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日本人のおよそ2,800万人以上、割合にして3~4人に1人が悩まされているとも言われている腰痛。しかし、そんな腰痛はツボを押すだけでも和らげることができるのをご存じですか?

この記事では、腰痛によく効くツボを7つご紹介したうえで、効果的な押し方や気を付けるべきポイントなどを詳しく解説します。毎日ツボを押すだけでも腰痛がかなりラクになりますので、腰痛にお悩みの方は必見です!

なぜ腰痛に効く?意外と知らない「ツボ」の定義

まず初めに、なぜツボを押すことが腰痛に効果的なのか、「ツボ」の定義について改めて確認してみましょう。誰もが知っている言葉ではありますが、意外と知らないことが盛りだくさんです。

「ツボ」は東洋医学由来の概念

私たちが普段何気なく使う「ツボ」という概念は、もともと東洋医学から来ています。東洋医学では、生命としてのエネルギーが巡る「経路」というルートが私たちの体内にあると考えられています。この経路の流れがスムーズなら体は健康な状態を保つことができますが、逆にスムーズでないと身体に何かしらの不調をもたらしてしまうのです。

「ツボ」を押すだけで体の不調が改善する

この経絡上の要所にあるとされているのが「経穴」、すなわち「ツボ」です。ツボは主に関節や足の裏などに集中していますが、こうしたツボを刺激することで経路の流れがスムーズになり、体の不調を治すことができるとされています。

WHO(世界保健機関)によると、私たちの体には全部で361個ものツボがあるとされています。こうしたツボは体の臓器などと密接につながっているため、効果的に刺激を与えることで、不調な臓器の働きを改善させる効果も期待できます。

ツラい腰痛がラクになる!腰痛に効くツボ7選

では早速、腰痛に効くツボをご紹介していきましょう。腰痛に効くとされているツボは私たちの体にはたくさん存在するのですが、ここではその中でも特に効果が高いとされているツボを7つ厳選してご紹介します。

<腰痛に効くツボ 1>腎兪(じんゆ)

腎兪

「腎兪」とは、腰にある腰痛の特効ツボです。へそのちょうど真裏となる場所に手を当て、背骨から2~3cm離した場所にあるとされています。小学校の整列で「前へ習え」をした時に、先頭の人がとるようなポーズをイメージすると良いでしょう。

腎兪は腰だけでなく全身の疲れが現れるツボなので、自分の体がどのくらい疲れているかを知るための指標にもなります。腎兪を押すと腰痛の方のほとんどは痛みを感じるはずなので、親指でゆっくりと力を入れて押してください。この際、両足を肩幅くらいに開き、背筋をしっかり伸ばすことを意識すると、より一層の効果を得ることができます。

<腰痛に効くツボ 2>委中(いちゅう)

委中

「委中」は、ヒザのちょうど真裏にあるツボで、ピクピクと脈の動きを感じることができる場所にあります。腰からは遠く離れているため、一見何の関係もないように思えますが、実は腰の疾患に大きな効果があるとされているツボなのです。また、全部で361個もあるツボの中でも特に重要な4つ「四総穴」にも数えられ、腰痛以外にもさまざまな効果を期待できます。

自分自身で委中を刺激する際は、ヒザのお皿に両手の親指を置き、グルっとヒザを囲むように中指をヒザ裏に回しましょう。脈の鼓動を意識しながらヒザ裏を刺激し、気持ち良いと思える場所をじっくりと刺激してください。

<腰痛に効くツボ 3>崑崙(こんろん)

崑崙

「崑崙」は、足首の外側に位置するツボです。場所としては外くるぶしの斜め上あたり、くるぶしとアキレス腱のちょうど中間あたりのくぼみにあります。

自分自身で崑崙を刺激する際は、親指を崑崙に当て、残りの指でアキレス腱を支えながらゆっくりと力を加えてください。腰痛がひどいという方の中には、この崑崙が腫れているという方も少なくないでしょう。腰の慢性的な痛みというよりは、腰痛の初期症状に特に効果があるとされています。

<腰痛に効くツボ 4>照海(しょうかい)

照海

「照海」は、足首の内側に位置するツボで、内くるぶしから親指一本分下がったところに位置しています。

場所が非常に分かりやすいツボなので、ご自身でも簡単に刺激することができるでしょう。刺激方法としては3秒ほどかけてゆっくり力を加えていくと効果的です。腰だけでなく、背中や骨盤など、腰周辺に幅広く効果を与えることのできる万能なツボです。

<腰痛に効くツボ 5>太衝(たいしょう)

