「起きたら腰が痛くなっていて今日1日ずっと憂鬱(ゆううつ)だ…」
「腰が痛いから市販のコルセットを買おうかな…」
「コルセットってどんな種類があるのか分からないから、どれを買えばいいのかいまいち分からないな…」
みなさんはこのような経験をしたことはありませんか?
腰痛を抱えている人は非常に多く、身近な人も腰痛に悩んでいる人がいるのではないでしょうか。
そんなときに頼りたい1つのアイテムである「コルセット」。
スポーツ用品店や薬局などで見かけるけど、具体的にどのコルセットを買えばいいのか、そもそもコルセットに効果があるのかなど分からない人も多いと思います。
そこで今回は「コルセットの効果とは?腰痛改善に向けた筋トレを紹介!!」というテーマでコルセットの目的や種類、効果、さらには腰痛改善に向けた4つの筋トレを紹介していきます。
目次
コルセットを装着する3つの目的とは?
みなさんはコルセットについて詳しく知っていますか?
何となくは知っているけど詳しくは知らないという人が多いと思います。
そこでまずはコルセットを装着する目的を紹介します。
コルセットを装着する目的は主に3つあります。
・腰の動きを制限すること。
・腰部、体幹を安定させること。
・コルセットを装着したことにより安心感が得られること。
上の2つを主な目的としてコルセットを装着します。
腰、腰椎が動く事により痛みが生じる事が多いためその動きを制限し、重いものを持ち上げたり、スポーツで体を急激に動かすときなどに腰回りを安定させておく必要があります。
特におなかの腹横筋がおなかを前から奥に向かって押さえつけ内臓を圧迫する働きから腹圧を高めることができます。
コルセットはおなか、腰まわりを全体的に締め付けることで圧迫を加え、この腹横筋の役目を補助してくれています。
コルセットにはどのような種類があるの?
コルセットは何種類あると思いますか?
コルセットの種類は1つだけではありません。
実は3種類あって、腰のサポートをする強さや動きを制限したい範囲など、それぞれの目的に合わせて使い分けます。
・簡易コルセット(腹部固定帯)
・軟性コルセット(ダーメンコルセット)
・硬性コルセット
コルセットにはこの3種類があります。
それぞれのコルセットの違いについて以下の表にまとめています。
名称 | 特徴 |
簡易コルセット(腹部固定帯) | ・簡易コルセットと骨盤ベルトの2つに分けられる。 ・簡易コルセット:腰と骨盤を固定する目的で腰痛全般に使用される。 ・骨盤ベルト:骨盤を固定することで主に骨盤周囲に痛みがある腰痛、例えば恥骨結合炎、仙腸骨関節性腰痛などに使用される。 ・スポーツ用品店など、市販で3000~5000円程度で購入することが可能。 ・メッシュ生地にゴムによる伸縮性を持たせることでフィット感が良く、装着することが容易である。支柱はないものが多く、固定力は高くはない。 |
軟性コルセット | ・別名ダーメンコルセットとも言われている。 ・腰椎椎間板ヘルニア、腰痛症、変形性腰椎症、腰椎分離症など、幅広く使用されている。 ・市販はされていない。整形外科などを受診することで、義肢装具士が腰回りを測定しオーダーメイドで作成される。 ・金額は3割負担で2000~4000円程度。病院によって異なる。 ・メッシュ生地にステンレスのバネや金属支柱を埋め込んだものが多く、腹部の軟部組織に圧迫を加え腹腔内圧を高め、腰椎にかかる負担を軽減してくれる。さらに、腰椎の動きを制限することで、腰椎の動きによって生じる痛みを緩和してくれる。 ・簡易コルセットよりは支柱が入っているため固定力が高くなる。 |
硬性コルセット | ・圧迫骨折や脊柱管狭窄症の術後の固定、側彎や腰椎分離症の治療などに使用される。 ・市販はされておらず、軟性コルセットと同様に整形外科などを受診することで義肢装具士が腰回りを測定しオーダーメイドで作成される。 ・金額は3割負担で3000~4000円程度。病院によって異なる。 ・硬性という名前だけあって非常に硬く、固定力はコルセットの中で最も高くなる。 |
一般的な簡易コルセットは医療関係者だけではなく一般の人もよく知っているのではないでしょうか?軟性コルセットや硬性コルセットは病院を受診してオーダーメイドで作成されます。硬性コルセットがより重症な腰痛の人に用いられ、固定力も非常に高くなっているという特徴があります。
コルセットの選び方
痛みの度合い
ぎっくり腰のような痛みが強い腰痛では、しっかりとした固定が必要です。軟性コルセットのような、固定力が強いものを着用して、しっかりと患部を保護しましょう。
