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肥満の方は体重が重い分腰に負荷がかかりますので、腰痛になりやすいといわれています。
しかし、痩せ型の方も腰痛になる場合があります。なぜ痩せていて体重が軽いのに腰痛に繋がるのでしょうか?
ここでは痩せと腰痛の関係と対策方法をお伝えしていきます。

なぜ痩せているのに腰痛になるのか

痩せていて腰にかかる負荷は軽いのに、なぜ腰痛になるのでしょうか?
理由は3つあります。

筋肉不足により身体を上手く支えられないから

痩せている方は筋肉量も少ない傾向にあります。筋肉量が少ないと身体を支えることができません。 普通の方であればなんともないような負荷でも、筋肉へ大きな負荷がかかります。そのため、筋肉や筋膜に炎症が起きて腰痛に繋がることがあります。
特に女性や高齢者は筋肉量が少ない傾向にありますので、注意が必要です。運動習慣をもち、筋肉量を維持・増進していきましょう。

冷えやすい

筋肉量が少ないと基礎代謝が落ち、冷えやすいという側面もあります。筋肉は熱を作るという大切な役割をしています。筋肉量が少ないと産生される熱量が少ないので冷えやすい身体になってしまいます。特に腰まわりが冷えると腰痛になりやすくなります。
運動習慣が無かったりデスクワークで同じ体勢で過ごすことが多い方も、血流が悪くなり冷えやすくなってしまいますので気をつけましょう。
冷え防止のためにも運動は大切ですね。

腰への負担が大きい作業をしている

次に腰へ負担が大きい作業をしている場合です。肥満の方と比べ体重による腰への負担は少ないとはいえ、より負担の大きい作業をしていれば腰が悲鳴をあげてしまいます。
例としては重い荷物を運搬したり、介護などの力仕事をしていることがあげられます。
特に痩せ型の人は筋肉量が少ない傾向にあるため、筋肉により大きな負担がかかります。
筋肉への負担が大きいと、筋肉や筋膜の炎症から腰痛が引き起こされます。

無理なダイエットでは筋肉量が低下する

無理な食事制限のみのダイエットでは脂肪だけでなく、筋肉量も低下してします。とにかく体重さえ減らせば良いという考えで、栄養バランスの偏った食事をすると身体を構成するのに必要な栄養素が補給されず筋肉が減っていきます。
タンパク質だけ取っていれば良いと思っている方がいますが、タンパク質だけでは身体は機能することはできません。炭水化物やビタミン、ミネラルがそれぞれ上手く働いていることで成り立っています。
また、食事を抜いたり過度に制限すると身体が危機感をおぼえ、次に食べる時にたくさん食べたくなります。
そして食べたものをできるだけ脂肪として蓄えようとし、太りやすい身体になってしまいます。また、自律神経失調症などの不調の原因となる危険性もあり注意が必要です。
ダイエットの際はバランスの良い食事だけでなく「運動」を取り入れ、筋肉量を維持しながら脂肪を減らすようにしましょう。

筋肉量が低下すると姿勢が悪くなる

正しい姿勢を保つためには、ある程度の筋肉量が必要です。座った姿勢でいることが多く、あまり歩かない人は腸腰筋という股関節の前面にある筋肉が衰えやすいです。腸腰筋は骨盤を支えて正しい姿勢を維持するための大切な筋肉ですので、衰えると猫背になりやすくなります。
さらに猫背を続けていると脊柱起立筋という姿勢を保つための筋肉も低下し、さらに姿勢が悪くなるという悪循環になってしまいます。
美しい姿勢を維持するためにも、筋力を維持していきましょう。

痩せ型の人のための腰痛対策

運動をして筋肉量を維持・増進する

有酸素運動と無酸素運動を組み合わせるのがおすすめです。
ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動は脂肪を効率よく燃やしてくれます。まずは1日30分でも良いので実施してみましょう。仕事で忙しいという方は、通勤時1駅前で降りて職場まで歩いたり、エレベーターではなく階段を使うなど生活の中に運動を取り入れると続けやすいです。目安としては30分以上の有酸素運動を週に3回以上行うと良いでしょう。また効率的に脂肪を燃焼させるには、胃に内容物が無い空腹時に有酸素運動を行うのが良いと言われています。食後2~3時間は運動を避け空腹時に行うように心掛けましょう。
無酸素運動として筋トレをしましょう。筋トレといってもジムでするような本格的なものではなく、テレビを見ながら腹筋や背筋を20回ずつ2セット、スクワットを20回2セットなどできる範囲で行います。目的は足や腕に適度の負荷をかけて筋肉を維持することであり、ムキムキになることではありませんので、無理をせずに少しずつ続けてみましょう。
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体に負担をかけないボディメカニクスを意識する