太衝

「太衝」は、足の甲に位置するツボです。具体的な場所としては、親指と人差し指の骨を遡っていき、2つの骨がちょうど交わる部分の内側にあります。

刺激方法としては、親指を太衝にあて、他の4本の指を足先にかけて刺激すると効果的です。腰痛だけでなく、冷え性やストレス緩和など、全身のリラックス効果も期待できるおすすめのツボです。

<腰痛に効くツボ 6>志室(ししつ)

志室

「志室」は、ウエストラインの高さの背骨から指4本分外側(腎兪から指2本分外側)に位置するツボです。

押し方は腰に手を当て、左右同時に親指で3秒程度押し、それを3回繰り返してください。腰痛以外にも、生理中の腰のだるさなど、婦人科系の疾患にも効果的だと言われています。

<腰痛に効くツボ 7>大腸兪(だいちょうゆ)

大腸兪

「大腸兪」は骨盤の左右の一番上を結んだ高さ。背骨から左右に指2本分外側に位置するツボです。

刺激方法としては、腰に両手を当て、親指で体の中心に向かって押すと効果的です。腰痛以外には便秘や坐骨神経痛に効果的だと言われています。

ツボ押しを行う際の3つの注意点

腰痛に効果的なツボを7つご紹介しましたが、ツボはむやみに押せば良いというわけではありません。間違ったやり方で刺激してしまうと、逆効果を与えてしまうこともありますので、以下に挙げる注意点を必ず確認してからツボ押しを実践してください。

ツボ押しは長時間行わない

腰痛がつらいという場合でも、ツボ押しを長時間にかけて行うのは良くありません。1つのツボを刺激する際はじっくりと押すことを意識し、時間としては全部で30秒程度を目安にしてください。

ツボを長時間刺激すると、筋肉に負担がかかったり、血圧が下がることで体がだるくなったりという逆効果も十分に考えられます。一日に長時間刺激するのではなく、毎日少しずつ継続することを意識しましょう。

ツボを強く押しすぎない

ツボを刺激する際は、強く押しすぎてもいけません。中には、「痛い痛い」と言うほど強く押したり、飛び上がるほど強く刺激したりする方もいらっしゃいますが、こうした刺激方法はNGです。

ツボ押しは、「イタ気持ちいい」と思えるくらいの強さを意識してください。その際、ゆっくりと息を吐きながら刺激すると、より効果を得ることができます。

ツボ押しの時間帯を意識する

ツボ押しは、いつでも思い立った時にやれば良いということでもありません。内臓器官に働きかけるので、時間帯を意識する必要があります。

特に、食後30分以内や飲酒時は、内臓が活発に機能している状態ですので、ツボ押しはNGです。同様に、極端に空腹な状態も避けたほうが良いでしょう。体調がすぐれない場合や、ツボ周辺をけがしている場合も、ツボ押しは避けてください。

予防には腰痛体操がおすすめ

つらい腰痛を予防するには腰痛体操がおすすめです。寝たままできる体操と、座った状態でおこなう体操を紹介します。ツボ押しだけでなく、体操でも腰痛の軽減を目指しましょう。

寝たままできる腰痛体操【3選】

まずは、ベッドや布団の上でもできる腰痛体操です。

腰痛体操①

足や太ももではなくお尻に力を入れることがポイントです。

1. 仰向けになる
2. 膝を立てる
3. 息を吐きながら5秒間お尻を上げる
4. もとに戻る

腰痛体操②

お尻や腰が伸びているかを確認しながらおこないましょう。

1. 仰向けになる
2. 息を吐きながら片足を抱えて膝に近づける
3. 2の状態を20秒間キープする
4. もう片方の足でも同様におこなう
5. もとに戻る

腰痛体操③

体を丸めたり反らせたりするときに、胸をしっかり動かすことがポイントです。

1. 四つん這いになる
2. 息を吸いながら背中を丸める
3. 息を吐きながら背中を反らせる
4. 2と3を1セットにして10セット繰り返す

座ったままできる腰痛体操【3選】

仕事の休憩中にもできる腰痛体操を紹介します。デスクワークが多い方はぜひ取り組んでみてください。

上体の前後運動

上体を突き出すときに胸を開くことがポイントです。

1. 椅子に座る
2. 丸めたタオルをお尻のでっぱりに当たるように敷く
3. 胸の前で腕を組む
4. 息を吐きながら上体を丸める
5. 息を吸いながら上体を突き出す
6. 4、5を10回繰り返す

上体の並行運動

肩の高さを平行にキープしたまま取り組むことがポイントです。

1. 椅子に座る
2. 丸めたタオルを太ももの間に置く
3. 胸の前で腕を組む
4. 左に体重をかけてキープできるギリギリのところで止まる
5. 右側も同じようにおこなう
6. 10回繰り返す

