腰痛がつらくて楽しい毎日が送れない。また痛くなるのではないかと不安…。
年齢関係なく悩む方が多い腰の痛み。
いつものことだからと諦めないでください!
腰痛の中には、適切に対処すれば、軽快が見込める症状も数多く存在します。
本記事では、腰痛改善や予防に効果が期待できる、簡単なヨガポーズと寝方。
さらには、痛みが出た時の対処法などをご紹介します。
全てご自宅で実践できる簡単な方法です。ぜひ腰痛対策の参考にしてみてください。
目次
腰痛改善法1.ヨガを取り入れる
腰痛の85%は原因不明と言われています。(参考:腰痛診療ガイドライン2019|日本整形外科学会・日本腰痛学会監修)
「整形外科や内科で精密検査をしても異常が見つからないけれど、腰の痛みに苦しんでいる」方も多くいらっしゃいます。
● ストレス
● 猫背
● 筋力の低下
● 長時間の立ち(座り)仕事
● 運動不足
● 加齢
● 冷え
● 肥満
などが複合して腰痛を引き起こしている場合も多く、ヨガを取り入れると改善する可能性があります。
ヨガポーズは、腰痛だけでなく身体を内から整える効果も。
これから、ヨガで得られる主なメリットを3つ紹介します。
血行が促進される
ヨガは腹式呼吸です。身体にたっぷりと酸素が送られるので、血流やリンパの流れがスムーズに。
滞った乳酸などの疲労物質が速やかに排出され、腰痛改善に期待できます。
血行が促進されることにより、
● 冷えやむくみ
● 自律神経の乱れ
● 頭痛
● 睡眠の質
などの改善にもつながります。
筋力アップと姿勢の改善
ヨガはインナーマッスルや体幹が鍛えられるので、全身の筋肉を強化できます。
背骨や骨盤周りの筋力がアップすると、正しい姿勢が保てるように。猫背を矯正できれば腰痛が楽になります。
骨盤矯正
ヨガは骨盤を矯正し、正しい位置に戻します。
また骨盤を支える腸腰筋の強化や、骨盤周りの関節を伸ばし柔軟性を高める効果もあります。
骨盤のバランスや歪みが矯正されると腰の負担が軽くなり、腰痛改善に期待が持てます。
● ポッコリお腹
● 下半身太り
● 冷えやむくみ
● 生理痛
の解消にもつながりますよ。
初心者でも簡単!腰痛を改善するヨガポーズ
腰痛を改善する基本のヨガポーズを紹介します。
無理をせず、自分のペースで進めましょう。もし腰に違和感を覚えたら、すぐに中止してください。
※ヨガを取り入れたい方は、医師と相談してから行ってください。
ヨガ効果をアップするコツ
姿勢や腹筋・背筋を意識してヨガポーズをとりましょう。
● 身体を前後左右に傾けない
● 猫背にならない
● 腹筋を意識する
● 反り腰にならない
以上の4つに注意するのがポイントです。
猫のポーズ
1. 四つん這いになる
両手を肩幅に開いて床につき、膝は90℃に曲げる
2. おへそを覗き込む
息を吐きながら背中を丸め、自分のおへそを見る
3. ゆっくりと背中を反る
息を吸いながら足のつま先を立て、ゆっくりと背中を反らせ(お尻を天井に突き出すイメージで)目線は上に
猫のポーズは、背中の筋肉がリラックスし、腰周りの筋肉もほぐれます。
また腰を反る・丸める動作は、背筋や腹筋のインナーマッスルを鍛える効果も!
コブラのポーズ
1. 床にうつ伏せになる
腕は胸の横に置き脇を締める。足は腰の幅に広げる。
2. 上体を持ち上げる
息を吸いながら両手で床を押す。上体を持ち上げながら5秒キープ。
3. 1の状態に戻る
息を吐きながら、元の状態に戻る。無理のない範囲で、同じ動作を数回繰り返す。
簡単なコブラのポーズで、
● 腰痛
● 坐骨神経痛
● 肩こり
● 背中の引き締め
などに効果があると言われています。
上半身を起こす際には、腕の力だけで無理やり起きないでください。
身体を反らし過ぎると、腰を痛める可能性があります。
腕の力で起きるのではなく、腹筋と背筋を使うことを意識して上体を起こすのがポイント。
鳩のポーズ
全身を大きくストレッチします。特に肩、首、背中など腰から繋がった大きな筋肉を動かすポーズです。
両足ツイスト
寝たまま行う比較的負担の小さいポーズです。背中〜お尻、もも裏の大きな筋肉をゆっくりと伸ばします。左右の筋肉や骨盤の可動域などの差を感じ、ゆっくりと。
ねじりのポーズ
腰回りの血液循環を改善します。姿勢改善、お腹の引き締め効果も。また、内臓の動きを整えるため、体温上昇にも効果的です。
腰痛改善法2.普段から姿勢を意識する
荷物を持つ・テーブルを拭くなど、できる限り身体の近くで作業するように意識しましょう。屈む・捻る行為も、腰痛の原因に。
腰を屈めて物を拾ったり、便座のフタを開けたりしていませんか?
