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筋肉の柔軟性を取り戻すことを目的とした筋膜リリース。そんな筋膜リリースで、つらい腰痛を何とか改善できないかとお考えではないでしょうか。
この記事では、腰痛の方に役立つ筋膜リリースのやり方を解説します。テニスボールを使った方法ですので、ひとりでもかんたんに取り組めます。

ストレッチやマッサージで改善が見られなかった方は、この機会に筋膜リリースを試してみましょう!

そもそも筋膜って何?

筋膜とは、筋肉を包んでいる膜のことです。ウェットスーツのように頭の先から足の先まで体全体に張り巡らされています。

日常的に動いているときは柔らかい状態を保てます。しかし、バランスの崩れた体の使い方や悪い姿勢などで動かさなくなると、水分が供給されずに固くなることが特徴です。
固くなると癒着しやすくなり、凝りや痛みを招きます。

参考:論文 フォームローラーを使用した筋膜リリース方法
ゆったりストレッチ
筋膜リリースとは

筋膜リリースとは?

筋膜リリースとは、筋繊維と癒着した筋膜を引き剥がしたり、こすったりすることで元に戻す方法のことです。筋肉の柔軟性を取り戻したり、関節の可動域を広げたりする効果が期待できます。
つまり筋膜リリースを試してみれば、腰痛を改善できるかもしれないのです。

筋膜はほかの筋膜にも影響を与えるため、筋膜リリースを行えばさまざまな場所に良い効果をもたらす可能性もあります。
腰痛だけでなく、肩凝りや首凝り、筋肉の疲労回復、冷え性、むくみ解消などにも効果が期待できるでしょう。
なお、筋膜が癒着した場所は「トリガーポイント」と呼ばれます。

参考:筋膜リリースとは?
ゆったりストレッチ(筋膜)筋膜とは何か
トリガーポイントとは
慢性痛の原因「トリガーポイント」

筋膜リリースの基本

面で圧迫しながら伸ばすのが基本的なやり方です。面でアプローチすると、奥深くの筋膜にも圧が伝わりやすくなります。やっていて気持ちいいと感じる場所を見つけてください。

マッサージやツボ押しのように、指先に力を入れるやり方は良くありません。強く押したりもんだりすると、癒着した筋膜を引き剥がせないばかりか、筋肉を緊張させてしまいます。
ゆっくりと圧迫しながら伸ばすことを意識してください。

参考:「筋膜リリース」ポーズを徹底解説!
ツラ~イ腰痛には「筋膜リリース」が効く!

テニスボールを活用した筋膜リリースのやり方

ここからは、テニスボールを使って行う筋膜リリースを紹介します。
腰痛で負担のかかりやすい筋肉を5つ紹介します。
やり方を見ていきましょう。

脊柱起立筋

脊柱起立筋は、背骨の両側に付いている筋肉です。重いものを持ち上げたときや、デスクワークで負担がかかる場所です。
●やり方
1.仰向けになる
2.体を浮かせて右側の脊柱起立筋に当たるようにテニスボールを置く
3.テニスボールを動かして痛気持ちいい場所を探す
4.呼吸しながら30秒間押す
5.左側も同様に行う
参考:脊柱起立筋(P5)

腸腰筋

腸腰筋は、腰から太ももの付け根にかけて付いている筋肉です。インナーマッスルとも呼ばれます。テニスボールに体重を乗せるときは、少し上体を上げることがポイントです。
●やり方
1.うつ伏せになる
2.体を浮かせて右の腸腰筋の位置にテニスボールを置く
3.ゆっくり体重を乗せる
4.痛気持ちいい場所を探す
5.呼吸しながら30秒間押す
6.左側も同様に行う
参考:腸腰筋(P11)
腸腰筋とは

腰方形筋

腰方形筋は、脊柱起立筋の横(左右)にある筋肉です。腰を安定させる働きがあります。足を組む方はとくに試してほしい場所です。体を少し傾けると刺激が入りやすくなります。
●やり方
1.仰向けになる
2.体を浮かせて左の腰方形筋の下にテニスボールを置く
3.テニスボールを動かして痛気持ちいい場所を探す
4.呼吸しながら30秒間押す
5.右側も同様に行う
参考:腰方形筋(P7)

中殿筋

中殿筋はお尻の筋肉です。股関節の動きをコントロールする働きや、骨盤を支える働きがあります。座っているだけでも疲れが溜まる場所です。
●やり方
1.左を向いて寝る
2.体を浮かせて左の中殿筋にテニスボールが当たるように置く
3.テニスボールを動かして痛気持ちいい場所を探す
4.呼吸しながら30秒間押す
5.右側も同様に行う
参考:中殿筋(P9)