コルセットを着用して安静にしていれば、1、2週間ぐらいで、完治することがほとんどです。しかし、痛みが長引いたり、痛みが強いようであれば、無理をせず病院を受診するようにしましょう。
また、痛みが続くような慢性的な腰痛では、固定力の弱い骨盤ベルトがおすすめです。なぜなら、固定力の強いコルセットを普段から着用していると、腰の筋力が低下し、腰痛をさらに悪化させる原因にもなります。 ほかにも骨盤ベルトでは、骨盤を正しい位置に矯正する効果もあるので、腰痛の原因を根元から改善してくれる効果も期待できます。
素材
夏の熱い時期は汗をかきやすく、コルセットをしていると蒸れてしまって、肌トラブルを起こすことがあります。
そんなときは、メッシュ素材のコルセットがおすすめです。メッシュ素材のコルセットは、通気性がよく、夏の暑い時期でも肌トラブルなく、快適に身につけられるでしょう。
反対に冬の寒い時期は、ナイロン素材でできた保温性の高いコルセットがおすすめです。なぜなら腰を冷やしてしまうと、血行が悪くなり、腰痛が悪化する原因にもなるからです。腰をしっかり温めることで、血行を改善し、腰痛になりにくくなります。
価格
コルセットの価格は、ピンからキリまであるので、自分の予算に合わせたものを選ぶようにしましょう。「高いもの=自分にあっているもの」とは、一概にはいえません。
大事なのは、自分の体型や目的にあっているかが重要です。予算を決め、その中から自分にあったものを選ぶようしましょう。
腰痛改善に向けた4つの筋トレ
これまではコルセットの目的や種類について紹介しました。
コルセットや市販のサポーターなどを長期間にわたって使用していると、日常生活の中で支障をきたす場合があります。
コルセットにばかり頼ってばかりもいられません。
そのため、普段から腹部、腰部周りの筋肉を鍛えることで「腰痛」を改善させることが大切となってきます。
ここでは4つのおすすめの筋トレについて紹介します。
大腰筋の筋トレ
大腰筋とは腰の骨と股関節をおなか側で結んでいる筋肉です。
この筋肉が衰えてしまうことで、足をあげる力が弱くなってしまいます。
その結果、下半身全体の筋力が低下してしまい、姿勢が悪くなり、腰痛を引き起こしてしまいます。
これにはスクワットが効果的です。
① 足を肩幅程度に開く。
② お尻を後方に突き出しながら両膝を曲げ、上半身をまっすぐ下げる。このときに前傾姿勢となったり、反らしたりしないように注意。
③ 太ももと床が並行になるまで下げたら元の姿勢に戻す。
④ ①~③を繰り返す。
背筋の筋トレ
背筋はその名称の通り背中の周りを走っている筋肉を指します。
背筋の筋肉量によって上半身は支えられているため、背筋が衰えると猫背気味になってしまい、この姿勢の悪さが「腰痛」につながってしまいます。
これにはダンベルデッドリフトが効果的です。
① 両手にダンベルを持ち、肩幅程度に足を開いて立つ。つま先がまっすぐ前を向くように。(ダンベルの代わりに水が入ったペットボトルでも代用可)
② 股関節と膝を曲げながら、ダンベルをまっすぐ下に下す。このときお尻を後ろに突き出すように意識して、膝の位置がつま先より前にこないように注意。
③ 足首付近まで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻す。
④ ①~③を繰り返す。
ハムストリングスの筋トレ
ハムストリングスとは、太ももの裏側にある大きな筋肉の総称で、太ももの裏側で姿勢を支えてくれている重要な筋肉の1つです。
この筋肉が弱ることにより、大腰筋や背筋などと同様に姿勢に悪影響を与えてしまいます。
これにはヒップリフト(ブリッジ運動)が効果的です。
① 布団やヨガマットなどに仰向けに寝る。
② 両膝を肩幅程度に広げて曲げ、足の裏を布団やヨガマットにつける。
③ ②の状態から、お尻をあげていく。
④ 頭からお尻が一直線となるように意識する。腰が反ってしまわないように注意。
⑤ ①~⑤を繰り返す。
殿筋郡の筋トレ
殿筋郡とはお尻周りの筋肉のことを言います。
この筋肉も弱ってしまうと大腰筋や背筋、ハムストリングスなどと同様に姿勢に悪影響を与えます。
この殿筋郡を鍛えるには先ほど(1)大腰筋の筋トレのところで紹介したスプリットスクワットが効果的です。
まとめ
今回はコルセットの目的や種類から、腰痛改善に向けた筋トレの方法について紹介しました。腰痛がひどいときは病院を受診し適切なコルセットを装着してください。また、筋トレは無理のない範囲で行い、「腰痛」のない快適な日常生活を送りましょう。
<参考文献>
公益財団法人,日本整形外科学会,腰痛診療ガイドライン.
自分で治せる!腰痛を治す教科書,鈴木勇,2017.