ぎっくり腰による突然起こる激しい腰の痛みはとてもつらいものです。痛みで動けなくなり、ひどい場合は脚や腰にしびれが出ることがあります。他にも赤ちゃんを出産した後に出る腰痛も慢性化しやすく、長い目で見ると腰の変形をもたらすのです。
そしてぎっくり腰の治療では整形外科の病院の診察を受けることが一般的です。しかし整形外科の病院の治療では痛みは軽減しても慢性化した腰痛には十分な対処ができない場合があることをご存知でしょうか。
一方で整体院はぎっくり腰の痛みだけでなく、ぎっくり腰の根本にある習慣や体質を変える施術や体操の指導を行うことができます。そのため整形外科の病院だけでなく整体院での施術も受けたほうが、ぎっくり腰を引き起こす根本的な原因にアプローチできるのです。
そこでこの記事ではぎっくり腰の原因や治療方法について解説します。そして整体院によるぎっくり腰に対する整え方や産後のぎっくり腰についても解説します。さらに整体院とマッサージの違いについても解説もします。最後までお読みいただければぎっくり腰で整体院を使う価値を理解できます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ぎっくり腰は腰周辺のねんざやキズ
ぎっくり腰とは急に起こる腰痛全般を指す言葉です。医学的には「急性腰痛症」といいます。一般的には重いものを持ち上げるときに発症することが多いです。しかし朝起きた時やじっとしていてもぎっくり腰になることがあります。
医学的にはぎっくり腰は以下の3点のうちいずれかの状態になっていると考えられています。
・腰の関節の損傷(ねんざ)
・腰の間にある椎間板の損傷(椎間板症)
・腰周囲の筋肉やじん帯の損傷
腰の変形や椎間板ヘルニアが原因だと思われがちですが、必ずしも原因とは言えません。レントゲンやMRIなどで調べて異常が無い場合でもぎっくり腰になることがあるのです。
ぎっくり腰は順調なら1ヶ月程度で治る
では、ぎっくり腰を治すにはどれくらいの期間が必要なのでしょうか。ぎっくり腰は痛み始めて2~3日の間、激しい痛みを感じます。そして1週間程度で痛みが減ってくるのです。ただしこの時点では痛みが残っていることが多く、痛みが気にならなくなるには1ヶ月から1ヶ月半程度必要になります。しかし中には痛みが慢性化してなかなか治らない場合やぎっくり腰を繰り返すことがあるのです。
病院でのぎっくり腰の治療は安静と薬
次に一般的な病院でのぎっくり腰の治療方法を解説します。ほとんどの場合、痛みの激しい3日間は安静にすることを勧められます。そして痛みの軽減に応じて徐々に身体を動かすように指導されるのです。場合によっては痛みを軽減できるコルセットを使うように言わることがあります。
薬に関しては痛みが激しい時のために痛み止めの薬が出されます。さらに強い痛みやしびれがある場合は注射や点滴で痛みのある場所を直接治療することがあるのです。
ぎっくり腰から慢性化する腰痛には精神的要因もある
近年はぎっくり腰の原因として精神的な要素が含まれているのではないかといわれています。特に痛みが長期化し、一般的な治癒期間を越えても腰痛が続く場合や再発を繰り返す場合は精神的な要因も考えられるのです。精神面が腰痛を引き起こす要因として以下の3点が挙げられます。
・心理的なストレスで姿勢が悪くなりやすい
・精神的に沈みがちだと痛みを減らすホルモンが出にくくなる
・腰痛への恐怖心が運動量を減らし腰が弱くなる
これら精神的な症状が重度であれば、心療内科や精神科での治療が勧められます。しかし多くの場合、整形外科医による指導で治療が終わっているのです。
整体院はぎっくり腰を背景から施術する
一方で整体院はぎっくり腰に対してどのように施術するのでしょうか。整体師はぎっくり腰はあくまでも「結果」だと捉えます。そのためぎっくり腰に至るまでに生じている心身の様々な歪みを探すのです。例えば以下のような考え方でぎっくり腰の原因を探します。
身体の使い方のクセを見つける
多くの人は毎日の仕事や遊びで同じような動きを繰り返して行っています。もしその傾向が強ければ特定の筋肉が引っ張られるのです。そして筋肉が付いている骨も引っ張れられ「歪み」の状態になります。
さらに歪みの状態が強くなると腰の関節や筋肉に異常な緊張が入り、その時に急に刺激が入るとぎっくり腰になると考えるのです。
過去のケガや病気の影響
整体師はぎっくり腰の原因を過去のケガや病気から探ることがあります。例えば過去にケガをするとかばった使い方をしていたと推測できます。そしてかばった身体の使い方を十分に修正せずに過ごしていることがあるのです。これは先ほどの「身体の使い方のクセ」と同じで偏った筋肉に負担を与えるので、ぎっくり腰の温床になっているのです。
さらに整体師は過去の病気がぎっくり腰の原因になる可能性を考えます。特に内臓の手術を行っていると内臓の位置が変っていたり、お腹に手術の傷が残ります。この影響で後ろにある腰の筋肉が緊張し、ぎっくり腰になることがあるのです。
心理的にバランスを崩すと身体もゆがむ