ボディメカニクスとは、骨や筋肉、関節の仕組みを元にして効率的な力を出すために導き出された理論のことです。主に介護や看護の現場で使われています。 ボディメカニクスを意識することで、腰や肩への負担も軽減されます。

ボディメカニクスのポイントは以下の通りです。

足を開いて重心を低くする

重心を低く

足を開いて身体の重心を安定させます。加えて姿勢を低くすることでより重心が安定し、力を出しやすくなります。
重心を低くするポイントとしては腰をまるめ丸めながら行なうのではなく、お尻を後方に突き出すイメージで股関節を曲げるように行ってみましょう。
言葉だけだと難しいですが、綱引きを思い浮かべてみてください。綱を引っ張るときに膝を曲げ、腰を低くしています。足を開いて重心を低くしていますね。

物や人を運ぶ際には自分の体の重心を近づける

体に近づける

対象物と自分の重心との距離があると、力が上手く伝わらず腰や肩に負担がかかります。体の重心は骨盤の中にあるため、自分の腰から骨盤を対象物により接近させ近させることでより少ない力で対象を動かせるようにしましょう。

大きな筋群を使う

大きな筋群

大きな筋群とは、大胸筋、広背筋、大腿四頭筋、腹直筋、大臀筋、脊柱起立筋という、大きな力を出せる筋肉のことです。大きな力を出せる筋肉を使えば、無理に腕の力だけで動かして背中や腰に負担がかかることを避けることができます。
これらの大きな筋肉は胴体に集中していますので、物を持つときは自分の重心(腰~骨盤付近)を対象物に近づけて大筋群の力を利用しましょう。

力仕事をするときはボディメカニクスを意識して、腰への負担を減らしましょう。

冷え対策をする

身体の外側、内側の両方から対策をしましょう。
外側の対策としては腹巻きやカイロを使って暖をとり、部屋はエアコンやストーブで暖かくしましょう。窓際は冷気が入りやすいので、断熱ボードやプチプチシートで遮断するのがおすすめです。
内側の対策としては食べ物や飲み物は冷たいものは控え、常温から温かいものを選ぶようにしましょう。
特におすすめは湯船に浸かることです。身体が芯から温まり、筋肉の疲労を和らげることで腰痛予防にもなります。
また筋トレで筋肉量をふや増やすことや、有酸素運動によって循環を良くすることも効果的ですので行ってみましょう。

正しい姿勢を保つ

姿勢が悪いと筋肉の衰えから腰痛に繋がります。日頃から正しい姿勢を意識するようにしましょう。
椅子に座るときは次の3つを意識します。

足の裏全体を床につける

足が床につくことで体重の負荷を分散することができます。

腰と膝の角度は90度

椅子の高さを調節し腰と膝の角度は90度にしましょう。骨盤が安定してお尻の筋肉を上手に使うことができます。

顎を引いて背筋はまっすぐ

前かがみになると猫背になってしまいます。パソコンや書類を見るときも30センチほど距離をとり、前かがみにならないようにしましょう。

まとめ

痩せている人も腰痛になります。筋肉量や身体の使い方は腰痛予防のために大切ですので、
この記事をきっかけに日常生活を振り返り、改善できる部分があれば改善していきましょう。

【参考文献】
横浜あくわ整骨院
https://yokohamaseitai.xyz/15749240986757
OMRON
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/guide/fatness/07.html
有料老人ホーム検索 探しっくす 介護コラム

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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著者情報

池澤 ひまり
池澤 ひまり

保有資格

看護師、保健師

経歴

消化器内科病棟にて看護師経験あり。

現在は企業に保健師として勤務中。

主に予防医療や健康経営に携わる。

ライターとしても活動中。

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