ギックリ腰の予防にもなりますので、膝を曲げ腰は落として拾うように心掛けましょう。
また、パソコンやスマホは姿勢が悪くなりがちなので注意が必要です。
パソコンを使う場合は、肘を90度に曲げられるように、机と椅子の高さを調節すると腰の負担を軽減できます。
腰痛改善法3.布団やマットレスを見直す
「硬くて薄いせんべい布団は腰に良い」と思っている方も多いのでは?
実は、全ての腰痛に当てはまるわけではないのです。
適している布団やマットレスの硬さは腰痛のタイプによって異なり、寝方にもコツがあります。
前屈みになると腰が痛い!硬めの布団・マットレスを選ぼう
前屈みになると痛みを感じる方は、硬めの布団・マットレスが向いています。
症状
● 椎間板ヘルニア
● 筋膜性腰痛
● 椎間板症
など。
腰痛を予防する寝方
● 身体をまっすぐに伸ばす
● 腰が痛いときは横向きになる
● 同じ筋肉に負担をかけないように、寝返りをたくさんうつ
後ろに反ると腰が痛い!柔らかめの布団・マットレスを選ぼう
後ろに反ると痛みを感じる方は、柔らかめのお布団・マットレスが向いています。
症状
● 脊柱管狭窄症
● すべり症
● 腰椎分離症
など。
腰痛を予防する寝方
● 身体を横向きにする
● 海老のように丸まる
● できる限り寝返りをうたない
腰痛を和らげる方法
腰痛でつらいときは、手軽かつ迅速に対処したいもの。
痛みが出たときは患部を温める、もしくは冷やしましょう。
慢性の腰痛は温めて、急性の腰痛は冷やすのが原則です。
腰痛改善法4.手軽にできる体操を取り入れる
立ったまま体操
おへそを見ながら腰を丸めることで骨盤を後ろに倒す、腰を反らせることで骨盤を前傾するといった動作を繰り返します。
寝たまま体操
・上半身を起こし、腹筋を鍛える。
・膝を曲げた状態で胸に引き寄せる。
・仰向けのまま太ももの裏を持ち、膝をお腹に近づけて数10秒キープ。(両足同様に)
・膝を曲げ、両手は身体の横に置き、首から膝まで一直線になるようにお尻を持ち上げて数10秒キープ。
・膝を立て、息をゆっくり吸ったりお腹を膨らませたりを10回程度繰り返し。
このようなストレッチや筋トレは、上半身を支える下半身の筋力を向上させ、筋肉自体を柔軟にすることで腰痛の予防につながります。
体操や筋トレは痛みが出ない程度に行いましょう。
腰痛改善法5.寝る姿勢を工夫する
人の睡眠時間は3分の1だと言われています。腰痛を改善するには寝る姿勢はすごく重要です。工夫できるポイントは以下の3つです。
仰向けになる際には、ひざ下へ枕を入れる
腰部が正しい屈曲を保持でき、腰への負担軽減につながります。
寝た状態から起きる時は、横向きになり、手で身体を支えながら起き上がる
突然起き上がると腰へ過度な負担がかかってしまうため、ゆっくり起き上がるのがポイントです。
寝具の見直す
ベッドやマットレス、敷布団などは身体が沈みすぎず、しっかり支えてくれるくらい硬めがおすすめです。
ご紹介した方法が、腰痛を感じる全ての方に当てはまるとはいえません。
しかし、腰痛の原因に対する改善方法の理解を深め、自分の腰痛に適した方法をとることで改善はきっと図れるでしょう。
日常生活を変えて腰痛改善しよう!
使うべき場所を使って負担軽減
物を持ち上げるとき、高い所から物をとるとき、体をひねるときなど、無理した姿勢を取っていませんか?