ハムストリングス

ハムストリングスは太もも裏の筋肉です。前屈みになるときにハムストリングスが硬いと背中を大きく曲げる必要があり、その結果腰に負担がかかります。
テニスボールよりも大きめのボールだと、ハムストリングスに当たりやすくなっておすすめです。
●やり方
1.両脚を伸ばして座る
2.左脚を立てる
3.右脚のハムストリングスの下にテニスボールを置く
4.膝に近い場所で15~30秒押す
5.骨盤に近い場所で15~30秒押す
6.痛気持ちいい場所を探して15~30秒押す
7.左脚でも同様に行う

参考:マッサージボールの使い方【もも裏(ハムストリングス)】
テニスボールで裏ももをほぐす方法

筋膜リリースとストレッチの違い

筋膜リリースがストレッチと異なるのは、さまざまな方向に圧をかけて伸ばせる点です。
ストレッチは一定方向に伸ばすことはできますが、さまざまな方向に張り巡らされている筋膜には対応しきれません。
また、筋膜リリースは、さまざまな方向に圧をかけることで、表層だけでなく筋肉が重なっている深層の筋膜にもアプローチできます。

目的にも違いがあります。筋膜リリースは柔軟性の改善が主な目的ですが、ストレッチは柔軟性の向上や可動域の拡大が目的です。
筋膜リリースとストレッチには以上のような違いがあります。

参考:ストレッチと筋膜リリースの違いストレッチとは違うの?

腰痛を引き起こす3つの原因

最後は腰痛の原因について見ていきましょう。原因は普段の生活のなかに隠れています。
考えられる原因を3つ紹介します。

姿勢の悪さ or 同じ姿勢

猫背や反り腰は筋肉を緊張させるため、腰痛を引き起こす可能性を高くします。椅子の背もたれに寄りかかった状態も同様です。
長時間座りっぱなしのデスクワークや、車の長距離運転も注意が必要です。長時間動かないと筋肉の柔軟性は失われるため、腰痛を引き起こしやすくします。
また、同じ方向に体を傾けたままの作業は、一部分の筋肉を緊張させることが特徴です。
姿勢の悪さや同じ姿勢を取り続けることは、筋肉だけでなく筋膜の柔軟性も低下させ、腰痛を引き起こしやすくするのです。

参考:正しい姿勢・気をつけたい動作腰痛の原因

ストレス

精神的なストレスが腰痛につながる場合もあります。ストレスによる胃腸の不調や吐き気、下痢などはよく知られていますが、腰痛を発症することもあるのです。
また、人間関係や仕事のストレスは、脳内で痛みを抑え込むシステム「下行性疼痛抑制系」を働きにくくします。「下行性疼痛抑制系」が働きにくくなると、わずかな痛みを強く感じたり、痛みが長引いたりすることがあります。
腰痛が治らないと痛みを感じること自体もストレスとなるため、ストレスは悪循環を生み出しやすいのです。

参考:腰痛の原因は精神的なストレス 自分で簡単にできる腰痛の治し方
約85%は原因不明といわれる腰痛 痛みのメカニズムと最新治療
ストレスと腰痛

運動不足

運動不足によって筋肉が衰えると、背骨のS字カーブが崩れて腰にかかる負担が大きくなります。座ったときの上半身の重さは腰のみで支えるため、とくに負担がかかることが特徴です。
また、腹筋が弱くなると背筋によって背中の方が引っ張られるようになり、反り腰を招く可能性もあります。

筋力が衰えると姿勢が悪くなるため、痛みや凝りもあらわれやすくなります。そうすると運動からはさらに遠ざかり、筋肉の衰えは進んでしまいます。
運動不足は腰痛を引き起こすだけでなく、長引かせる場合もあるのです。

参考:腰痛
腰痛予防特集

まとめ

筋膜リリースは、筋繊維と癒着した筋膜を引き剥がして元に戻す方法です。筋膜リリースをやってみれば、あなたのしつこい腰痛もきっと改善するでしょう。
腰痛は姿勢やストレス、運動不足が原因となっている可能性が高いため、普段の生活を見直すことも忘れてはいけません。
筋膜リリースで今の痛みを和らげつつ、腰痛につながるようなことをしていないか生活習慣を振り返ってみましょう。

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著者情報

腰痛メディア編集部
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