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床に座っている時に「お尻から腰にかけて痛い!」といった方の原因は、仙腸関節性の腰痛かもしれません。
床に座っているとき、自分の体重に対して床からの反発を受けます。そして、骨盤に直接床からの力が伝わることで、骨盤の歪みや痛みにつながる恐れがあります。座る時に注意してほしい点は、長時間同一姿勢を取り続けないことです。

おススメの座り方

正座

骨盤が床に接さないようにして座ることのできる「正座」の姿勢がおススメです。
また、正座の姿勢は、骨盤が床面に対して垂直に立ちやすく、腰をまっすぐの状態で保持しやすいです。
腰の痛い人には効果的な座り方ですが、正座により膝や足首に負担がかかることもあるので、適度に足を解放してあげることも忘れずに行ってください。

クッションを挟む

床に座る時にお尻にクッションを置くのもおススメです。
床と骨盤の間にクッションを挟むことで腰への負担を減らす効果が期待できます。
正座の女性

長時間の同一姿勢は腰痛を悪化させる要因に

床に座るということは、自分の体重に対して床からの反発を体のどこかに受け続けます。同じ場所に負担が加わり続ければ、自ずと違和感や痛みが生じてきます。
30分毎に立つ習慣や姿勢を変える習慣をつけることを心がけてください。
正座の女性

おススメのエクササイズ

自分の体重に対して反発する骨盤が歪む力を支えるためには、骨盤底筋が重要になってきます。
歪む力が骨盤に加わった時に、骨盤底筋を収縮させて、骨盤を安定させることができれば腰痛予防や腰痛改善に効果的です。エクササイズは短い時間でも毎日継続することが大切です。

~骨盤底筋エクササイズの方法~
1.仰向け・膝立ての状態になり、肛門をキュッと閉じるつもりで力を入れておきます
(この時、力は全力で入れず、30%程度の力加減で行います)
2.息を吐いて、下腹部を背中に近づけるように腹圧をかけます
3.息を吸って、1はキープしたまま、下腹部の力を緩めます
4.2と3を10回繰り返しましょう
※正しい方法で行わないと腰痛の原因になることがあります。痛みが強くなった場合は、中止してください。

まとめ

普段行っている日常生活動作を正しく行うことは意外と難しいものです。
実際に私のもとに受診される患者さんも、目の前で動いてもらうと腰に負担のかかる姿勢や動かし方をされている方が多いです。
体を正しく使うこと、鍛えることは腰痛予防だけでなく将来の寝たきり予防にも大切です。腰痛体操やストレッチなどを生活に取り入れ、ぜひこの機会に自分の体の状態や使い方について見直してみましょう。

参考:日本整形外科学会

著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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