サル痘(さるとう)と読みます。英語ではMonkeypoxと呼ばれます。
色々な所で腰痛が症状としてでるともありますが、まず主な症状が見た目にでますのでどのようなものか確認していきましょう。
目次
サル痘を識別するための主な特徴
サル痘患者は、性器 (陰茎、睾丸、陰唇、および膣) または肛門 (臀部) の上または近くに発疹ができ、手、足、胸、顔、または口などの他の領域に発疹ができます。
9割の人が性器、肛門周囲に病変が出現します。
- 発疹は、治癒する前に、かさぶたを含むいくつかの段階を経ます。
- 発疹は、最初はにきびや水ぶくれのように見え、痛みやかゆみを伴うことがあります。
サル痘のその他の症状には次のものがあります。
- 熱
- 寒気
- 腫れたリンパ節
- 疲労
- 筋肉痛と腰痛
- 頭痛
- 呼吸器症状(喉の痛み、鼻づまり、咳など)
すべての症状または一部の症状のみが発生する場合があります
- 場合によっては、発疹の前にインフルエンザのような症状が現れることがあります。
- 最初に発疹が出て、その後に他の症状が現れる人もいます。
- 他の人は発疹のみを経験します。
サル痘の画像はこちら※CDC(アメリカ疾病管理予防センター)のサイトに飛びます
人から人への感染経路
サル痘は、症状が始まってから発疹が完全に治癒し、新鮮な皮膚層が形成されるまで(通常2〜4週間続きます)、それを他の人に広げることができます。
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)では以下のように感染を示しています。
- 猿痘発疹、かさぶた、または猿痘の人からの体液との直接接触。
- サルポックスの人が使用した物体、布地(衣類、寝具、タオル)、表面に触れること。
- 呼吸器分泌物との接触。
この直接接触は、次のような親密な接触中に発生する可能性があります。
- 経口、肛門、および膣のセックス、または性器(陰茎、睾丸、陰唇、および膣)または肛門(尻穴)に触れること。
- 抱擁、マッサージ、キス。
- 長時間の対面接触。
- サル痘の人が使用し、消毒されていない布地や物(寝具、タオル、フェチギア、大人のおもちゃなど)に触れること。
妊娠や新生児の感染
妊娠中のサル痘感染に関するデータは限られています。妊娠中の人々がサル痘の影響を受けやすいのか、妊娠中に感染がより重篤なのかは不明です。サル痘は、妊娠中または出生中および出生後の密接な接触によって胎児に伝染する可能性があります。妊娠喪失および死産など、妊娠中に確認されたサル痘感染の症例において報告されている。早産や新生児感染も報告されている。重症度および頻度および危険因子は知られていない。
CDC 妊娠とサル痘(英語記事です)
新しいか原因不明の発疹やその他の症状がある場合…
日本では何科を受診すれば良いのか?明確な決まりは現在ありませんが、皮膚科になると思われます。
診断:
・水疱や膿疱の内容液や蓋、あるいは組織を用いたPCR検査による遺伝子の検出
・その他、ウイルス分離・同定や、ウイルス粒子の証明、蛍光抗体法などの方法が知られている。
治療:
・対症療法
・国内で利用可能な薬事承認された治療薬はない。
欧州では特効薬が承認されていますが、日本は2022年8月現在特定臨床研究がされている段階で承認されていません。
日本では感染者に対しての行動が示されていませんが、アメリカでは以下のように示されています。
- 治療が完了するまで、セックスや親密な関係を含む密接な接触を避けてください。
- 医療提供者や健康保険に加入していない場合は、近くの公衆衛生クリニックに行きましょう。
- 医療提供者に会うときは、マスクを着用し、このウイルスがその地域で循環していることを思い出させてください.
世界の抗ウイルス薬開発状況
注目される抗ウイルス薬tecovirimat(テコビリマット)の最新のエビデンスが発表された。米・カリフォルニア大学デービスメディカルセンターのAngel N. Desai氏らの研究グループは、tecovirimatによる治療を受けたサル痘患者25例を対象に非対照コホート研究を実施し、同薬の有効性および安全性を検討。投与3週後に9割の患者で病変や疼痛が消失し、重篤な副作用は確認されず、良好な結果が得られたと発表。研究の詳細を、JAMAのResearch Letter(2022年8月22日オンライン版)に報告した。
tecovirimatは、天然痘ウイルスの外側を覆っているエンベロープに存在するウイルスの放出に関与する蛋白質VP37の働きを阻害して、体内でウイルスが広がるのを抑える抗ウイルス薬。In vitro試験では天然痘ウイルスおよびサル痘ウイルスのいずれに対しても活性を示し、健康人に投与した試験で良好な安全性プロファイルが確認されている。
参照:欧州でサル痘特効薬として承認されているテコビリマット
日本での感染状況
感染は2022年9月5日現在4名確認されています。
こちらから確認できます。※厚生労働省 3報道機関向け サル痘の患者の発生について
世界での発生状況
世界保健機関(WHO)は8月31日、世界のサル痘ウイルス感染者数が累計5万496例に達し、16例が死亡したと発表した。
2022年の欧米を中心とした流行では、2万7千人以上の感染例が報告されており、常在国(アフリカ大陸)から7例、非常在国からの4例の死亡例が報告されている(8月10日時点)。
WHOによると、現在報告されている患者の大部分は男性であるが、小児や女性の感染も報告されている。
こちらから確認できます。※厚生労働省 サル痘 3世界での発生状況
アメリカでは非常事態宣言がでています
7月29日、ホークルNY州知事は、サル痘の感染拡大に対応するため、8月28日までの非常事態を宣言し、各自治体への迅速な支援、ワクチン接種の加速など対策強化を行うと発表しました。この知事令により、サル痘ワクチンを投与できる対象者を救急隊員、薬剤師、助産師にも拡大し、より多くのニューヨーカーにワクチン接種を行うことが可能となります。
【NY州】
●State Disaster Emergency Allows New York to Respond More Swiftly to Outbreak and Provides Additional Vaccination Resources
https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-declares-state-disaster-emergency-response-ongoing-monkeypox-outbreak
参照:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/index.html
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/symptoms.html
WHOhttps://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/monkeypox
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