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現代人とは切っても切り離せない関係にある「腰痛」。日本人のおよそ3~4人に1人が腰痛に悩まされていると言われていますが、中には「腰痛と同時に頭痛にも悩まされている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、腰痛と頭痛の意外な関係を解明したうえで、具体的な原因や対処法を詳しく解説していきます。原因をつきとめれば、腰痛と頭痛の両方から解放される可能性も十分に考えられますので、日頃からつらい腰痛と頭痛にお悩みの方はぜひ参考にしてください!

腰痛と頭痛が同時に起きたら、原因は「緊張型頭痛」かも

非特定腰痛

腰痛には、画像診断などで原因が明らかになる「特異的腰痛」と、診断では原因が明らかにならない「非特異的腰痛」の2種類があり、全体の約85%は「非特異的腰痛」にあてはまると言われています。そのため、腰痛と頭痛が同時に起きたとしても、その原因をX線やMRIなどによって明らかにできる可能性は低いと言わざるを得ません。

しかし、腰痛と頭痛を同時に発症した場合には、主な原因は何パターンかに分けることができます。そこで、まずは腰痛と頭痛が同時に起きた時に最初に疑うべき「緊張型頭痛」についてご紹介していきましょう。

腰痛の原因にもなる「緊張型頭痛」とは

「緊張型頭痛」とは、筋肉が異常な緊張を起こすことで発症する頭痛のことを指します。私たちの体には骨盤から首にまで続く長い筋肉が存在しますが、その筋肉が何らかの要因で緊張を起こすと体全体の血行不良を引き起こし、腰痛や頭痛、首や肩の凝りなどの原因になってしまうのです。

この緊張型頭痛は現代人には非常に多く、日本では15歳以上のおよそ5人に1人が悩まされている、いわば「定番」の頭痛です。また、男性よりも女性の方が1.5倍ほど発症しやすく、ストレスが関係していることから働き盛りの世代が多く発症するという特徴もあります。

緊張型頭痛と片頭痛の違いとは

頭痛の症状としては「片頭痛」が有名ですが、緊張型頭痛と片頭痛は同じ症状ではありません。

緊張型頭痛は、ジワっと慢性的に痛むという特徴があります。筋肉が硬くなって起こる症状なので、締め付けられるような痛みを伴うことが多く、温めることで鎮静化できます。

一方の片頭痛は、ズキンズキンと激しく痛むという特徴があります。血管が拡張することで起こる症状で、身体を動かすとガンガンと頭に響くような痛みを伴います。腰痛と頭痛を同時に発症しても、緊張型頭痛と片頭痛の両方の可能性が考えられるため、まずはご自身がどちらに該当するのかを見極めるようにしましょう。

緊張型頭痛と腰痛の知られざる関係

では、腰痛がなぜ緊張型頭痛を引き起こすのか、その因果関係を詳しく解説していきます。

背骨周辺の筋肉が硬くなると、筋肉に挟まれている血管が圧迫されて血行が悪くなります。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢でいるという方は、筋肉が硬くなりやすい傾向にあると言えるでしょう。

血流が悪化すると、消化や代謝に欠かせない酸素が十分に供給されなくなり、体内に老廃物が溜まっていきます。こうして蓄積された老廃物は周囲の組織を刺激し、痛みを引き起こす原因となるのです。

痛みが最も起こりやすいのは腰、首、肩周辺ですが、これらが凝り固まった状態が続くと頭への血行も悪くなり、結果的に頭痛が起きてしまうのです。そのため、腰痛と頭痛にお悩みの方は、まずはこの「緊張型頭痛」の可能性を考えてみてください。

うつ状態になっているかも

腰痛と頭痛との間には直接の関係はないと考えられます。しかし腰痛が長引いて慢性化して、うつ傾向になったような人は同時に、頭痛も起きやすくなります。

慢性の腰痛は何らかの負担が腰に加わった部位に損傷が起きて痛みが出ます。もし日常生活の中でその負担がずっと続けていると、痛みは続いてしまいます。

このようにして痛みが慢性化すると、その人の「気分」にも大きな影響を及ぼします。痛みが出ることを避けて、動くことが怖くなり、動かなくなり、体を使わないでいると、身体の機能が落ちてしまいます。

身体を支える機能が低下すると、さらに腰への負担が増加し、痛みが慢性化してしまい、そのことがさらに気分を落ち込ませ、「うつ」状態に陥ってしまいます。

そのようになってしまった時には、脳に働いて痛みを感じなくさせるオピオイド系の薬、あるいはうつ病に対して用いられるサインバルタなどの抗うつ薬が使われることがあります。

しかし薬を使って痛みを抑えたからといって、腰の痛みの原因が治ったというわけではありません。痛み→動かない→身体機能低下→腰椎への負荷増加→痛みという「悪循環」に陥ってしまった場合には、自分の痛みの原因を認識して(認知)、衰えてしまった「身体の機能」を自分で高める(行動)という方法しかありません。