ボディメカニクスを使えば、小さな力で重い物を動かすことができ、腰に過度な負担をかけずに済みます。
ボディメカニクスとは、医療現場において活用されている技術で、力学などの知識を活用した体の動きのことです。
重いものを持ち上げる時には「両足を肩幅程度に開く」「重心を低くする」「相手の身体または物に近づく」「テコの原理を利用する(膝やひじを支点にして動かす)」といった4点を意識すると良いでしょう。
この動作を身につけることで、腰痛を引き起こしづらくなります。
また、腰痛の有無に関わらず、腰への負担軽減を目的としてコルセット着用を取り入れるのも工夫の一つです。
鏡を使ってバランス確認
定期的に、立った自分の姿を鏡で見てみるようにしましょう。気づかない体の傾きやズレに気づけるチャンスです。
身体の歪みは腰痛を引き起こす原因ともなり得ます。
例えば重い物を持つときは片手ばかり使用せず、両手でバランスよく持つようにするなど、日々の生活で少しずつ意識を向けるようにしてみましょう。
正しい歩行への改善
歩幅が狭まったり、すり足歩行になったりしていませんか。
間違った歩行は腰への負担をかけるほか、転倒の要因につながりかねません。
年を重ねるにつれ、筋力低下や筋肉衰退により歩幅は狭まりやすく、足が上がりづらくなるといわれています。
転びやすくなったと感じる方は、「歩幅は広く、足を上げて前に出す」というイメージを持ち、意識しながら歩行するのがおすすめです。
バランスの良い食生活に
腰痛が生じた際には、疼痛緩和目的で湿布や鎮痛薬などが処方されることが多いでしょう。
神経や血管の働きを良くするため、ビタミン剤なども処方されることが多くあります。
ビタミン摂取は普段の日常生活に取り入れられる方法の一つです。
1日3食、規則正しい生活に加え、食べ物またはサプリメントなどを利用してビタミン摂取を試みましょう。
冷房や冬の寒さ対策をとる
最近では、夏でも冷房が効きすぎていて室内が肌寒いこともあります。冬には室内自体は暖かくても足元が冷えていることもあるでしょう。
腰そのものは極端に冷えを実感しなくても、下半身への血流が乏しくなることで腰部の血流量が減少し、腰痛悪化へとつながります。
ひざ掛けや厚手のソックス、長めのはおりものなどを用意し、足元の冷えを防ぎましょう。
体感温度を下げない工夫も大切
下着や肌着など、袖や丈が長めのものを着用する、カイロを使用して、体感温度を下げないなどの工夫も重要です。
手足が冷たくなっているときは、末梢血管が収縮しているサインです。
とくに肌着の着用は、汗をかいてしまった場合に吸収してくれるので、汗冷えの予防もしてくれます。冬場はとくに肌着をうまく使用しましょう。
日々の生活を振り返ってみよう
・腰に負担をかける動作や行動をしていないか
・腰痛があるのに、ヒールなどの靴を継続して履いていないか
・長時間同じ姿勢をとったり、座ったりしていないか
・前傾姿勢や中腰姿勢をとるときは、膝を曲げるよう意識できているか
長時間同じ姿勢でいると腰にストレスがかかり、血液循環が悪くなります。
日々の生活での意識や行動次第で、痛みの度合いや腰痛が引き起こされる頻度は大きく変わるので、ぜひ試してみください。
慢性か?急性か?判断がつかない場合の見分け方の例
「あの日・あの時・あの動きをしたら腰が痛くなった」など、腰痛を引き起こしたときのことが1か月以内に分かる場合は、急性の腰痛です。
腰に痛みを感じてから3ヵ月以上経っている場合は、慢性の腰痛です。
急性腰痛の特徴
急性の腰痛の場合、通常は1週間ほどで痛みが改善してきます。
なかなか改善しない場合、内臓疾患や関節リウマチなど重大な病気が隠れていることもあります。
以下の症状がある場合は早めに整形外科を受診することをお勧めします。
・足に痺れや脱力があり歩行が困難
・急に強い痛みが出現
・安静にしても改善しない
・ドンドン強くなってくる痛み
・1ヶ月治療を受けても軽快しないギックリ腰などの急性腰痛は、冷却して消炎します。
急性の腰痛は、安静でも動いていても治るスピードは同じだといわれています。
痛み止めを使用し、痛みが我慢できる範囲であれば、安静にしている必要はありません。
しかし、痛みが強く動く事が難しい場合は、安静にして痛みが引くのを待ってから動くようにしましょう。
この期間に痛みを減らす方法としては、腰痛バンド、消炎鎮痛剤、硬膜外ブロックという注射による治療があります。
整形外科でも受けることが出来ます。
慢性腰痛
慢性の腰痛の場合、腰だけが原因だけでなく、痛みの引き金になっている動作や身体のバランス力の低下、精神的ストレスなどを改善する必要があります。
慢性の腰痛に対し、多くの方が内服治療を受けているかと思います。しかし、実は「運動療法」が最も効果的な慢性腰痛の治療ということを知っていましたか?
腰椎や下肢のストレッチと合わせて、腹筋や背筋の筋肉トレーニングも行うとより効果的です。
腰痛教室などで定期的に腰痛の生活指導を受ける事も効果があります。
慢性の腰痛の予防としては生活習慣の改善が大事です。
1.適度な運動を定期的に行う
2.趣味を持ち楽しむ
3.ストレスをためない
4.うつ状態にならない
5.仕事しすぎない
まとめ
簡単だけど効果的なヨガポーズと日常生活の注意点、痛みが出た時の対処法をご紹介しました。
ヨガは、緊張や酷使が続いて凝り固まった筋肉をほぐし、運動不足やクセで弱ってしまった筋肉を強化します。
継続することにより腰の痛みが緩和される可能性も高いですが、焦りは禁物。
自分のコンディションに合わせて進め、つらい腰痛をゆっくりと改善していきましょう。