スポーツではローカル筋を使わずにトレーニングを行った場合では効果が変わってきます。日常生活はローカル筋を使わなくても動作を行うことができるため、より意識を向けるための「促通」が重要になってきます。

動作の順番の順番がコツ!

体幹トレーニングと聞いて、多くの人が四つんばい(ハンドニー)の姿勢から片方の手と反対側の足を同時に伸ばす動作を思い浮かべるのではないでしょうか?

この動作は、ただ手と足を伸ばすだけだと「簡単にできる!」という方もいるかと思います。

簡単に感じた場合はローカル筋が正しく使われていない可能性が高いです。

この四つんばいは、ローカル筋である腹横筋が最も使えるポジションになります。つまり正しいローカル筋トレーニングを行う場合はそこに至るまでの過程が大事になります。

この場合は、腹部の引き込みつまり「ドローイン」を先に行い、体幹を安定させた状態を作ってから手足を伸ばすことでローカル筋を強化することができます。

正しいドローインとは?

お腹をへこませるドローインを行ってから、各動作を行うのがコツと伝えましたが、重要なのはそのドローインの方法です。

「お腹をへこませましょう」と言われて、多くの人が力入れるのは、腹部の全面にある「腹直筋」でこれはグローバル筋になります。息を深く吸い込んだあと、ゆっくり吐きながら、腹部が平たくなるように意識しておなかをへこませます。腹部全体が平たく硬くなったらこれが本当のドローインになります。この正しいドローインを行った後にさまざまな動作を行うのが真のローカルトレーニングになります。

ローカル筋のおもしろい動き!

ドローインを行うことでローカル筋を使うことができますが、ローカル筋にはフィードフォワード機能という面白い機能があります。実際に体が動く前に、その動きを先取りして筋活動を行う動きです。

腹横筋が腹圧を高め体の「土台」を作ってから各動作を行うことでスムーズな動きを行うことができます。

実際に動き始めてからでは間に合わないので、私たちの体には、「このように動こう!」と意図した時点で、神経的な反射によってローカル筋が他の筋肉に先駆けて始動する仕組みが備わっています。

もし、ローカル筋が働かない状態で、私たちが右手を上げると、バランス的には身体は右に傾くはずです。そうならないためにローカル筋がバランスを補正するため、「右手をあげよう」と思った時からその動きの準備を行うとてもよくできた仕組みです。

ローカル筋のフィードバック機能が高いということは「状況を察知して筋肉が確実に準備できる体」を意味します。スポーツや日常生活でもケガ防止や転倒防止にもこの機能が役立ちます。

ローカル筋トレーニングによってバランス感覚が向上する

13名のサッカー選手にローカル筋トレーニングを行ってもらい、前後で重心のぶれ方を測定したところ、なにもしなかった場合に比べて重心のぶれが少なくなった。

このことはローカル筋トレーニングによってバランス感覚が向上することを示しています。

また、もう一つ興味深いのは、その効果的に現れることです。

一定の期間、トレーニングの結果ではなく、その場でバランス感覚が高まったのは、筋肉の強化というよりは神経と筋肉のつながりが良くなった(促通)ことが推測されます。

筋肉は神経の支配によって動いています。筋肉そのものの質やレベルが上がっても、それを支配して動きをつかさどる神経と促通ができていないと、パフォーマンスの高い動きができません。

皆さんも、スポーツや動作の直前にも、できるだけローカル筋を動かしておくと、神経と筋肉が促通され、動作がスムーズになる可能性がありますので、普段やるトレーニングの前にシンプルで効果が得やすいローカル筋トレーニングを行ってみてください。

効果的なエクササイズ

・ドローイン

・ドローインから腰を浮かせる

・ドローインから手足を動かす

・横向きで腰を浮かせる

・うつ伏せで腰を浮かせる

・ハンドニー

・ハンドニーから手足を動かす

腰痛予防、改善に効果的なエクササイズの提案

腰痛改善に向けて運動の前後にはストレッチや有酸素運動も効果的です。腰痛アプリでは、問診により症状を判定し、その症状にあったエクササイズを提案していくものがあります。

【著者情報】

書名:体が生まれ変わる「ローカル筋」トレーニング
著書:金岡恒治(早稲田大学教授)
   小泉圭介(理学療法士、日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
出版社:マキノ出版
発売日:2015年6月
定価:1,300円+税

書名:腰部&体幹まるわかり大辞典
著者:金岡恒治
出版社:ベースボール・マガジン社
発売日:2015年5月11日
定価:1,204円+税

URL: ベースボール・マガジン社:https://www.bbm-japan.com/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4583622767

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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