身体機能が低下したのを自覚したなら、腰痛を改善するように努めてください。

腰痛と頭痛が同時に起きたら、自律神経が原因かも

腰痛と頭痛が同時に発症した場合、「緊張型頭痛」以外に考えられる要因としては自立神経の乱れが考えられます。ここでは中でも代表的な2つの症例について解説していきましょう。

腰痛の原因は「自律神経失調症」かも

自律神経失調症

「自律神経失調症」とは、自立神経のバランスが乱れる症状のことで、全身の至る所にさまざまな不具合が生じます。

そもそも自律神経は、血圧や血液循環をコントロールする役割を担っています。そのため、自律神経のバランスが崩れると血流が悪化し、全身に酵素が行き渡らないことで筋肉の凝りを引き起こしてしまうのです。

そのため、頭痛と腰痛を同時に発症した際には、自律神経失調症の可能性も否めません。他にもめまい、しびれ、倦怠感など、さまざまな症状を発症するのが自律神経失調症の特徴と言えます。

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女性の場合生理痛も腰痛の原因に

女性の場合は、生理痛も考慮しなくてはなりません。実際、生理中に腰痛や頭痛を発症する方は多く、これは女性ホルモンのバランス変化に伴い、自律神経のバランスも崩れることが原因とされています。

もし腰痛や頭痛が慢性的ではなく、生理のリズムで起きていれば、生理痛が原因である可能性が高いと言えるでしょう。腰痛や頭痛が起きた日をカレンダーなどにメモしておくと、より原因を特定しやすくなります。

腰痛と頭痛が同時に起きた!3つの効果的な対処法

腰痛と頭痛を同時に発症した場合、どのように症状を軽減することができるのでしょうか?ここからは具体的な対処法を3つご紹介します。

<腰痛&頭痛の対処法 1>有酸素運動を行う

きわめて簡単かつ効果的な方法として、「有酸素運動を行う」ということが挙げられます。実際、運動不足の状態が続くと、筋力が低下するだけでなく疲労物質が溜まりやすくなり、腰痛や頭痛を引き起こす原因となります。

「有酸素運動」とは、決して激しいものではなく、ウォーキングなどの軽度な運動で問題ありません。運動をすると全身の血流が良くなり、腰痛の予防に役立ちます。できるだけ真っすぐな姿勢を意識して、30分程度のウォーキングを日常に取り入れてみてください。

<腰痛&頭痛の対処法 2>ストレスを発散する

2つ目にご紹介するのは「ストレスを発散する」という方法です。私たちの体には交感神経と副交感神経の2つが備わっていますが、ストレスを感じると交感神経が活性化し、筋肉が硬くなってしまいます。そのため、ストレスと腰痛は深く関係しており、緊張型頭痛を引き起こす大きな原因にもなり得るのです。

ストレスを発散する方法としては、自分の好きなことをやる、体を労わるといったことが挙げられます。特に入浴をすると血流が良くなり筋肉疲労が緩和されますので、腰痛を緩和する方法として特におすすめです。40℃程度のお湯に10分程度浸かるだけで腰周辺が温まるだけでなく、精神的にもリラックスした状態になることができるでしょう。

<腰痛&頭痛の対処法 3>痛み止めの薬を服用する

もしどうしても腰痛や頭痛が収まらないという場合には、痛み止めの薬を服用するという方法も考えなくてはなりません。痛みをずっと引きずっているとイライラやだるさにつながるだけでなく、仕事の生産性も大きく低下してしまいます。

薬局などで手に入る市販のもので問題ないので、痛みがつらいと感じたら鎮痛剤の服用を検討してください。痛みが激しい場合には、ロキソニンのように強い痛み止めを服用するのも選択肢の一つです。

ストレスを発散し、腰痛や頭痛のない暮らしを手に入れよう!

腰痛と頭痛が同時に起きた場合には、ストレス性の「緊張型頭痛」である可能性が高いと言えます。何よりもストレスを発散することが一番の対処法と言えますので、日常的に運動や入浴を行うことで、ストレスを緩和していきましょう。

腰痛が慢性化すると、それがストレスに変わることでさらなる悪循環を生み出してしまうので、まずは腰痛の根源を断ち切ることが大切です。この記事を参考に、腰痛や頭痛に悩まされることのない日常を手に入れてくださいね。

◆参考資料
https://mbp-japan.com/chiba/sakura/column/1204147/
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/understand/stiff_shoulder-back_pain/
https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000381840/blog/bidA016535955.html
https://kirin-seikotsu.com/symptom/stiff-shoulder
https://hc.kowa.co.jp/vantelin/harebare/first_step/vol02/

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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