上体の回転運動

円を描くときに体幹部分をしっかり回すことを意識してください。苦手な方向があれば重点的に取り組みましょう。

1. 椅子に座る
2. 胸の前で腕を組む
3. お尻で円を描く
4. 逆方向で円を描く
5. 10回繰り返す

腰痛の人が気をつけたい姿勢のポイント【状況別】

腰痛を予防するには普段の姿勢を改善することも大切です。

ベッドからの起き上がり方

ベッドや布団で寝ているときは筋肉が休んでいる状態です。急に起き上がろうとすると腰痛を引き起こす可能性があります。起き上がる際は段階を踏んで座った状態まで持っていくことが大切です。

まず起き上がる際には起きる方向とは逆の膝を立てます。次に、そのまま起きる方向に足の力を使って身体を傾けて横向きになります。最後に腕の力で上体を起こして座る姿勢を取りましょう。

床への座り方

腰に負担をかけずに床に座るなら正座がおすすめです。正座は腰がまっすぐになっているため負担がかかりません。

しかし、あぐらや横座りは腰が湾曲した状態です。あぐらは腰が前後に曲がりますし、横座りは左右のどちらかに腰が曲がります。そのため、長時間あぐらや横座りをすると腰に大きな負担がかかります。

腰痛にお悩みの方が床に座る際は正座がおすすめです。

椅子への座り方

椅子に座る場合は、深く腰掛けることがポイントです。軽くあごを引き、背筋も伸ばしましょう。浅く座ることや脚を投げ出すような座り方は良くありません。

長時間椅子に座る場合は、丸めたバスタオルを腰のくびれに入れて負担を減らしましょう。バスタオルの用意が難しければ、腰のくびれには手を入れる方法もおすすめです。

腰への負担はわずかな工夫で減らせるので、パソコン作業が多い方などはぜひ取り入れてみてください。

立ち方(立ち作業の場合)

工場での作業や接客業の方は長時間立ったままになることが多いでしょう。立ったままの姿勢は骨盤の前傾が強くなるため腰に負担がかかります。

腰への負担を減らすには、10cm程度の台を用意して片脚を交互に乗せることがポイントです。台が用意できない場合は、足を10cmくらいの幅で前後に開くことで負担が減らせます。

そして休憩時間には、屈伸運動などをおこなって同じ姿勢が続かないようにすることも大切です。

物の持ち上げ方

物を持ち上げる際は両足を開いて支持面を広げることが重要です。そして両膝を曲げて体を直立させた姿勢を取りましょう。このような姿勢は安定感があり、体の筋肉を効率良く使えます。持ち上げる物との距離も近いため腰にかかる負担は少なくなります。

対して、膝を伸ばした状態で前かがみになって物を持ち上げると、腰痛を引き起こす可能性があります。膝を伸ばした前かがみの姿勢は背筋に大きな負担がかかるため、結果的に腰痛につながるおそれがあるのです。

物を持ち上げる際は、物の重さに関係なく腰に負担のかからない姿勢を取るように心がけましょう。

物の運び方

物を運ぶ際は体に密着させることで腰への負担が減らせます。物を体から離してしまうと、体はバランスを取ろうとして腰に大きな負荷がかかるため十分注意してください。

また、物を持ったまま移動する場合は腰をひねらないことも大切です。

仕事で重いものを運ぶ際や、引っ越しなどで何度も荷物を運ぶ際は、体に密着させて運ぶことを意識してください。

日常的にツボを刺激して腰痛を改善しよう!

ツボ押しは速攻性が非常に高く、今回ご紹介した7つのツボを押すだけで「腰が驚くほどラクになった!」と実感される方もいらっしゃいます。腰痛だけでなく、体全体の不調を取り除くことができる可能性も十分にありますので、ぜひこの記事を参考にツボ押しを日常的に実践してみましょう。

ツボ押しのポイントとしては、毎日少しずつ、積み重ねるように行っていくということが挙げられます。また、体操や日常生活時の動作などにも注意して、腰痛の苦しみから解放されてください。

◆参考資料
https://mitsuraku.jp/kiji/c-footprint-waist
https://tential.jp/journals/waist/backache/011
https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/back-pain/prevention/
https://www.kyushin.co.jp/advice/advice_e01.html
https://www.sensin.or.jp/pot_effective-for-low-back-pain/
https://www.kyushin.co.jp/advice/advice_e01.html
https://www.saishunkan.co.jp/tsusanto/8_care/b_bodypoint_e.html

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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