さらに整体師は精神面のバランスもぎっくり腰に影響すると考えます。例えば精神的に落ち込んでいる人は腰が丸くなりがちです。そうすると常に腰に負担がかかった状態になり、ぎっくり腰を起こしやすくなっていると考えるのです。
女性の場合産後にバランスを崩しやすい
そしてぎっくり腰に多いケースとして「出産後の腰痛」というものがあります。これに対して整体師は妊娠から出産における身体のバランスの変化に注目するのです。例えば以下のような変化が考えられます。
・妊娠することで月経周期が止まる
・胎児が大きくなり周囲の筋肉や関節は緩んで伸びる
・出産後しばらくは筋肉や関節が緩んだまま
・緩んだ状態で子育てという重労働がある
このように女性は妊娠・出産・育児という過酷な環境にさらされているのです。それに対して整体師は関節や筋肉のバランスをできるだけ戻すことで、ぎっくり腰が慢性化しないように施術します。
整体師は関節や筋肉からぎっくり腰を施術する
このように整体師は独自の見方でぎっくり腰を評価します。その上で整体では以下のような施術や指導を行うのです。
※あくまでも一般的な施術法です。手順や手法は整体師によって違いがあります。
関節に刺激を入れて動きを良くする
整体師ははじめに動きの悪くなっている関節を見つけて動きを整えます。関節と言えば肩や膝などを思い浮かべますが、整体師が注目するのは骨盤や腰の関節です。
骨盤には仙腸関節(せんちょうかんせつ)と呼ばれる比較的大きな関節があります。また腰の骨は積み木のようになっており、それぞれの間に椎間関節(ついかんかんせつ)という関節があるのです。ぎっくり腰の場合これらの関節が動きにくくなっています。そのため整体師は関節の動きを戻す施術を行うのです。
筋肉に刺激を入れて緊張を取り除く
次に整体師は緊張している筋肉を施術します。ぎっくり腰の場合特定の筋肉に負担がかかっています。そのため筋肉が緊張し痛みを出しているのです。そこで整体師は緊張している筋肉を緩めることで痛みを軽減させます。筋肉にはそれぞれ緊張を緩めることができるポイントがあり、整体師はそのポイントを押して施術するのです。
腰から離れた関連するポイントから緩める
ぎっくり腰への施術では痛みが強くて腰を触ることができないことがあります。しかし整体師には別の手段があるのです。整体師は人の体を1つのユニットとして捉えます。そのため腰の痛みや緊張を取り除くことができる腰以外のポイントを知っているのです。
例えばぎっくり腰の場合、下半身に関連するポイントが多くあります。そしてぎっくり腰の人の多くはそれら関連ポイントも緊張しているのです。したがって整体師は関連する腰以外のポイントからぎっくり腰の施術を行うことがあります。
体操やストレッチで自力で整体できる力を高める
さらに整体院では、自宅や職場でも続けられるその人に合った体操やストレッチを提案します。先述した通りぎっくり腰の原因はその人の習慣やこれまでの環境によって様々です。したがって鍛えるべき筋肉と緩めるべき筋肉は人によって違うのです。
また筋力をつけるといってもスポーツ選手のような激しい筋トレをイメージしますがそうではありません。整体として必要な筋トレは、使っていなかった筋肉に対して「使えますよ」と思い出させる程度のレベルです。例えば腰が曲がっている人に少しだけ腹筋を使うような体操を指導するだけで、腰が伸びることがあります。
整体とマッサージとの違い
最後にマッサージと整体の違いについて解説します。マッサージとは皮膚や筋肉を揉んだりさすったりすることで、血液やリンパの流れを改善する手技としてヨーロッパで生まれました。さらに日本でのマッサージは東洋医学である「あん摩」の技術と融合することで発展したのです。
整体との違いは、マッサージはリラクゼーションや美容が施術の目的になるのに対して、整体では体質の改善や体調不良の軽減と予防を主たる目的としている点です。例えばマッサージでは固くなった皮膚や筋肉を緩める手法が多くなります。一方で整体では緩める手法だけでなく、弱っている筋肉を強める手法を用いることがあるのです。
ぎっくり腰の悩みは整体師にも相談しよう
このようにぎっくり腰に対して整体院による施術が有効であることが分かりました。改めてこの記事のポイントを説明すると以下の通りです。
・ぎっくり腰は腰周辺の関節や筋肉などの損傷
・順調な場合、ぎっくり腰は1ヶ月程度で治ることが多い
・整形外科の病院では安静と薬で痛みを抑える
・整体師はぎっくり腰に至るまでの背景を探る
・整体師は精神面や出産による影響を考慮する
・整体師は背景から施術し、ぎっくり腰治療を行う
・マッサージとは施術の目的に違いがある
ぎっくり腰は様々な原因で起こるため、誰もがぎっくり腰になる可能性があります。これを機会にぎっくり腰では整形外科だけでなく整体師にもご相談されることをお勧めします。
※本記事は情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、腰痛改善運営会社及び監修医などの専門家は責任を負いません。